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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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はじめてのショー―9歳―

 リド暦788年 四の月 一日


 ミリーが僕のために彼らと仲よくしようとしているというのは嬉しいよ。

 僕もミリーのために頑張るよ。

 今月のショー楽しみにしているよ。カメラがまだできていないのが残念だけど、それでも楽しみな事には変わりがないからね。

 今からこっちにくるんだよね。気を付けてね。


 ティモ



 リド暦788年 四の月 五日


 カメラが出来たら沢山写真を撮りましょうね。ティモの絵姿も素敵だけど、写真もきっと素敵だもの。

 ええ、今、お父様と一緒に王都に向かっているわ。お父様は私がモアから交換日記を預かるのを見て、「相変わらず殿下と仲良しだな」といってくれたのよ。私とティモは誰がどう見ても仲良しなのよと思うと嬉しいわよね。

 私も魔法が上手に使えるようになってきたし、護衛もいるし大丈夫よ。


 ミリセント



 リド暦788年 四の月 八日


 やっぱりミリーが僕の元にいるのはいいね。


 ティモ



 リド暦788年 四の月 八日


 私もティモが傍に居るのは嬉しいけれど、会ってすぐにぎゅーって抱きしめられてびっくりしたわ。

 人前でされると恥ずかしいわ。


 ミリセント



 リド暦788年 四の月 九日


 ……人前じゃなきゃ、ぎゅーってするのがいいわけではないからね? 恥ずかしいのよ?

 嬉しくないわけじゃないけれど……。


 ミリセント



 リド暦788年 四の月 十二日


 ショーのリハーサルのためにドレスを試着したミリーは本当に可愛かった。

 いつでもミリーは可愛いけれど、こうしてミリーを着飾らせるの楽しいね。


 ティモ



 リド暦788年 四の月 十二日


 私が試着中に何を書いているかと思えば……何で交換日記にショーの衣装を着た私のイラストかいているの?

 ティモは、絵を描くのもうまいわね。私もティモの絵を描くわ。


 ミリセント




 リド暦788年 四の月 十二日


 ミリーの絵もうまいね。というか、ミリーが僕のことを描いてくれるってなんかいいね。


 ティモ




 リド暦788年 四の月 十五日


 ドルゴラデーフ様が少し挙動不審だったけれどどうしたのかしら。

 先月喧嘩してしまったことが尾を引いているのかしら?



 ミリセント



 リド暦788年 四の月 十五日


 ミリーは気にしなくていいよ。ドルゴラデーフには僕がちゃんとお話ししておくから。


 ティモ



 リド暦788年 四の月 十五日


 ティモってばドルゴラデーフ様に何をしたの? 相当びくついたわよ。

 なんか私に話しかける時、どこか変だし。


 ミリセント


 リド暦788年 四の月 十五日


 気にしなくていいよ。ミリーは。

 ちょっと何かやらかす前に注意しただけだから。


 ティモ



 リド暦788年 四の月 十九日


 ついに明日はショーね。

 何だかドキドキするわ。この国でやる新しい試みだし、受け入れてもらえたらいいのだけど。

 でも素敵な恰好をしたティモと一緒にこんな楽しい催しが出来るのだと思うと楽しみで仕方ないわ。


 ミリセント


 リド暦788年 四の月 十九日


 大丈夫だよ。ミリーは不安になる必要なんてないから。

 僕もミリーとのショーを楽しみにしているよ。

 緊張しているからか寝れないみたいだけど、おやすみ、ミリー。



 ティモ




 リド暦788年 四の月 二十日


 なんとかショーの初日が無事に終わってほっとしているわ。

 私も今は公爵令嬢で、次期王妃なのだからもっとしっかりしないとね。ティモが隣に居てくれて、大丈夫だよと笑ってくれるから私はいつも前を向けるのだと実感するわ。

 いつもありがとう、ティモ。


 ミリセント



 リド暦788年 四の月 二十日


 僕は可愛い衣装を着たミリーを一番身近で見れて嬉しかったよ。

 それにしてもミリーは口でもそこそこ素直な方だけど、交換日記だと本当に思ったことを口にしてくれるね。

 僕にミリーが本音を沢山口にしてくれることが僕は嬉しいよ。大好きだよ、ミリー。



 ティモ



 リド暦788年 四の月 二十二日


 ねぇ、ティモ、交換日記でも散々書いているのに「好きだよ、ミリー」とか「可愛いね、ミリー」とか言い過ぎじゃない?

 王城に務めている方たちの前ならともかく、それ以外の人の前でもその調子で、驚かれたじゃない。


 ミリセント


 リド暦788年 四の月 二十二日


 ミリーがあまりにも可愛くて素敵だから、他の人がちょっかいをかけてこないか心配なんだよ。

 ショーに挑んでいるミリーはいつもよりも魅力的だからね。

 言っている言葉は全部本心だけど、牽制もこめてるんだよ。


 ティモ



 リド暦788年 四の月 二十三日


 態度で示したからもう心配しないでいいってわかるわよね?

 私もティモと以外結婚する気もないんだから、そんなことを心配しなくていいの。


 ミリセント


 リド暦788年 四の月 二十三日


 うん。十分、ほっぺにミリーがキスしてくれて、ぎゅってしてくれて、ミリーの気持ちは伝わったよ。


 ティモ


 リド暦788年 四の月 二十三日


 なんでわざわざ交換日記に私がやったことかくの?


 ミリセント



 リド暦788年 四の月 二十三日


 照れたミリーが可愛いから。

 あと折角だから記録しておきたいからね。


 ティモ



 リド暦788年 四の月 二十七日


 数日間にわたるショーが無事に終わって安心だわ。

 評判もよさげだし、こうやってティモと考えた催しを成功させられると嬉しいわね。

 ショーで素敵な衣装を身に纏ったティモは、本当にかっこよかったわ。



 ミリセント




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― 新着の感想 ―
[一言] ドルゴラデーフ、恋のライバルにエントリーする前に釘を刺されたんですね(^^)
[一言] ティモ「ミリーに馴れ馴れしくしすぎんなよ?処すぞ?」 ゴルドラ「ヒェッ…」
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