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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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騎士団長の息子の苦悩―9歳―

 リド暦788年 三の月 一日


 三月になったね。

 もうすぐショーを行えると思うと僕は楽しみだよ。

 ミリーが一生懸命勉強しているのは僕も報告で聞いているから、ミリーも無理しないでね。

 頑張ることと無理をすることは違うからね。

 そうだね。残念なことに僕はパーティーには参加できないんだ。是非ミリーのことをエスコートしたかったけど、王太子としての仕事も色々あるから。はやくミリーと結婚したいよ。結婚して、沢山の場所でエスコートしたいな。

 


 ティモ



 リド暦788年 三の月 五日


 私も楽しみよ。ショーを行えると思うとわくわくするわ。ショー自体も楽しいけれど、ティモと一緒に何かが出来るのも楽しみだわ。

 大丈夫だよ、私もちゃんと無理しないようにしているもの。

 私もティモがいないの残念だわ。やっぱり社交の場に出るのならば、ティモが隣にいてくれる方が安心できるもの。でもティモが居ない場でも、ティモの婚約者として相応しいふるまいをしてみせるわ。

 ティモに今度エスコートされる日を楽しみにしているわ。



 ミリセント



 リド暦788年 三の月 八日


 僕もミリーとならなんだって楽しい。

 ショーは来月の二十日からあるから、その時にミリーに出会えると思うと僕は楽しみだよ。

 本当にミリーの言葉は、僕の気持ちを高まらせる魔法みたいだね。ミリーの言葉、一つ一つが僕にとって大切で、その言葉をこうして交換日記として記録出来るのは嬉しいよ。

 僕もミリーが傍に居ない時もミリーの誇れる僕でいられるように、振る舞うよ。ミリーなら心配ないだろうけど、何かあったら僕に教えてね。僕はミリーの力になるから。



 ティモ



 リド暦788年 三の月 十三日


 ティモにそんな風に言われると何だか照れくさいわね。でも私もティモの言葉をこうして交換日記で記録できると嬉しいわ。いつか結婚した後に二人で読み返したいわよね。

 ティモ、昨日パーティーだったのだけど、私、ドルゴラデーフ様と喧嘩しちゃったわ。ごめんなさいね、ティモの側近相手に喧嘩しちゃって。

 でもね、ティモの事を悪く言ったの。私はティモが誰よりも頑張っていることを知っているもの。なのにドルゴラデーフ様はティモのことを才能があるで片づけようとしていたわ。

 騎士団長の息子という立場なのに、王太子であるティモに勝てないことでそんなことを言ったみたいよ。

 私のお友達の婚約者なのに、そんな風にティモに言っているのにも何とも言えない気持ちになったし、何より王太子であるティモの側近ならばしっかりしてほしいなという気持ちもあるわ。

 でもちょっと大人げなかったと反省しているわ。



 ミリセント


 リド暦788年 三の月 十四日


 そうだね。結婚して見返して思い出話したいよね。考えただけで幸せだよ。

 ドルゴラデーフと喧嘩したんだね。詳しい話も聞いたけれど、怒るドルゴラデーフに対して、ミリーは冷静に答えてたんだってね。それにしても僕のことをそういう風に言うのもそうだけど、僕の婚約者のミリーにそんなことを言うなんて今はまだ子供だからともかく、大人になる前にはどうにかしないとね。

 騎士になりたいと、彼は言っていたのだからそういうところもちゃんとしないと。

 ミリーが僕のことで怒ってくれるのは正直に言うと嬉しいよ。

 大人げないって、ミリーも同じ年でしょう。



 ティモ



 リド暦788年 三の月 十八日


 仲直りできたわ!!

 ドルゴラデーフ様とちゃんと話したのだけど、私はティモがどれだけ素敵な人なのか沢山語ったわ。……ちょっとティモには恥ずかしいことを言っちゃったかもしれないけれど、私はティモの側近として育つ彼にちゃんとティモの事を知ってほしかったの。

 それにしてもティモの素敵な部分を語っていたら「……そんな奴だったのか」と謎の発言をされたわ。私もドルゴラデーフ様とはそこまで話したことがなかったから、私の事をドルゴラデーフ様も分かっていなかったのね。私もドルゴラデーフ様のことが分かってないけれど、もっと仲良くなれたらいいわね。

 これで大分色々なフラグはなくなった気もするけれど、それでも色々心配はあるし、お友達には幸せになってほしいから婚約者との付き合い方も話しておいたわ。

 

 ミリセント



 リド暦788年 三の月 二十日


 仲直り出来たなら良かった。

 全然いいよ。僕の話をミリーがしてくれるならどんな話でも嬉しいから。

 恥ずかしい事でも他の人に言われるのは嫌だけど、ミリーが言った事なら全く問題ないよ。

 ミリーの素の、可愛い部分を他の人が知るのはちょっと面白くないけど、ミリーが楽しそうなら僕は嬉しいよ。

 ミリーが仲良くなりたいっていうなら僕は止めないよ。次期王妃と側近たちが仲良くなるのも良いことだからね。

 何のことが言っているかは分からないけど、ミリーはやりたいようにやったらいいよ。僕は何でも応援するから。

 来月のショー、楽しみにしているよ、ミリー。可愛いミリーを沢山見れると思うと頑張る気になるよ。


 ティモ



 リド暦788年 三の月 二十六日


 ティモは本当に優しいわよね。

 私が彼らと仲よくしたいのは、私が仲よくしたいからというのもあるけれど、一番はティモの力になりたいからよ。

 ティモがそう言って、応援してくれるから私はやりたいように動けるの。

 私も来月が楽しみよ。ティモのかっこいい姿を目に焼き付けるわ。


 ミリセント



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