帰路と弟―8歳―

　リド暦787年　十の月　一日

　領地への帰路に気を付けてね。

　僕もミリーに会えてうれしかったよ。ミリーに会えるといつも幸せな気持ちになれるんだ。

　お礼はいらないよ。僕が信じたくて信じているんだから。

　僕の方こそ、ミリーのおかげでどれだけ幸せな気持ちになっているか、きっとミリーが想像しているよりもずっと僕はミリーに助けられているよ。

　僕もミリーのことが大好きだよ。

　ティモ

　リド暦787年　十の月　四日

　今、まだ領地に帰っている最中よ。

　私もティモに会えると楽しいし、幸せだわ。

　何だか互いに大好きって書きあっていて、後から見直したら恥ずかしくなりそうね。

　寒くなってきたからティモは風邪に気を付けてね。私は道中が冷えていて、新しい上着を購入したわ。

　ティモにもこの上着を着ているところを見せてあげるわ。私のお気に入りの上着になったわ。

　ミリセント

　リド暦787年　十の月　七日

　新しい上着を購入したんだね。ミリーは可愛いから色んな服が似合うよね。

　僕もミリーに色んな洋服を着せたいな。着飾ったミリーっていつも可愛いから、沢山見たい。

　今日は魔法の練習を沢山したよ。ソロサヘルと魔法対決をして、もちろん勝ったよ。

　それと隣国との国交も今の所上手く行っているよ、まだ隣国は完全に疫病がおさまっているわけではないけど、効果が出ているから良かったと思っているよ。完全に収まったら、隣国にも行きたいね。

　ティモ

　リド暦787年　十の月　十二日

　領地に帰宅したわ。

　ティモが喜ぶなら幾らでも着るわよ。ティモも、着てね。

　魔法ね。私ももうそろそろお父様から許可が出ると思うから魔法の練習頑張るわ。ティモは凄いわよね。流石だわ。

　そうね。ちゃんと疫病がおさまったら隣国にも行きたいわ。私は沢山のものをティモと一緒に見たいわ。

　あとお母様に抱っこされたユージョンが私を出迎えてくれて、弟って本当に可愛い！！　となったわ。

　ミリセント

　リド暦787年　十の月　十五日

　あれだね。折角ならショーみたいにするのもいいかもね。僕もミリーも見た目が良いから周りも盛り上がるだろうし。

　疫病で少しだけ暗い空気が漂っているから、盛り上げる意味も込めてさ。

　魔法をやる時は気を付けてね。結構難しいから。僕で良かったらミリーに教えるよ。

　そうだね。僕もミリーと一緒に色んな場所に行きたいよ。ミリーと一緒ならどこでも楽しいから。

　弟は可愛いものだよね。キッドもとても可愛くて、僕はキッドの成長が楽しみで仕方がないんだ。

　ティモ

　リド暦787年　十の月　十七日

　ショーっていいわね。是非ともやってみたいわ。

　そうね。私やティモがそう言う行事を行うことで国を盛り上げるのは重要だわ。それに私やティモが着ているものが流行を呼んで、経済を回せるかもしれないし。いいことだわ。

　ええ、教えてね。ティモ。

　そうね。私たちの立場だと色んな所を行くのは難しいかもだけど、それでもティモといろんな場所に行きたいわ。

　可愛いわよね。うちのユージョンは、今日だぁ、って声を出していたわ。なんだろう、赤ん坊って何をしていても可愛いわ。特に弟だからこそよね。お姉様とか姉上とか、そういう呼び名になるのかしら？　ティモは何て呼ばれたい？　小さいころだとにぃにとかかしら？

　ミリセント

　リド暦787年　十の月　二十日

　そうだね。経済も回せそうだね。

　父上と母上に相談してみる。あと文官たちにも。開催出来なかったら二人だけでショーでもやれたらいいね。

　公務にも出来て、楽しい場所に向かいたいよね。

　僕はどんな呼び名でもいいかな。どんな呼び名でもきっと可愛いだろうし。でもにぃにっていいね。凄い可愛いと思う。ミリーはねぇねって呼ばれたいって思う？

　そうそう今日はキッドと遊んだんだけど、ぎゅっと僕の手を掴んできて、か弱い力で可愛かった。

　ティモ

　リド暦787年　十の月　二十四日

　もしショーが出来なくても、二人だけのショーもいいわね。二人で色んな服を着れるのいいわ。カメラがあったらいいのだけど、絵として残してもらってもいいわね。

　将来のためにもなって、楽しい場所……そうね。そういう場所に行きたいわ。でも楽しい気持ちにならなくても、将来のためになるのならいきたいわ。ティモと一緒ならどうにでも出来るもの。

　そうね。ねぇねとか、ねぇたまって呼ばれたいわ。想像しただけで大興奮よ。

　ぎゅっとつかんでいるのも可愛いわね。うちのユージョンは、今日はお昼寝していて凄く可愛くて、じーっと見つめちゃって、お母様に注意されてしまったわ。あんまり構い過ぎたら驚かせちゃうって言われちゃったわ。

　可愛い可愛いと構ってばかりはユージョンのためにもならないわよね。もっとしっかりしたお姉ちゃんに私はなるわ。

　ミリセント

　リド暦787年　十の月　二十七日

　ミリーとなら何でも楽しいから僕はどっちでも嬉しい。とりあえず父上にいっておいた。

　うん。何処でもきっと僕もミリーと一緒なら問題がないよ。

　にぃたまもいいね。キッドがそんな風に僕のことを呼んでくれたらちょっと僕も嬉しくなりそう。

　そうだね。僕も合間合間にキッドの様子を見に行っていて、母上と父上に、来すぎじゃないかって言われたよ。まぁ、僕が弟を可愛がっているのが母上たちは嬉しいみたいだから笑顔だったけど。

　ミリーはきっと良いお姉ちゃんになるよ。

　ティモ