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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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ヒロインの登場と二学年―16歳―


 リド歴795年 四の月 三日


 今月から二学年ね。私が色んなことを心配しているからと、傍に居てくれてありがとう。面倒だろうに話を聞いてくれて、本当に嬉しかった。

 私ね、凄く変な気分。

 前世の記憶を思い出してからこの日がこなければいいのにってそればかりを私は考えていた。それはティモがとられてしまわないかって不安だったからもあるの。

 私が悪役令嬢だから、いつか破滅してしまうのではないかとそう思って。

 でもティモが私のことをいつでも安心させてくれるから、こうしてヒロインの登場を迎える日が近づいていても私は不思議となんでも上手く行くってそう思ってるの。


 ミリセント


 

 リド歴795年 四の月 五日


 ミリーの前世ではそう言った強制力のようなものがある物語があったって言っていたよね。そういう物語が豊富なのは凄いよね。何度聞いてもそう思う。

 たとえ、もし……強制力のようなものが本当にあったとしても、私達なら大丈夫だとそう思っているんだ。

 もしミリーがおかしくなったら私がすぐにどうにかしに行くね。ミリーも何かあったら私に手を差し伸べてくれると助かる。

 それに周りにもきちんと、何か予想外の行動を起こす可能性はあるとは伝えているよ。


 ティモ



 リド歴795年 四の月 九日


 私も周りにもきちんと警戒するようには伝えているわ。それでもどうにもならないことはあるかもだから、少しだけ緊張はするわ。

 ただ何があっても私はティモのことを手放すことは出来ないし、絶対にそれだけは嫌なの。

 ティモが乙女ゲームの中では攻略対象で、私と結ばれない運命だったとしても私はティモと一緒がいいから。

 ヒロインの子がね、どれだけいい子だったとしても、ティモのことを彼女が好きになったとしても……私にとってティモは手放せない人だから。


 ミリセント



 リド歴795年 四の月 十二日


 ヒロインの名前、メルネーナ・ツェーガンっていうんだね。今のところは転入してきたばかりだから、問題行動は起こしていないけれど……どうなんだろう。

 これまでも乙女ゲームのことを知っているらしい人たちが暗躍はしていたから、何かしらその影響は受けている気はしているけれど。


 ティモ



 リド歴795年 四の月 十五日


 そうね。私も独自の調査で彼女の動向は調べているわ。今のところは変わった点は見られないけれど、逆にそれを心配に思ってしまうなんて、私の考え過ぎかしら。

 ティモの書いてくれた通りに、確実に乙女ゲームを知っている人達はいて、彼らは何かしら動いているもの。”悪役令嬢”である私にもちょっかいをかけていたことを考えると、ヒロインを放置するとは思えないのよね。

 ただ今のところは……乙女ゲームにおける出会いイベントは起こっていないみたい。私もうろ覚えだから、もしかしたら知らないところでの接触はあるのかもしれない。だからもっとツェールガンのことは調べておくつもり。


 ミリセント



 リド歴795年 四の月 十八日


 本当に裏で危険な存在と接触をしているということが分かったら、何でも理由をつけて隔離ぐらいは出来るんだけどね。

 ただ無実の人を理由なくとらえるなんて出来ればしない方がいいから難しいよね。

 今の所彼女が何かしたわけでもないし。ただ学園生活を送っているだけならば、私達にとっては守るべき国民だし。


 ティモ



 リド歴795年 四の月 二十一日


 そうよね。

 彼女の身に危険があるとかなら、国家で保護するということもできるからやるならその方向がいいわ。ただ今のところはそう言う気配がないの。何も起こらないならそれはそれで素晴らしいことだけれども、やっぱり不安には思うわ。

 私は乙女ゲームを知っている存在達が簡単いヒロインと接触をするのを諦めるとは思えない。だってこんな簡単に諦められるならば最初から何か起こそうとしないはずだから。

 とはいっても私が彼女に接触をするのはなるべくしない方がいいとは思っているの。学園内でも私は目立つから下手な接触は、ツェールガンの学園生活を邪魔してしまうわ。


 ミリセント



 リド歴795年 四の月 二十三日


 最近のミリーはあの子のことばかりだね? 心配なのは分かるけれど、もっと楽しい話もしようよ。

 私はミリーがヒロインばかり気に掛けているのは少し嫉妬してしまう。私のことだけ考えてればいいのにって。


 ティモ



 リド歴795年 四の月 二十三日


 ティモとヒロインへの感情は別よ。ティモの事は彼女の事よりもずっと沢山考えているわ。

 寧ろティモのことを取られたくないなってそう言う心配をしているだけなの。他の攻略対象にも婚約者がいるからヒロインが接近するのには警戒するけれど、一番はティモだわ。

 もし彼らに彼女が接触するならば注意はしないといけないわね。乙女ゲームの性格のヒロインならば、すぐに納得してはなれそうなイメージだけどどうかしら。


 ミリセント



 リド歴795年 四の月 二十八日


 僕たちがミリーの言う乙女ゲームと異なるように、ヒロインも違う性格になっている可能性はあるもんね。

 そのあたりもちゃんと調べさせているよ。


 ティモ

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