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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
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九百八十二生目 運勝

 たとえその牌自体が弱くてもときと場合により牙を向く。

 今ユナの隠された牙がエイナに刺さった!


「こうです!」


 ユナの倒した牌は多くがM牌。

 しかも3つずつ同じ牌が3つ。

 チーした牌3つと西の牌2つ。


 混一色(ホンイーソー)三暗刻(サンアンコウ)

 4翻満貫8000点!


「た、高い!? この字牌が今更意味を持つだなんて……」


「やりましたよ、ロードライトさん!」


「やったね!」


「うぐぐ、してやられた……!」


 VVは悔しがりエイナは驚いていてる。


VV  37600

エイナ12400

ユナ 34400

ローズ14600


「ま、まずいってこれってぇ!?」


「すみません、まさか(わたくし)がここまでのミスを……」


「これは仕方ないって、運だったし……キショ待ちだったし」


「き、気色悪くないですから!」


「ついに追い詰めたよ、VV!」


 あと3200点。

 たったこれだけであり同時にあまりに遠い。

 麻雀は1回の試合中に和了れる機会なんてたかがしれている。


 だからVVの逃げ切り作戦は悪くはなかった。

 けれどここにきて鉄壁の壁に歯牙をかけられたのは大きい。

 このあとの牌で……全部決まる。


「ま、まだ3200点差もあるんだから、ここで終わらせれば逃げ切りだもんね!」


「フフ、つまり勝負する気になったんですね!」


「ユナ……まさかここまで大立ち回りできるだなんて。アタシ、ここで負けるわけにはいかないからね、全力でやらせてもらうよー!!」


 VVの目に輝きが宿る。

 ギラついた殺意とも言えるほどの力。

 思わず押されたユナが「ウッ」ト怯んだ。


 私はユナの肩の腕にそっと触る。


「大丈夫、ここまで来れたんだから、私とユナならやれる!」


「そ、そうですね……! わたくしめだけじゃなくて、ロードさんもイますからいけますよね!」


「一緒に戦おう!」


「はい!」


 ユナはやっと緊張がとけてきたらしく震えがおさまった。

 どうやらやっとエンジンがあったまってきたらしい。

 もはやカメラのことなど忘れ顔に緊張ではなく真剣と興奮の笑みが浮かぶ。


 オーラス(最後)がはじまる。

 私から親はユナに渡る。

 得点争いはユナとVVの一騎打ち。


 だが。


「まだ(わたくし)も挽回のチャンスがあるようですね!」


 エイナもいる。

 ここでエイナがなんでもいいのでVV以外からロンかツモで和了ればその時点でVVチームの勝利が確定してしまう。

 そう……見えている数倍は崖っぷちなのだ。


 さて手牌が全員に行き渡った。

 私の手牌は国士無双という役満……1番強い役の1つが狙えそうな手。


 1と9と字牌ひととおり全種類集めれば出来るという難しさに拍車のかかる役だ。

 ちなみにそれに近いというのは他の役を揃えるのはほぼ不可能に近い。

 九種九牌。やり直し請求できちゃうんですけど。


『ど、どう? そっちの牌は』


『……これは……』


 ユナは何か伝えるのを悩む素振りを見せる。

 もうこれ牌を倒して九種九牌宣言するか?

 悩むくらいならそのほうがマシなはず。


「おやおや! どうしたんだいふたりたも、そんな難しい顔をしてー?」


「うるさいよ。VV、私達は負けたりはしない」


 VVが軽く煽ってくるのをいなす。

 ユナが難しい顔をして悩んでいるのは事実だ。

 だがまだ牌は動き出していないからやり直すなら今だ。


 エイナはただ静かに成り行きを見守るのみ。


『……実はいけないわけではないんです。二向聴(揃う3つ前)ですから。ただ、点が低いんですよ。VV様を超えるには無理にでも形を変えるかドラを引き入れないと。ただ連チャンすればまだ引き続けられます。勝負です』


『わかった……けれど、今なら九種九牌でやり直せるけれど、大丈夫だね?』


『今がやるときですか!』


 よしそれなら乗った。

 私は国士無双でも目指しておこう。

 VVの姿勢がかわったあたり和了り狙いか。


 エイナやVVに和了られるともちろんゲームセットだから自然に力が入る。


「では……いきます」


 親のユナから牌を捨てるのが始まった。







 場は異様な緊張感に包まれた空気となっていた。

 ユナ自身の緊張はほぐれたが逆にオーラスとなる場全体は緊迫感が上がっていっている。


「アタシはここを背負っているからね……負けられない。ちょっとやそっとやってきたわけじゃないんだ。さっき始めたような相手に、運勝ちされるのだけは勘弁!」


 VVは明らかに前までの余裕はない。

 1打1打真剣に指している。

 ただその姿勢は攻撃的だ。


 つまるところVVも危険を承知で捨てる牌も多い。

 きっと役も作っているだろう。





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