九百七十七生目 和了
「リーチ!」
「ついに来ましたね」
「盛り上がってきたねえ! 何がくるんだろー!?」
VVは大盛りあがりだ。
今に逆転してやる。
「ここからは、わたくしめにかかってますね……」
リーチ後は基本的に行動が制限される。
当たりの牌が来るまでずっと来たのを捨てるのだ。
非常に攻撃的で相手のロン和了りを防ぐ行動ができない。
そしてコンビ打ちのさいに大事なのは味方のこの時の動き。
敵の当たりを防ぐのもそうだが味方が親なら差し込みするのも大きな一手になる。
必要な牌を捨てて渡すという行為だ。
『必要なのはなんですか?』
『7と8があるから9か6!』
『まだないです! しかも結構つらいですね!』
ユナの話す通りではある。
私の揃えている種類のS牌の9と6はいくつか河に見られる。
VVとエイナが初期の頃に捨てていた。
あの頃はまだ揃えられそうにないから鳴き行動もできなかったし。
合計のこり3枚のチャンス。
「わ! やっぱり染めてるよね!?」
「リーチ後の捨て牌はウソをつけないですからね」
「染めに見えても、1つ違いかもよ?」
「実際それも怖いけれど、その場合は点が低いから警戒はそこまでしなくていいんだけねー!」
まあ確かにVVは逃げ切り体勢なのだから私が4000点とかで上がっても怖くない。
そしてエイナは着々と手を揃えているなあ。
「エイナさん、もう聴牌ですね?」
「せっかくの特急券ですから、活かして行きたいかと」
鳴くとリーチができなくなる。
それでも堂々とあと1つだと言うあたり自信以上にユナへの牽制が見える。
考えることが多くなり複雑化するのだ。
さて残りの山にある牌は12。
3周するだけで打ち切る。
くっ……誰か握ってるか?
『どうしましょう! 来ませんよ!?』
『多分VVは降りているしエイナも降りつつ通せればと思ってると思う。せめて聴牌維持できれば良いんだけれど……』
親は聴牌しつづけていれば流局……その回誰も上がれず終わっても親を継続できる。
もちろん和了ったほうが得点的にも良いが。
問題はもうVVとエイナふたりから全然S牌が来ないことだ。
ユナと私のツモだより。
あっさり1周終わりのこり2周。
正直あんまり余裕がない。
とはいえ私が何かできるわけでもない。
ユナは脂汗にじませて必死に打っているが芳しくはないなあ。
「はっ!」
「わあ意外ー! なかなか避けるねー」
「よかったぁ……かなり怖いところ通ったぁ……」
ユナが捨てた牌は危険牌と言われ最悪エイナにロンあがりされていた。
河からその危険牌を推測している
それでももう危険なやつばかりなので仕方ないが。
あっさり最終。
ちなみに鳴きがあった関係で私がラストになる。
牌を引くのは他人からになるのが鳴きだからだ。
ユナは引いて露骨にガッカリした顔で牌を捨てる。
安全牌。
「何も来ませんでした……」
「じゃあアタシだね!」
VVが山から牌を引いて……
唇を尖らせそのまま捨てる。
違う牌か……
「今回はこないなーっ」
「では、私が」
エイナが引いて目を閉じそのまま捨てる。
やはり違う牌。
「…………」
「ラスト……!」
私は最後の牌を引く。
リーチ後だからこれがどんな牌でも対処出来ない。
ど……どうだ!?
ふとめくると牌はS牌ではないP牌。
つまり来なかった……
エイナたちがずっと抱えていたらしい。
ゆっくり河に置いて様子をみる。
エイナとVVの目線がこちらに集まり。
ユナが固唾を飲む。
「……」
「…………」
「どう?」
「そうですね……ロンです」
ドンとエイナの牌が倒される。
それと共に謎の効果音と光が放たれた。
なんなんだろうねこの雀卓。
「「ああ〜!」」
「フフフ、河底撈魚いただきました」
私達の悲鳴とエイナの細笑みが響く。
ホウテイラオユイとは最後の牌でロン和了りすることで出来る。
狙えないし1翻のみだがおまけで貰えるには大きい。
出来た役は……
「ホウテイ、發、ドラ1の安上がり3翻ですね」
計算すると3900だった。
でかくはないがちまちま来るなあ……!
そしてVVとエイナの手牌にしっかり7と9のS牌があるのも見えた。
やっぱ抱えられていたぁ〜!
「ヌフフ、ちっちゃい手で相手の大役を潰す時が1番楽しいよねー!」
「せ、性格が悪い……!」
「またおじさんみたいな笑い方をしてますね……」
そこからは結構派手なことは起こらなかった。
ユナが親の回はVVが聴牌に入り流局し3000点を得る。
そして南場に入った。2周目であり試合全体で見れば半分終わったことになる。
ここからだな……!




