九百七十四生目 撮影
「そしてアタシのいつものサポーター、従業員の方でーす!」
そしてエイナは一礼をして挨拶もVVに任せる。
従業員が何人か放送に出るのは実はそこまで珍しいことではないらしい。
エイナが出るのはレアだそうだが。
「今日はガチンコ勝負! アタシと彼女、そしてロードとユナ、このふたりでー……ペア打ち麻雀をやりまーす!!」
どうしてこうなった。
勝負と言えば響きは良いが実際は博打打ちだ。
明らかにエイナが持ち込んだんだろうなという麻雀で勝負するはめになるとは。
まだ拳でやり合うほうが勝算はあった……
さらに麻雀は三麻である3人打ちか四麻である4人打ちの必要がある。
そして対等のチーム戦になるため4人打ち。
足りない分はユナとエイナという分で。
確実性を狙うならドラーグにくんでもらったほうがいいけれど「もうロードは組んでるコがいるじゃん☆」と目から星を飛ばしながら言われてしまった。
それにユナはここにいるので実は賭場の麻雀も賭けの1つと覚えているらしい。
ただしあくまで普通に出来るだけらしいが。
ちなみに割と違うのはコマとかである。
竹をかいても通じないのでこの大陸によくある燃ゆる木になっていたり。
ただややこしいので通常の表記に脳内補正。
私は前世の記憶でひっぱりつつ1戦の最初だけやってみたが……
まるで打てずにツモあがりされた。
ツモの説明をする前に……
「麻雀の説明をするよー!!」
……VVの放送視聴者用の言葉で振り返ろう。
麻雀は4人で卓を囲む卓上ゲームである。
ざっくりいうと親と子にわかれ親から順番にターンが進み一周まわる。
自分の番が来たら1つ牌と呼ばれる手札を山ト呼ばれるところからとって1つ自分の手札からいらないものを捨てる。
最終的に山がなくなればその試合は流れ1局が終わるとされる。
逆に役を揃えればその時点で1局が終わるのだ。
なので役を揃えて勝つ……上がるという行為をするのが目的だ。
役は複数揃えられて得点も違うり
高得点を目指し競い合い4局を2回行う。
合計点数が高い者が勝ちだ。
そしてチーム戦であるコンビ打ちというのは味方のうちどちらかが1位ならば勝ちになる。
互いに秘密の会話をしてもオッケーなわけだ。
口や態度に出したら相手にバレるだけなので意味はないが。
そう……味方に上がらせる方法がある。
それは誰かの捨て牌を自分の手持ちにできたりなんなら最後のピースに出来る。
細かいルールはやりながら語ろう。
「カメラ4台、各々の視点で楽しんでねー! デワデワ、1時間ほどの尺になるかな? 行ってみましょー!」
VVは愛嬌を振りまいてウインクし瞳に輝きを流す。
こう物理的に目で見えているからあれも一つの力なんだろうな……
メチャクチャ無駄遣いな神の権能だと思う。
まあ他者のことは良い。
私だ。
私はルールをわかったというレベルではこの運をひっくり返すことは出来ない。
何せ私の運引きだからね!
思ってて悲しくなった。
ただやり始めたらやるしかない。
幸いそこそこはわかったしVVも究極の雀士とかそういうわけでもない。
問題はとにかく運勢をひっくり返せるかどうかだった。
そしてVVは……その運がすごく良いようで。
東場第一局0本場開始。
さっき目の前でスマホにより組み上げられた全自動雀卓。
まさかのすぎる……動力だのなんだのは細かく違うがおいといて。
見た目もなんか派手だしね。
そして不正がないかは互いがチェック出来るようにされた。
エイナはエイナが作り出したことで「信じてもらいたい」と話していた。
あの時話した従業員プロとしての心得。
私も見たりかいだりする限りの不正は見えなかったしぶっちゃけ表に置いてあるものと相違なかった。
エイナはVVの協力者だが賭け事に関しては……しんじられる。
そしてユナ。
もちろん彼女が間者の可能性はあるにはあるんだけれど……
こんなガクガクブルブルで顔面蒼白しながらスキルであっさり心情を読み取れるような間者はいない。
あとにおいもウソをついていない。
というかマアある程度は割り切るしか無い。
真の意味で敵はひとり。
VVだ。
しかしエイナは手を抜くことはしないだろう。
コンビ打ちで有る以上なんならエイナのほうが強敵かもしれない。
ただしエイナはフェアだ。
VVだけはイカサマをしてもVVの視聴者はVVに有利になるよう発言するだけだ。
おそらくVVの力の1つは魅了系。
ウインク1つで耐性のない相手を陥落させられる。
さあ全自動で卓上の上に山が出来上がり私の背後からカメラがのぞく。
一番心配なのはこのカメラなんだよなあ……




