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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
2039/2401

九百四十六生目 煙管


 私達の方へ視点は戻る。

 今度はギャンブルの方だ。

 こちらも朝から盛況。


 そして中に入り驚いたのはその大きさと規模である。


「ひっっ……ろいね〜……」


「すげえ、アノニマルースの試合会場分くり抜いたくらいないか?」


 アノニマルースのオープンドームはメチャクチャ大きい総合施設。

 いわゆる世界競技大会とかやっちゃったりする施設。

 そこ並みにデカくてクラクラしそうなほどに音と光と金にあふれている。


 そう金色。

 そして光。

 こちらを強欲のにおいで潰しにかかっているかのような中身に私達はなんとか歩み進んでいた。


 訳のわからないほどにきらびやかな空間は同時にシックさでしめられている。

 コインの音やボールの音それに……カードの音。

 様々な声は悲鳴か歓喜か。


 全体的に大人な雰囲気が漂っている。

 雰囲気のいいBGMが流れているのは贅沢にもさっきのアトラクションでも使われていた音録音の魔石だ。

 音楽処理って結構大変なんだけどなぁ……


 短文で済む音声は秒数にして10秒もないことが多い。

 そうなると結構安いのだ。

 小さい石で込める力もそんなにいらない。


 だが音楽は1ループ1分半とか普通にある。

 凄まじい容量食いなのだ。

 しかもさっきから聞いているにオーケストラ的な音楽なのでそんなに短くなくもっと長い。


 雪だるま式に時間と質で値段や大きさは跳ね上がっていく。

 そのうちシンプルに入手自体が難しくなるのだ。

 こういうのを仕入れられるのは財力と権力の証。


 まさしく贅沢な空間での遊戯。

 ここにいる人々もどうやら金にかじりついている雰囲気が感じられない。

 私財には余裕があるけれど矜持を示し(マウントをとり)たいというのがヒシヒシと伝わってくる。


 特に男性諸君の側に明らかに客ではない女性がたくさんくっついている。

 なーるほどああやって逃げられなくするんだな……

 私は詳しくはないものの男のニンゲンはほとんど知りもしない女性にも勝ち気を見せたがることがあるらしい。


 しかも金を使っても。

 まあきっとニンゲンの女も似たようなカタチはあるのだろうけど。

 ホエハリ族は割と違うからなあ。


「どうでしょうか? この眺めも1つのスポットなのですよ」


 エイナが案内してくれたのはこの欲望の詰まった景色が一望できる高い場所。

 誰でもこれる場所ながらココにいる者は少ない。

 なぜならここに賭け事はないから。


「すっご〜い!」


「いやほんと、でかいな……」


「だよねえ……これだけでおなかいっぱいになりそう」


「あ、あれは何かなぁ!?」


 弟のハックが指した先には巨大な設置物。

 他のところがニンゲンたちが扱える施設なところあれだけ別格の塔みたいな雰囲気が漂っている。

 贅沢にも透明ガラスや透過クリスタルなどを用いたその塔にはキラキラとしたものがすこしずつ積み上がっている。


 あれは……金貨?


「ああ、あれこそは……」


「アレはここの名物、ジャックポットタワーよ」


「えっ?」


 私達は突如別のところから聞こえた声に身体をまわす。

 するとそこには何人もの女性が。

 話したのは1番前にいる手にキセルを持った女性。


 全員の服装が艶めかしく暗い所でよく輝く。

 なるほどここで客たちについている女性か……


「アメリア、それは(わたくし)の役割だ」


「たまには良いじゃない、あたいたちにも楽しませてよ」


 エイナをアメリアと呼ばれた彼女は軽くあしらう。

 エイナは顔をしかめながらも私のそばに寄った。


「……彼女はアメリア。ここ中央の中でもトップとも言える稼ぎをしている、接待班のトップです」


「よろしく。あたいたちはもてなすのが仕事……特に黒VV.I.P.である皆様方に、恥をかかせるわけにはいきませんからねぇ」


「恥を……というと?」


「こんな仕事服に身を包んだちんちくりんひとりだけを側にいさせるだなんて、ヘタをしたら醜聞もの……紳士は淑女を纏って美しく飾り、淑女は紳士を纏って逞しく咲き誇るものですよ」


「な、なるほど……?」


「ああ、わかったよ〜、それがルールなんだ、ここの」


「今のでわかったの? ハック」


 エイナは「誰がちんちくりんだ!」とアメリアに突っかかってアメリアは軽く流しているが……

 今の説明でわかったのは弟のハックだけだ。

 なんというかすごく感覚的な説明だった気がする。


 インカ兄さんがわからないとなんか安心する。



「うんわかったよ。でも説明するには……そうだなぁ〜、つまり前の闘技場とおんなじだよ〜。席に座るのに誰かに賭ける必要があるのと同じように、ここでは異性をお供につけるのがルールなんだよ」


「る、ルール」


「しかも数と質はその人の格を示しますのよ。当然、黒VV.I.P.の方はその格を埋めなくてはならないのよ」


 アメリアは火の付いていないキセルをゆるりと回した。

 

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