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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
2038/2401

九百四十五生目 種明

 私達は所定の位置に立たされる。

 私は何かやたら大きな作り物の道具を持たされている。

 私はなんかでっかい剣でいかにも戦士。


 インカ兄さんは大きな杖を持っている。

 弟のハックは片手剣と盾。

 ちなみにエイナは従業員なので参加していない。


「ねえあれってもしかしてホルヴィロスさんたちじゃない?」


「まあ、もしかしなくてもそうだよね」


「じゃああれがナブシウで、あっちがグルシム? だいぶ違わなくないか?」


「この大陸に伝わっただけでもすごいってことなんだよ、インカ兄さん」


「うんうん〜、結構遠いからねぇ〜」


 謎の魔王四天王というのがゆらゆら動いているので映像に合わせてニセ刃を振るう。

 すると派手な(エフェクト)と共にズバリと音がなった。

 インカ兄さんが杖をポイントすると相手の映像が爆発する。


 弟のハックが片手剣を振るだけで黄金の光がほとばしった。

 うーん実にそれっぽい。


『さあ、みんなで息を合わせて!』


 そして音を再生する魔石から合図が流れる。

 ただやるのもいいが……

 私達は目線であわせる。


「「それ!」」


 こう見えて同じ時に産まれた三つ子のきょうだい。

 まったくもってズレずに同期し攻撃できた。

 すると激しく明滅し映像は吹き飛ぶような絵になる。


『うぎゃああああ!!』


『さあ、次は魔王の城に乗り込もう!』


 そんなアナウンスと共に椅子にまた座って次の場所へ移動。

 基本的に言ってしまえばこういう体験型アトラクションだ。

 種がわかれば普段の戦闘と比較してしまう気分があるものの。


「わー! 今の見た!? すごかったよ!?」


「おおーっ! どうなっちゃうんだこれ!?」


 ふたりは初めてのアミューズメント施設にひどく興奮していた。

 ちょっとうらやましい。

 まあ私もそれらをひっくるめて笑顔になってしまうんだけどね。


 アトラクションは濃密な時間をしばらく進行し最後のところへ。

 魔王……フォウではなくあの乗り物の方の再現をなぜか斬り倒したあとは私達は盛大な祝いの宴に包まれていた。

 椅子が移動し視界が開ける。


 歓声の拍手が後ろから聴こえる中私達は入り口まで戻ってくる。

 それにしても魔法の椅子が反発仕様による魔法干渉で一定距離開けなくちゃいけないのはわかるけれど単独でフワフワ浮かせるの結構怖いよね……

 私達は椅子から降りエイナと合流してここから出る。


「凄かったね〜! 特に最後のところ! 本物みたいな圧を感じたよ〜!」


「俺は普段使わない魔法使いになれたみたいで良かったよ。こういうのってやってみたかったんだよな」


「よかったよかった、いい感じに脚色してあって楽しかったよね」


「楽しんでいただけて何よりです、ツカイワ様方。それにしても……なんだか知っているような口ぶりでしたが?」


 エイナはやはり先程と同じく疑問に思っている。

 まあそりゃそうだろう。

 そして私達はその疑問に答えることができる。


 見合わせてちょっと唇をほころばせあった。


「カクカクシカジカというわけで……」


「えっ? 魔王討伐を? そ、それは……!」


 エイナが珍しく驚愕する顔を見せてくれる。

 ドッキリ大成功である。


「全員現役ってわけです!」


「これは……! 大変申し訳ありません、まさかそうとはつゆ知らず!」


「ううん、大丈夫! 楽しかったから!」


「凄い仕掛けでした。相当な予算を積んだのでは? あれを生み出すのに考えうるものとしては、軽く街の予算くらいいるんじゃあ……」


「……ありがとうございます、そういっていただけると、我々としても嬉しい限りです」


 エイナはこわばらせていた顔をほどく。

 ここでアレがどうこうと激詰めしたいわけじゃあないからね。

 私達は先程のアトラクション感想を言い合いながら次のところへと進んで行った……









「ん……?」


 ダンはその筋骨隆々な身体を揺り動かし掛け布団を退かす。

 これは後々聞いた一方その頃の話。


 ダンはふと昨日の記憶が途切れ途切れなのに気づく。

 というより寝ている場所も覚えがない。

 果たしてココは……


「おや、黒VV.I.P.のお客さん、お目覚めですか?」


「ここは……確か昨日連れてこられた……」


 おだやかな朝日。

 ダンは徐々に思い出す。

 確かここは昨日美しい女性に連れられ踏み込んだテントの中だと。


 テントとはいえまるで旅館の中みたいで。

 ふと声の方を見るとそこには……


「あっ」


 ダンは慌てて布団から出て姿勢をただし座る。

 ダンをこの中へ招き入れそしてたっぷり魅了した女性そのものだった。

 あの夜交わした接待をダンは覚えていてまともに触れ合ってすらないのに与えられた快楽にぞわりとする。


「ふふ、おはようございます。そろそろ、名前をぜひお教えになられますか?」


 ……昨日酔って寝てまだ名乗ってすらいないのをこの段階で理解したそうだ。


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