九百四十四生目 遊戯
記念碑か……
そういえば意識していないだけで似たような塔をときおり見ていたかも?
記憶という名の画像の片隅にあるようなイメージ。
ただものすごい古いものもあったような。
一体どれほど似たようなことをしているんだろうか。
なにせVVも顔のない神だからなあ……人類の歴史に刻まれているのかもしれない。
「へぇ、じゃあ創立何年かって刻んでたりするのかなぁ〜」
おお弟のハックがナイスな発言した。
「それが、長いと飽きてきて普通にその時の暦を刻むようになったのだとか。なので資料上にもR.A.C.2が何年なのかは記載されていません」
ダメダメだった。
これはひどい……
神はそういうところがある。
ただまあ実際のところ現実的に考えて『興行1885周年記念』とかかれていても誤字だとしか思えない。
そういう点も避けたのかもしれないが。
ただそれでも最古の塔を調べれば何年やっているかは明らかになるだろうが……さすがにそれが残ってるとも思えず。
「じゃあとりあえず、行こう!」
インカ兄さんの声で私達は歩みを進めた。
とはいえここまで来たらもうそこまで距離無くつく。
中央テント……
ここの1番の売りたちが立ち並ぶ。
「まだ時間がはやいので、サーカス施設は開いていませんし、風俗も昼間からというのも乙ではないでしょう。やはり、オススメはカジノかアミューズメントですね」
「アミューズメント……そういえばそれはいったことがないな〜」
「中央のアミューズメント施設は……そうですね、行ってみればわかるでしょう。最近更新されたばかりの自慢の施設ですよ。きっと気に入ること、間違いなしでしょう」
そういって誘導された先にあるのは巨大な1つのテント。
ただし入り口やら正式な扉なんてない。
もはや外観がテントではなく……
「王城……?」
「おおきいねえ!」
「あー、これ遠くから見えてたけれど、ここだったのか」
まるで城。
巨大な壁が私達の前に立ちふさがっていた。
ちなみによく見るとかるそう。
中へ誘導される道は混んでいた。 すごいね。朝なのに100分待ちらしい。
するとエイナがチョチョンと別方向を指す。
「もちろんここに並ぶのは一般客のみですよ」
「あ、そうなんですか」
なんだかVV.I.P.の力を実感した気がする。
別ルートを通されあっという間に中へ接近。
道中も待たせている客を楽しませるが如く多くの小道具や音や声の鳴る魔導具を設置。
中に入り込めば暗い空間を利用して立体映像が射影機から出ていた。
簡単にまとめるとここは……
「新勇者魔王物語?」
「そうです。ここのお客様がたは、ほとんどが普段平和な世界に暮らしています。もちろん、失礼にあたるため本当に調査をしきったわけではないですが、反応を見てもその通りかと。ツカイワ様は腕に自信があるようでしたし、こういった物語も興味があるのでは?」
「なるほど……えっと、新っていうのは……」
「最近の海外であった魔王事件……それをまとめたお話となっております」
私達は顔を見合わせ苦笑いした。
それをみてエイナは首をかしげた。
やることは簡単だった。
私達は壮大な世界観や圧倒的なビジュアルの作りそれに魔法や魔導具で演出された世界を渡り歩く。
ちょっと華美のきらいはあるんだけれど。
視点としては勇者グレンくんのものとなる。
グレンくんというかそこに自分の名前を当てはめる方式というか。
もちろん一行がみんな勇者なので勇者一行として進む。
私達は小道具を身に着け椅子に座っていれば魔法の椅子が次の場所まで移動させてくれる。
移動中は物語が朗々と語られ光が明滅し恐ろしさの演出や過酷さの演出が広がる。
あれだなぁ……なんというか……
むしろヘタな前世の遊園地ものよりすごいんじゃないだろうか。
知識で引っ張り出して比較しながら見ているけれどやはり本物の魔法が有ると演出が1段階増す。
まあこのために魔法をってだいぶ贅沢だからここでしか見たこと無いが。
もちろん前世と違って科学的には追いついていないためあくまで魔法的に水準を持っていっている。
ドラゴンの吐く炎の演出は高温ガスと赤いLEDライトではなく火魔法道具を罠のようにして定点に吐かせている。
絶対当たらない位置なので安心。
そしてたどり着いた先々でなにをするのかといえば。
「さあ! 勇者共よ! 我こそは魔王四天王!! 我らを打ち破ってみせよ!!」
「え? ここに立って……ここで振るの? へぇ〜」
どこかでみた犬たちとよくわからない怨念的な何かを固めた化け物が4つ立体映像として立ち上がる。
かなり悪の雰囲気マシマシだが。
私達は所定の位置に立たされた。




