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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
2033/2401

九百四十生目 雷光

 改めて照らされた彼らたちはひどく。

 あきらかに生物として最低限の保証されていない身なり。

 もはや出すものすら限度の環境。


 きっと水分があれば涙を流していただろうその目を見てもはや引いてしまうほどの心はある。

 大変だな……これは。


「助けに来ました」


「……っ!? ケホッ! ケホッ、た、たすけ……!?」


 喉が張り付いている時特有の咳。

 見るからに苦しそうだ……

 こんな状態にしておくだなんて。


 やはりこの後斬り殺すゆえに興味などないのだろう。

 あの剣と鎧め。

 呪われた装備をほうっておくなど出来ない。


 どうして呪われたのかはわからないがこんな場所だ。

 いわくつきの品なんていくらでも流れてくるだろう。

 さて。


 私は拳にたまった怒りのまま木格子を力で引き剥がす。

 ギリギリと木らしくないほどの硬い音をたて最後には砕けていった。

 それは私の感情をそのまま再現したかのようだった。


「あっ……」


「さあ、今のうちに!」


 私は手を伸ばし……

 そっと手が触れ合った。








 私達は急いで……けれどみんなの体調の関係でゆっくり進む。

 今まともな摂食は無理なのであたためた水を少しずつゆっくり取りながら進んでいる。

 水を取りほんの少し動けるようになって……はじめて。


 彼らは嗚咽を漏らして泣き始めた。


「う、ううええぇ……」


「ああああううう……」


「うううぅ……生きて……がえれる……!!」


 泣き声が泣き声を呼び。

 連鎖すれど早く出たくって足は止まらず。

 だけれども私が止めた。


「下がって!」


 外の隠し扉を貫きこちらへと刺さってくる剣。

 なんだって早すぎる……!

 もう試合に決着がついたのか!?


 それとも私達があまりに速度を出せなかったからか。

 どちらにせよ時間切れらしい。

 みんなも差し込んだ光とギラつく刃で悲鳴を上げる。


「「キャアアアァァ!!」」



「あの剣、あの剣……!!」


「無理だったんだ……!!」


 隠し扉が切り裂かれる。

 くっ……ここは地上へ上がるための階段廊下。

 地形的に不利だ!


「みんなは下がって! 私は……飛び出す!」


 だったら相手が最も油断する瞬間を突く!

 私は相手の鎧の顔が見えたその瞬間に全身を鎧針で固めつつ突撃した!

 こういう時魔法でサイズが変わる服は便利だね。


 不意をつかれた相手は大きく吹き飛ぶ。

 地上へと出てすぐに距離をとる。

 その姿はまさしく……


「聖騎士ヴァルディバラード……!」


「やあ、こんなところで何をしているんだい? いけないねえ……」


「それはこっちのセリフだよ、剣と鎧。ニンゲンを操って、それらしいことばを紡げば騙せるとでも?」


「ヘエ?」


 さっきまで普通に会話が出来ていたヴァルディバラード。

 しかし私が看破したことをつげると途端に声色がにぶる。

 まるでニンゲンのそれではないように。


「マア、地下を見られチャッタようだし、隠すのモ限界かナ……! それに、マサカ正体マデ言い当てられるとは……ダガ、ひとりで来たのは愚か、だねえ!」


「おっ!」


 突如の加速。

 鋭いダッシュ突きを私はギリギリ避ける。

 返す刀で切り裂かれる前に私はすれ違うように前へ踏み出す。


「あぶ、ないね!!」


「ッ!!」


 当然負けてやる道理はない。

 鎧を具現化した状態での蹴りが深く刺さる。

 鎧を砕くほどじゃないけれど大きく吹き飛んで。


「どちらのほうが頑丈か、試そうか!?」


「キサマ……ただの観光客ではないナ!?」


「今更気づいても、ご愁傷様!」


 追いかけ地上で殴り合う。

 向こうが下がりながら剣を振るいこちらが押し込みながら剣を捌く。

 腕の部分の鎧が布越しによく剣を弾いた。


 さて問題はどうやって鎧とニンゲンを引き剥がすかだ。

 このままだと多分ニンゲンのほうが先に力尽きる。

 それは困るわけで。


 多分やることは2つ。

 解呪と引き剥がし。

 だったら……


 "深淵の一端"の力を使いつつ……

 相手が縦斬りしてきたのを横にパリィして弾きつつ。

 唱えていた呪文を拳にためる。

 聖魔法……


「"レストンス"!!」


「ギャアアアアアアッッ!!」


 灼けるような光が拳の殴りと共に鎧と剣を包み影を消し飛ばす。

 イメージするのは呪いの破壊。

 どれだけ縛られていても鎧と剣自体の体力という名の呪いを"二重詠唱"で打ち払ったら厳しいはずだ。


 実際鎧と剣は大きく焼き焦げたような跡が見られるようになった。

 慌てて距離をとったがもう遅い。

 勢力圏内にいるのはかわらないのだから。


 聖魔法"パニッシュメント"!

 空から雷に似た極光が降り注ぐ。

 そして……


「これでだああああぁ!?」


 まるで感電したかのように2発の雷に似た光に灼かれた鎧と剣は震え叫んだ。

 それじゃあそろそろやるとしよう。

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