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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
1995/2401

九百二生目 翠竜

 私はめちゃくちゃ疑われた。

 あれこれして普段の声を光神術"サウンドウェーブ"で再現したり。

 なんとか繋りをスキルたちで証明できて落ち着いた。


「はぁ、はぁ、なんだか無駄に疲れた……」


「あんたの変化がおかしいのよ……」


「いや、ユウレンもかなり……」


 正直かなりユウレンの変化は大きかった。

 かなりそれは驚いたのだが……

 たぬ吉とジャグナーの変化も大きかった。


 サイズ変化もしているがやはりにおいからだいぶ違う。

 まるで別の生き物になったみたいだ。

 違和感がすごい。


 なお私は未だ好奇の目で見られている。

 やはり相当違うよね……

 私もいまだに戸惑う。


 私達は互いにどこかぎこちない面持ちで距離を保って……


『アハハハハ』

『ウフフフフ』


 子どものような笑い声があたりから唐突に響く。

 みんな唐突な声に周囲を見回して。

 また何度も周囲を見回す。


 男の子なのか女の子なのか。

 あるいは混じっているのか。

 多くの声が聴こえるのに姿は見えず。


 ただしこの気配はわかる。


「翠竜ーー!」


「「翠竜!?」」


『はーい!』


 私の怒り声に反応し掛け声と共にあたりが摩訶不思議な力に満たされていく。

 これは……!


「ま、またか!?」 


「転移だ!」


 また私達の景色は暗転する。






 思ったよりもすぐに転移は終わった。

 さっきはとんでもなく苦しめられたんだけれど。

 全員無事だ。


 新たなる場所は周囲にエネルギーが満ちて霧のようなものに覆われた場所。

 足元は薄く水が張られて反射が美しい。


 そして前方には1つの木が生えていた。

 葉の多くはなくまるで枯れているかのような。

 しかし同時に芯の力強さを感じさせる。


 枝の1つにのびをしている少年がひとり。

 その折れてしまいそうなほどに細い手足とは耳や胴体の一部が緑の龍鱗で覆われている。

 体のあちこちもよくみると単なる生体らしくない。

 まるで木材を使った人形みたいで特に関節部分が球体でわかりやすい。


「翠竜……!」


「ははは、儂を呼んだかな?」


 めちゃくちゃ笑いながら翠竜がその体を揺らし木から飛び降りる。

 やはり今回の元凶である。

 私の中にある怒りが何故か抑えられない。


 普段なら体が震え拳を握りしめるなどしなかったはずだ。


「翠竜ッ!」


「アハハハハ、悪い悪い、そこまで変わるとは! 興味深いのう、そうなるとは思わなかった! どうなっておるのだそれは、儂はそこまではしらんぞ!」


 翠竜が実に興味深げに私のそばに来て見回し背中に回りにおいを嗅ぎペタペタと触る。

 イラッと来るのが抑えられない。

 

「翠竜! これを戻してよッ!」


「ほんとよ! 早く戻しなさいよ!」


 ユウレンと共に怒りの声を上げる。

 一方ジャグナーは腕を組みたぬ吉はびっくりしてゴーレムの中へと駆け込んだ。

 ノーツはじっとして動かない。


「まあ、許せ。儂もここまでの変化が起きる者がいるというのは初めてなのじゃよ。わが鎖の力によっての。まさかの変化に、先程まで随分と戸惑っていたのじゃからな。さてそれで問題があるのじゃが……」


「まてまて。そもそもお前らふつうに話しているが、本当に、あの、翠竜なのか?」


 ジャグナーが当たり前の疑問を提示してきた。

 このパペットから翠竜そのものを想像しろというのはまあまあ無理がある。

 それに関しては翠竜も分かっているようで。


「仕方ないのう! 儂が翠竜そのものだと、示してやろう。さて、こうすればわかってくれるかの……」


 翠竜は腕をまえにし指を組みよく伸ばして。


「ガッ!」


「「わああっ!?」」


 突如腕を後ろに回して吠えた!

 単なるニンゲンの出せる声量のそれではない。

 声がそのまま空気の圧となって殴りつけさらにその奥に何かが見える。


 人知を超えた存在……

 翠竜の濃厚な気配を吠声を叩きつけられるだけで味わう。

 それは弱者が聴くだけで思わず膝をつく代物で。


 気づいてみれば私以外全員膝をつき頭を下げていた。


「はぁっ、はあっ……」

「や、ば……」

「うう、う……」

「…………」


「まあ、こんなもんだよね」


 翠竜が指を鳴らすと圧倒的上位存在がゆえのプレッシャーから解放される。

 全員が肩で息をしてなんとか立ち上がれた。

 私もそこまでいかなかったがだいぶ辛かった。


 朱竜を相手にしたことがなければ耐えられなかっただろう。


「ま、そういうわけじゃ。故に、お主らのことは儂が戻せる……ただし、条件がある。それは、そなたらが儂に協力することじゃ」


「協力……?」


「そうじゃ。まあ、お主たちもおそらく、そのために儂に会いに来たのじゃろうが……」


「……あ、もしかしてよ、人形たちが世界を襲った、あのことについてか!」


「そうじゃ」


 翠竜は満足そうにうなずいた。

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