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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
1990/2401

八百九十七生目 重爪

 ドリカデを巨大骸骨が地面にたたき続けた!

 先程までの劣勢が嘘のようで。

 巨大対決はこうして勝敗がついた!


「ヨッシャー! もっといってやれ!!」


「……無理よ」


 ユウレンの言葉と共に骸骨が一気にバラバラになっていく。

 その死骸たちはどこか満足したように見えて。


「……浄化、した?」


「そう。やることやってスッキリしちゃったのね。これが限度よ、だから……」


 崩れていく。

 一瞬の攻勢はこの時のために。

 僅かな怒りは今果たされ感情魂は現世を離れる。


 今自分が死んだという恨みつらみが消えれば。

 私達と相手の生きている同士の戦いとなる。

 私たちは倒れ伏して暴れているドリカデの元へたどり着いて。


「やろう!」


「うおおおおっ!!」

「ヤアァァ!!」

「連射開始」


 三者三様の大きな攻め。

 全身を使ったジャグナーのタックルが。

 たぬ吉のゴーレムによる光の集めたビームが。


 ノーツの口の方へ飛び込み顎を掴んでマシンガンタイプの銃連射が。

 私の武技"地魔牙砕"による大地の力で噛み砕きドリカデの全身行脚が。

 砕き撃ち斬る!


「コレで、終わりだッ!」


 地魔法"ファングビーストグラウンド"!!

 大きな岩獣の(エフェクト)が出来て飛び掛かる。

 食いかかりドリカデの身体にぶつかっていく!


 それは凄まじい爆発のエネルギー。

 一瞬でドリカデの身体が宙に浮き大きく地面を揺らしながら擦れ転がっていく。

 最後は死骸の壁にぶつかり崩れてその体がたくさんの土や粉に埋もれていく。


「ガ、ギャ、ま、な、なんだ……と……!? ぐふっ」 


「よし……なんとか倒せたみたい」


 状態が気絶になったのを観る。





 みんなに告げると大喜びで手を取り合った。


「よっしゃあナイスーッ!」


「おお、おお、出来ました……!」


「スコア評価中。戦利品採取」


「あらあら、今回ワタシ、だいぶ頑張れたんじゃないかしら?」


 ……ちなみにこの後知ったことだが。

 ここに出てくる相手でもとびっきり強いということが判明した。

 なんなんだこの悪運。


 




 倒れたドリカデを回収してアノニマルースに送りつつ。

 私達は無事翠竜の爪へとたどり着いた。

 その場は神聖な気配に包まれた社のようになっている。


 においが濃密な清涼さと香のような煙が染み付いたかおり。

 あちこちに直接香らしきものがたかれて煙が一筋ずつのぼっている。

 このニンゲンが作り出した場そのものを守る力はありそうだ。


 ここに魔物は長くいたくなくなるようなものだ。

 荒らされることはないだろう。

 中に爪があると書かれている大扉をジャグナーが開く。


「ご対面……っと。うはぁ、デカいな!」


 そこには確かに3つの爪が立派に鎮座されていた。

 巨大すぎる爪だが朱竜から考えるに想定内ではある。

 ただ爪とは言いつつ明らかに爪先ではなく第一関節まで含めたそれだ。


 場は寒々しいほどに神々しさが満ち溢れ景色は緑の色に歪み無限に空間があると錯覚するほどに緑の霧に覆われている。

 時折輝いているから本当に抑えきれない神の力そのものなのだろう。

 爪は竜のそれらしく剛爪だが大量の鎖みたいな紋様が気になる。


 全体はまるで宝石を使った細工品。

 ただそのサイズが見上げるほどにあるというだけだ。

 半ば透き通り翠玉色……エメラルドグリーンに輝く爪はまさしく翠竜の名を表していた。


 そしてなにより……


「この爪……本当に生きているって感じますね」


 たぬ吉がそうこぼしたように翠竜の爪は確かに何にもよらずに生きていた。

 爪に変な話だが息遣いを感じるのだ。

 

「すっ……ごいね。まさかここまで、見るだけで心揺さぶられるだなんて」


 実際のところは他の五感も大きく影響しているだろう。

 魔感もだ。

 私の場合神力感もだが。


「本当に見事なものだかれど……それで、ここに来てこの後どうするのかしら?」


「ここまでくれば、他の神の存在や、翠竜自身についてもうちょっとわかると思ったんだけれど……特に、世界を襲った人形たちについては聞きたかったし」


 柵は設けられているが簡易なものだ。

 手すりみたいなものを乗り越えて近づく。


「あ、危なくないから!?」


「さすがに大丈夫だとは思うー!」


 ユウレンが止めるが他は特に気にしていない。

 爪の表皮に触れる。

 生きた皮膚感などことなくあたたかい。


 そして何か弾けるように不可思議な感触があった。


「え?」


 そして一瞬にして光が広まっていく。

 ちょっとこんなふうになるだなんて聞いてないよ!

 とか思っている間にもあたりは不可思議な力に満たされていく。


 やがてみんなの身体すら浮かびだして。


「ちょっ、なにこ」「わわわわ」「ぎゃあああっ浮いて」「重力値1.0を計測。原因理解不能」


「わああっ!?」


 強い光に包まれると私達はその場からいなくなっていた。

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