八百五十二生目 加護
道中はさっきの動きをうけて私がレクチャーをすることとなった。
やはりまだまだ基礎的な動きが出来ているとは言い難い。
悪い言い方をすればさっきは武器パワーとバンの力で勝った。
「力の流れ、ねえ」
「そこらへんは正式な師がつくと、力の流れをちゃんと教えてもらえるからいいと思うよ。さすがにここで教えるだけでは、限度があるかな」
「連携に関してはどうなんだ? 正直、自信はないな」
「結構良かったとは思うよ? ただ、まだまだ個々人が押し付けあって動いている感じはあったから、連携して相手を攻撃し、ひきつけ合うには……」
私は特に3人組に話していく。
バンにとっては既知の情報が多いだろうが楽しそうに耳を傾けていた。
ミアは未ださっきの戦いが忘れられないらしく手のひらを見たりグーパーしたりしている。
「……ふーん、そういう動きもあるか。考えたこともなかったな」
「ミア?」
「あっ! は、はい! 聞いてはいます! ただ、頭とは別に、カラダが……」
「……まさか、あの子あれが初戦闘とか言わないよな?」
「え? 初戦闘ですよわたし」
「「え?」」
「そうなんだ……まあ訓練は除くもんね」
「大型新人がすぎるだろ……」
「ていうか、ローズさんが面倒見てる相手だしね、そりゃあ強くなり方が違うさ」
「「ああーー」」
「なんでそこで、みんな納得するんだ……」
若干のなっとくいかなさを感じつつも私達は先へ進んでいく。
さっきの兵たちに伝えに行く斥候連絡係がいなかった。
というより多分弓兵だったんだけれど潰された。
完全に向こうが読み間違えたのだ。
このまま進軍していけば相手の戦力をへらすのに事をかかないだろう。
よくこんな作戦が上手くいくな……
実際やってみるまではまあまあ不安だったもののみんなの立ち回りが予想以上。
これだけうまくいくとは。
私どうしてもまだまだ他人任せの作戦が不安になってしまう。
ただ……
腕輪から連絡がくる。
みんなが目をこちらに向けた。
連絡が来る前にチカチカするのだ。
「お……定時連絡か」
「えっと……Bグループ、順調。Cグループ、異常なし。Dグループ、異常なし。Eグループ、順調、だね。よしこっちも。A……順調……っと」
異常なしとは待機していということ。
順調は作戦進行中ということだ。
私は腕輪を操作し連絡を取れた。
「これでよしだな」
「うん。しばらく私達は、予定通りのルートを通るよ。ただ、さっきの包囲網を突破したせいで、ここからはかなり厳しくなるはず。次の戦いは、生き残ることを主眼におこう。そのあいだにBグループが来て、順次Cグループも来るはずだから」
「死にそうなの前提ってのがもうテンション落ちるな……」
まあそれはわかる。
ウッズたちは肩をおとしている。
ただここから兵士と国家騎士レベルのやつが出てくる。
さっきの戦いで3人組は余裕がないからこの先は難しい……
うーん……そうか。
だったらあれくらいならしていいかな。
「まあまあ、私が強化をかけるから、それでなんとかしよう」
「おお、それは良い――」
「みんな! 耐えて!」
「――なってなんなん!?」
ミアが何か叫んでいるが。
ちゃんと調整するから問題はない。
光魔法"メディカル"で免疫能力活性化し異常耐性。
そのまま"シールド"で体を覆って。
「おお! 体が光で覆われた!」
"ライフブレス"は追加生命力。
火魔法"フレイムエンチャント"で武具に炎を。
"ヒートストロング"では筋力増加。
"ホットスプリングキュア"で常時回復。
「あ、あつ……くなってきてない? 何?」
土魔法"クラッシュガード"で体を1回使い捨ての殻で包んで。
"スタッドボーン"で表皮と骨を硬くする。
[グラウンドヘビィ 体を重くして体感体重を軽くする]
[ビックロックプロテクション 怯みや叩かれた時のしびれを軽減し、物理攻撃に対して半減効果を持ち、受け能力が上昇する]
地魔法を使って……
「うわっ!? か、体が変だ!?」
「ちょっと、これ大丈夫なの!?」
聖魔法"ビアースタミナ"でスタミナを治しつつ強化。
"ピースマインド"で緊張緩和。
"ハイアーマー"でさらに怯み軽減。
"クリアウェザー"で天候である月光夜の悪影響を無視。
"バウンスバック"で多少の魔法を跳ね返し……
[エアステップ 空中で何度か踏み込み跳べるようになる]
[ラッキーエリア 弾や矢が曲がってなかなか当たらなくなり相手には吸い込まれていく]
空魔法のここらで補助。
「ちょっ、ちょっと、どれだけ重ねて!? アタシたちにも限界が!」
「た、耐えてみんな……!」
[アンサンヒーロー 自分で行動するさいの自己強化をブーストする]
影魔法のこいつと……
[カーテンベール 闇夜を付与し姿が暗くはっきり認識できなくなる。暗闇にいる間、静音と精密それに認識阻害が付与]
そして闇魔法だ。




