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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第11章 湖底の棺編
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戦乙女の気高き御名は

ちょっと短いですが、お昼に時間がとれなさそうなので、投稿しておきます。

 ハスキー達と別れたビビアンは、奥へ向かうほど複雑になる通路を、点在する罠を回避しながら突き進んで行った。油断すると通路の天井に頭をぶつけそうになるので、若干、前屈みになっているのは仕方がない。


 「この道で間違いないのデスか?」

 見習い死神のデスが、ビビアンの後ろから尋ねてきた。

 ちなみにデスが乗るとユニコーンのニコが嫌がるので、デスは空中に浮きながらビビアンの背負い袋に掴まっているのだが、それは内緒であった。


 「間違いないわ、ほとんど変わっていないから・・」

 昔の記憶を辿りながら、ビビアンはコアルームへと急いでいた。

 通り過ぎるあちこちに、ここで暮らしていた頃の思い出が甦り、つい思い出に浸ってしまう・・

 ビビアンが指示しなければ、ニコは進めなくなるので、頭を振って現実を取り戻す・・


 「さあ、目的地はもうすぐよ!」



 コアルームへ通じる通路には、キーワードを唱える必要がある扉が存在したが、解除の合言葉が以前と同じだったので、問題なく通過できた。

 「セキュリティーが甘過ぎデス・・」

 「オババは面倒臭がりだから・・」


 4年経っても合言葉どころか、通路も部屋も増えていない・・

 日常の雑事のほぼ全てを、メイドのエルマと小間使い扱いのビビアンに任せていた。それはビビアンが、弟子見習いの様なものに昇格した後でも変化はなかった。

 ビビアンが去って、エルマも居なくなった現在、ダンジョンは埃まみれで、通路のあちこちに廃棄物が積まれていた。


 「まあ、ある意味、ダンジョンらしいデスけども・・」

 デスが、どことなく居心地良さげに呟いていた。


 「それより、あれが最後の扉よ、開ければそこがコアルーム」

 「ちなみに我々のチームネームはなんデスか?」

 これから、ほぼ間違いなく戦闘になるというのに、デスはマイペースであった。


 「・・そうね・・・エトランジェ・デュ・ルージュでどう?」

 そういうのが嫌いでないビビアンは、少し考えてから提案した。


 「いいデスね・・それで行きましょう」

 「ヒヒィン」

 「・・@・・」

 全員の同意がとれて、チームネームが決まった。


 「さあ、真紅の外人部隊の実力を見せ付けるわよ!」


 ビビアン達は、最後の扉を押し開いた・・・



 そこは正に戦場だった。


 部屋の中央でボーン・ガーディアンが2体、奥の通路から雪崩れ込んで来ようとする混成軍団を迎え撃とうとしていた。

 床には延々と死体が転がっており、ここで行なわれた戦いの凄惨さを物語っていた。


 話では、アンデッド、特にマミーを主力にした軍団が攻めて来ていたはずだが、床にはリザードマンの背中に翼を生やしたような亜人と、奇妙な蛙の亜人らしき死体が散乱していた。

 通路から侵入してくる混成軍団の中に、翼付きも、土気色をした蛙の亜人もどきもいることから、全部敵だろうと判断して、ビビアンは最近習得した9ランクの噴射型範囲火炎呪文を詠唱し始める・・


 中央のボーン・ガーディアン達は、混成軍団に気を取られて、ビビアン達には気が付いていなかった。

 混成軍団の方も、指揮官らしい杖を持った翼付きは反応していたが、他の兵士は虚ろな瞳になんの感情も映していなかった・・


 ボーン・ガーディアンが詠唱を始めると、それを阻止しようと翼付きの兵士がブレスを吐いた。しかし、そのブレスも、ビビアンの放った炎に吹き返されてしまう・・

 火炎の逆流に巻き込まれて、ほとんどの翼付きが一瞬で消し炭になる。

 勿論、呪文を投射するときは、ニコが位置を変えて、二人のボーン・ガーディアンには当てないようにしてあった。


 「アタシ達が来たから、もう安心よ!」

 突然現れた白馬の騎士、もといユニコーンの乙女のドヤ顔に、若干引きながらも二人は答えた。


 「カタカタ(あ、ああ、救援に感謝する・・)」

 「カタ(どこかで見た顔だが・・)」


 そして二人は同時に叫んだ。


 「「カタ!(灰かぶりのビビアン!)」」


 「その名で呼ぶなあああ!」




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