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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第8章 暗黒邪神教団編
251/478

第4階層の構築

投稿が遅くなりまして、大変申し訳ございません。

最近は、この欄のお詫びも書き忘れるぐらいギリギリな事が多いです。

感想メッセージへの返信も遅れがちです。この場でお詫び申し上げます。


 邪神教徒との戦闘が終わってから、そろそろ24時間がたった。

 臨時の野戦病院となっていた、癒しの泉の湖畔では、重傷者が傷を癒しているので、慰問を兼ねて様子を見に来て見た。


 うちの回復手段は、1に癒しの泉(一人につき24時間に1回、5HPの回復)、2に癒しのリンゴ(24時間に6個の実をつける。1個で5HP回復。重複可)、そして3にニコのユニキュア(状態異常治癒。怪我だけなら10HP回復)が中心になっている。

 エルフ・クレリックやノーミンも治癒の呪文を知ってはいるが、他にも便利な呪文も多く、MPはそちらに使ってしまうが為に、なかなかヒールには回せないのが現状だ。


 癒しの泉の横にある、癒しのハーブ畑は、即効性はないものの、その場で横になっているだけで、6時間で5HPを回復していく。24時間たてば20HP治ることを考えれば、泉より優秀な面もある。

 まあ戦闘中に回復できないから、デメリットも大きいのだけれども・・・


 今回、瀕死の重傷を負ったのは、地下墓地の十字路で、デスナイトの骸骨軍団を足止めしていた、騎牙猪兵チームと、エルフチームだった。

 宴会のときは、まだ傷が治りきっていなかったので、この場所に別の宴会席を用意した。

 料理はそれなりに並べたけど、お酒は控えめになった。身体に悪いからね・・


 暴食も弱った身体には良くないのだけれど、ここのメンバーは、「血が足りない、もっと肉だ、肉をくれ」的な感じで、貪り食っていた。

 そしてヘラに怒られていた。


 「食べしゅぎた患者しゃんには、青じゅるを飲んでもらいましゅからね!」


 それ以降は大人しく看病を受けていたらしい・・


 元気になったら、祝賀会の続きをしてあげることにしよう・・



 地下墓地の牢屋は、今も錆びた鉄格子があるけど、格子の扉は開きっぱなしになっている。

 ここは普段は歩哨の当番ではないスケルトン・ファイター達が、くつろぐ場所になっている。歩哨は主に、中央ホールの立ち番と、十字路の周回番があり、非番のときは牢屋の中で、鎖に繋がれてだらんとするのが息抜きになるそうだ・・・

 「・・しかばね・・」


 骸骨兵士も、一時はデスナイトに支配権を奪われてしまったが、指揮個体数の上限にかかっていたらしく、何もしないで待機していたらしい。

 奴が消滅したあとで、無事に再眷属化できたので、ほっとした。ただし、置き土産もあったので、素直にに喜んで良いのかは微妙ではある。

 「カタカタ」

 あ、君達は悪くないから、気にしないで・・



 水牢は特に手を加える必要はないかな・・

 やるとしたら、中央ホールの床を前面落とし穴に代えるとかだよね。構造的に支えきれない様な気もするけど、そこはダンジョンの不思議パワーで、DPさえあれば可能だそうです。

 

 「コア、9mx15mの広さの床を全部発見し辛い落とし穴にして、こちらの操作で作動するようにしたら、いくらかかる?」

 「ん・・・ん? ・・けはぁ」

 あ、やばい、コアの口から何か白いものが・・


 投影スクリーンに細かい文字で浮き上がった計算式では・・

 広い落とし穴(15DP)x15x0.85(集合割引)x2(水牢直行)x1.5(発見し辛い)x1.5(大型構造物の自動回復機能)x3(自己操作)≒2580


 「ゴフッ!」

 僕の口からも鉄の味のする何かが吐き出された。


 「・・もう少しDPに余裕ができたらにしようか」

 「こくこく」



 結局、地下水路を通り抜けて、精霊の泉のある洞窟(通称ルカの洞窟)に第4層を掘ることになった。

 この辺りは、地層も岩盤が多いので、手掘りではなく、「拡張」を使うことになる。まあ、土壁だと地下水が噴出して大変なことになるという理由もあるのだけれど・・・


 「コストが安くすむから、オババ戦で使ったグランドクロスに似た形にでもしようか」

 「ほむほむ」


 下り階段(15)>小部屋(25)>3方向に下り階段(45)>それぞれに小部屋(75) これで下り階段と小部屋の境に頑丈な石の両開きの扉(15)を7つ設置すると・・・265DPで、ダンジョンぽいっ構造になった。


 「ぽいって、立派なダンジョンっすよね」

 「まあね、でもこの深さまで冒険者を引き込むわけじゃないから、保険の為だけに無意味な部屋や通路は、つくりたくないかな・・」

 「ガーディアンとしての眷属を増やせばいいじゃないすか」

 「・・維持コストがね・・」

 「ですかね」


 宴会で消費する食材が、徐々に増えているのは確かだ。眷族の人数が増えれば、必要経費もそれに比例して増えることになる。

 アンデッドやゴーレムなら、維持費はほとんどかからないけど、経験値を得てランクがあがることが、ほぼ無くなる。まあ例外はあるらしいけど。

 なので、無闇に眷属は増やせない。

 せめて何か効率の良い、生産システムを構築するまでは・・・


 「というわけで、コアルームをどこにするかだけど・・」

 「正面奥の部屋じゃないんすか?」

 「・・というようにワタリでも思いつくので、正面は却下だね」

 「しくしく」

 「まあ、普通に右の小部屋にしときますか」

 「右が普通なんすか?」

 「7割以上の冒険者が、迷ったら左手を壁につけていけば迷宮で迷わないという迷信を信じているというデータがここに・・・」

 「ないっすよね、そんなデータ。しかも迷信なんすか?」

 「冒険者がそう信じて行動すると、ダンジョンマスターにバレている時点で、対応されるよね」

 「それは・・・そうっすね」

 「そこからベテラン冒険者とダンジョンマスターの裏の読み合いが始まるわけなんだけど、最初の7割の素直な冒険者の事を考慮すれば、左には置かないかな・・」

 「なるほどっす、ダンジョン構築も奥が深いっすね」


 「ダンジョンだけにね」


 「・・座布団、全部とるっす」

 え?厳しくない?

 「やまだ~」







 



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