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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第1章 サバイバル編
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我らの血となり

 「ごっちゃんっす」      しーん

 最後の美味しいとこだけもっていったワタリの決め台詞に、周囲から音が消えた。

 「え?おいら、調子に乗って顰蹙かいました?」

 「いや、今のはコアのシステム無音だから気にしないで。まあドヤ顔がうざかったのは別として」

 「やっぱりディスられてるっす。」

 「ん」

 「とほほ」


 なんとか戦士長を撃退できたね。でも猪のセンターと群体2つが犠牲になってしまった。どこかで戦いの天秤が向こうに傾けば、全滅してたかもしれない・・・もっと堅牢なダンジョンにしないと。

 「コア、今回は何がシステムアップした?」  「ん~」

 コアは少し悩んでからワタリをスキャンし始めた。

 「うわ、なんすか、お仕置きっすか」

 あせるワタリのスキャンが終わると、情報が送られてきた。


スノー・ゴブリン コマンド:雪原ゴブリン狩猟兵

種族:亜人 召喚ランク3 召喚コスト 90

HP 18  MP 6  攻撃力4(石槍+5) 防御力2(毛皮+1)

技能:槍、耐寒、共通語cs、隠密New

特殊技能:ハイド・イン・コールド:冷気への同化

備考:冷気への同化 使用MP2 隠密成功率+10% サーモセンサー無効


 「ワタリのランクが上がって、進化してる」

 「え、まじっすか?」

 「まじっす」

 「本気と書いてマジと読む、まじっすか?」

 「魔術師と書いてマジと読む、まじっす」

 「それはマギっす」


 本人には進化した自覚がないらしいので、コマンドの詳細を教えてあげる。

 「なんで進化したんですかね?」

 「いや、僕に聞かれても。やっぱり戦士長に止め刺したから?」

 「でも、みんなでタコ殴りしてたっすよ?おいらだけランクアップするのって変じゃないですか?」

 「じゃあ戦士長の呪い」

 「こわ」

 「あれじゃないかな。ゴブリン縦社会の掟みたいな、俺を倒し奴が次の戦士長だ!みたいな」

 「ああ、ありっすね。族長とタイマンはって倒せば族長らしいっすから」

 「よし、次は・・「無理っす」・・先に釘をさされた」

 「どうせ、族長を倒して来いとかいう話っすよね」

 「いや食事にしようとしたんだけど、ワタリはいらないみたいだね」

 「はめられたっす」


 コアの召喚リストには初めてランク3のモンスターが載った。スノー・ゴブリン コマンダーとスノー・ゴブリンコマンドだ。似ているので間違えないようにしないと。

 コマンダー(戦士長)は部隊指揮能力をもった防御力の上がった戦士ってかんじだね。コマンド(狩猟兵)は、こっそり近づいて奇襲ををかける遊撃タイプかな。どちらにしろ召喚コストは90かー。ランクの二乗x10が召喚コストで、その半分が撃退及び吸収したときのボーナスDPってところかな。そうだ、戦士長を吸収しないと。


 「コア、戦士長と狩人1体を吸収して」 「ん」

 これで撃退ポイントとあわせれば230DPの収入になったはず。でもコアの技能は開放されなかった。

召喚リストにランク3追加でもダメか。早く「拡張」を習得して、防御効果の高いダンジョンに作り変えないと、いつか限界が来ると思う。

 「拡張」も必要なんだけど「変換」も切実に欲しいんだよね。養うメンバーがかなり増えてきたから、食料の供給が間に合わなくなってきたんだ。いつまでもバッタばかりじゃね。

 「キュキュー」

え?昆虫は高タンパクでミネラルも含んでいる優良食品だって?いや親方達は満足でも僕らは、そればっかりだときついよ。

 労働力で補えるうちは掘るかなー。ワタリと狩人のアズサも人足として活躍できるだろうし。ワタリには特別に軍曹を貸してあげよう。

 「きりきり働けってことっすよね」


 まずは腹ごしらえだ。戦死したセンターに哀悼の意を表しつつ、その肉体に宿った力を取り込むために、

肉を焼いて食べます。

 「彼は僕らの血肉となって永遠を共に生きるんだよ」

 「永遠って、美味いっすね」

 親方達も凍りついたバッタの足に祈りを捧げながらムシャムシャ食べている。

 「キック力が上がるといいね」 「ん」


 五郎〇達には、もちろんじゃがいもをあげた。そろそろ備蓄がなくなりそうだ、それまでに「変換」が習得できないとまずそうだね。じゃがいものなかで芽がすごい伸びているのがあるから、植えてみようかな。

黒土の地層は栄養価がありそうだし、コアなら温度管理も水分管理も完璧でしょう。

 「ん!」


 じゃがいも畑化計画はコアに任せて、こちらはダンジョン拡張計画を推進するよ。小部屋と縦貫トンネルとコアルームに設置した罠群を有効利用するために、部屋と通路を拡張していこう。縦貫トンネルを通路と同じ1・5mに広げて、途中に十字路をつくって両側に伏兵が待機できる場所を用意する。そこには武器も

配置しておいて、召喚されたゴブリン達がすぐに手に出来るようにする。防具はさすがに着けてる暇がないだろうから、それは巣穴の倉庫に置いとけばいいかな。

 小部屋には両側の壁に普通サイズの木の扉をつけておいて、開けようとすると床の槍衾の罠を踏むかんじで。縦貫トンネルとの境にも新たに木の扉を設置しよう。

 まあここまでダンジョンの防御を固めても、侵入者がいなければDPの浪費なんだけどね。さすがに部族の戦力の50%を失った「凍った槍」が居住地を空っぽにして総力戦を挑んでくるなんてことはしないだろうから。

 しばらくは地力を回復して戦力増強に努めるはずだよね。


 え?それフラグだって?



召喚リストその7と8

スノー・ゴブリン コマンダー:雪原ゴブリン戦士長

種族:亜人 召喚ランク3 召喚コスト 90DP

HP 21 MP 6 攻撃力 3(武器による) 防御力 2(防具による)

技能:槍、耐寒、部隊指揮

特殊技能:ケイプ・オブ・コールド(冷気の外套)

備考:冷気の外套 使用MP2 防御力+2、近接した敵に冷気1ダメージ


スノー・ゴブリン コマンド:雪原ゴブリン狩猟兵

種族:亜人 召喚ランク3 召喚コスト 90DP

HP18 MP 6 攻撃力4(武器による) 防御力2(防具による)

技能:槍、耐寒、隠密

特殊技能:ハイド・イン・コールド(冷気への同化)

備考:冷気への同化 使用MP2 隠密成功率+10% サーモセンサー無効


DPの推移

現在値 10 DP

侵入者の撃退:戦士4、狩人2、戦士長1 +165

スキャン: -1

吸収:戦士長1、狩人1 +65

設置扉:丈夫な木の扉x3 -15

残り 224 DP



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