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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第8章 暗黒邪神教団編
242/478

働かざるもの住むべからず

 通路の奥の階段を、大勢の骸骨兵士が、足並みを揃えて登ってくる音が響いた。

 ザッ ザッ ザッ ザッ


 それをノーミンとロザリオが、癒しの泉の広間で待ち受けていた。

 ザッ ザッ ザッ ザッ


 「枝道まで来ただ・・」

 「いよいよか・・」

 ザッ ザッ ・・・ ザッ ザッ ザッ


 「・・・こっちこなかっただな」

 「おい!」

 骸骨兵士は、階段を登り続けていったようだ。


 

 「主殿!こっちの防衛ラインを無視されたぞ!」

 「大丈夫、結局はそっちに行くから待機してて」

 

 本当は骸骨軍団が枝道に曲がった所を、側面から攻撃する予定だったけど、仕方なく正面からおみまいすることにする。

 

 「丸太砲、発射!」

 「はっしゃ!」

 「ギュギュ!」


 工作室の枝道に待機していた穴熊チームが、号令に合わせて、床に置かれた長さ3m、直径60cmの丸太材を階段に押し出した。

 その丸太は、すぐに加速度をつけながら階下に転がっていった。


 ゴロゴロゴロゴロ ドカッ バキッ ボキッ


 丸太は、骸骨兵士の隊列をなぎ倒しながら、やがて階段の途中で止まった。倒されて下敷きになった兵士が止め具の代わりになったのだった。


 「次弾、装填!」

 「そうてん!」

 コアが瞬時に丸太材を枝道に変換する。


 「次弾、発射!」

 「ギュギュ!」

 穴熊チームが、息を合わせて丸太を押し出す。


 ゴロゴロゴロ ドカンッ バキンッ ボキンッ


 骸骨兵士が態勢を立て直そうとしているところに、2発目が転がり落ちてきた。

 先ほどよりも多くの兵士が巻き込まれて、何体かは崩れ落ちた。


  次々に転がり落ちてくる、通路の幅と同じ長さの丸太材は、あっという間に階段を埋め尽くして、強固なバリケードを造り上げた。

 それまでに10体近くの骸骨兵士が、人柱になったが、それはすぐに召喚補充された。


 行き場を失った骸骨軍団は、バリケードを破壊することを諦めて、癒しの泉方面へ転進する。

 「・・これで、オラ達も袋のエルフだな」

 「それはオーク慣用語だ・・」

 「え?『飛んで火に入る女騎士』もだか?」

 「・・それは人族でも使われている・・」

 くっ殺さんは、共通認識だったらしい・・



 「そんな事より、くるぞ!」

 進軍方向を変えた骸骨軍団が、癒しの泉の広間に侵入してきた。


 「できるだけ引き付けろ。デスナイトを前線まで誘い込め!」

 ロザリオは指示を出しながら、骸骨兵士を倒し続けた。骸骨戦士長が相手になると、1撃とはいかなくなったが、エルフ親衛隊の弓兵の援護を受けて、確実に排除していく。

 隣では、グドンとノーミンがペアを組んで、同じように戦線を維持していた。


 「オデ、やっと戦える。オデ、頑張る」

 「オラとヘラの警護で、前線に出れなかったもんな。ここでなら好きなだけ暴れていいだよ」


 やがて骸骨軍団の先陣の2小隊が壊滅し、本隊が広間に侵軍してきた。もちろん、倒された2小隊は後方で再召喚されていたけれども・・


 「・・本当に限がないだな・・」

 「・・本来のデスナイトなら魔力の限界があるはずなんだが、あれは邪神印だからな・・」


 骸骨騎兵馬に跨った、暗黒騎士を見上げながら、ロザリオが叫んだ。


 「第二ラウンドは、騎乗戦だ! カムヒヤー ポチ!!」



 ロザリオの声を聞きつけて、癒しの泉の底から、巨大な白い熊が飛び出してきた。

 その背中の鞍にロザリオが飛び乗ったのを確認にすると、グレイシャル・ベアのポチは、全身をブルブルと振って、その毛が吸い込んだ泉の水を周囲に撒き散らした。


 シュワワアア

 聖属性の泉の水を浴びた骸骨兵士は、あっというまに溶けて崩れ落ちてしまう。骸骨戦士長は、それでもなんとか耐えたが、身体のあちこちが変色して、腕がもげてしまった者もでた。


 「これが最後の魔力だ、エンハンス・ビースト!」

 ノーミンが取って置きの魔力を使い果たして、ポチに筋力と耐久力の増強魔法をかけた。


 「ポチ!なぎ払え!」

 「ガウ」


 グレイシャルベアの前足の一薙ぎで、骸骨戦士長が2体吹き飛んだ。慌てて後方の戦士長達が接近戦を挑むが、ポチに蹂躙されてしまう。

 次々に倒される骸骨戦士長を見て、デスナイトが剣を振り上げて再召喚しようとした。


 だが、いつの間にか広間の床は、泉の水で覆われていて、その聖属性が干渉して、アンデッドの召喚ができなくなっていた。


 「はいは~い、あんまりお痛すると、お姉さんも怒りますよ~」

 清流の精霊であるルカは、癒しの泉の水も、他の水と同じように操ることができた。そして元来、ルサールカは、自らの住処に穢れをもたらすものを嫌う性質があるのだった。

 

 『お姉さん・・?』

 周囲にいた眷属達は、全員そこに突っ込みを入れたかったが、空気を読んで我慢した。

 ワタリがこの場にいたら、確実に地雷を踏んでいただろう・・・


 「これで無限召喚は封じた。後はお前を倒すのみ!」

 ロザリオが、ポチに乗ったまま突撃をかけた・・・・







 DPの推移

現在値: 3418 DP (3013DC)

変換:丸太(10)x12 -120

残り 3298 DP (3013DC)

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