誰かがこれをやらねば
モフモフ陣営 敵侵入まで、あと02:59
「それでは第一次探索チームのメンバーを発表します」
「「おおおーーー」」
「チームリーダーはノーミン」
「「「えっ?」」」
意気込んでいたロザリオやワタリが驚くのは想定内だったけど、本人が唖然としてどうするよ。
「いや、まさかオラがリーダーに選ばれるとは思いもしなかっただよ」
「くっ、伏兵がいたか」
「まだサブリーダーがあるっすよ」
「とにかく選ばれただから、頑張るだよ」
第一次探索チームは、調査がメインだから、慎重なノーミンに判断を任せるからね。くれぐれも無理しないように。
「サブリーダーはワタリ」
「「ほーー」」 「チッ」
「よっしゃ、オイラの出番っすね。あと舌打ちしたのロザリオさんっすよね」
「ノーミンのリーダーより、ワタリのサブリーダーの方が納得いかないのは我ながら不思議だ」
「とほほ」
「3番目はグドン」
「「おおーー」」
「オデ、オデ、ガンバル」
「これもサプライズに近いな。盾役ならアップル殿になるかと思っていたが」
「もちろんそれも考えたんだけど、どうしてもアップルチームはタスクライダーとして活用したいから、人数制限あるとね」
「ギャギャ(五郎〇と一心同体ですもんね♪)」
アズサのセリフは、その通りなんだけど、なんかニュアンスが違っているような・・・
「4番目はヘラ」
「「「えっ」」」
これもサプライズだったのか、本人まで驚いている。
「わたしぃ、でしゅか?」
「オババのダンジョンを踏破するには、ヘラの探索呪文が役立つはずなんだ。戦闘は考えなくていいから、探査をよろしくね」
「はい、はい!」
ヘラは、選ばれた重圧と、必要とされた喜びの間で揺れていた。
「5番目は親方」
「「わあーー」」
「キュキュ」
これもある意味サプライズだと思うんだけど、周囲も本人も、さも当然のように納得してるんですけど・・
「何をいっているんだ、主殿、「モフモフは明日の糧」チームに親方が入るのは当然だろ?」
いや、そんなドヤ顔で言われても、親方の選出理由はそこじゃないし。
「そして最後のメンバーは、不肖、この私、「モフモフ親衛隊長」のロザリオで決まりかな」
「えっ、違うよ」
「えっ!?」
ロザリオは、その場で固まった。
「6番目はエルフ兵士Bさんです」
「「誰?」」
「俺は兵士Aだよ」
「じゃあ俺は兵士Cな」
「そしたら俺は兵士Dで」
エルフの般兵が、責任を押し付けあっていた。
「お前達、せっかくマスター殿が選出してくださったのだ。兵士Bが誰であれ、喜んでお受けしろ!」
エルフの小隊長が困惑する部下を叱責する。
「しかし、小隊長、軍曹を差し置いて選抜されるのは、いささか・・・」
「うむ、1人だけ今後の訓練が倍増しそうな予感がするな。だが、頑張れ」
「そんな・・小隊長は気楽でしょうけど・・」
ああ、それで遠慮してたのか。ロザリオは訓練には私情は挟まないと思うよ・・・たぶん・・・どうだろう。
「ぎるてぃ」
ま、それはそれとして・・
「「「話をそらした!?」」」
兵士Bさんは、ハリネズミ語がわかる人です。
「「ああ!」」
喜ぶ二人と、床に崩れ落ちる1人のエルフ。
「通信講座で習ったのが、裏目にでるなんて・・」
通信講座で習えるんだ・・
「とにかく、この6名で先発するよ。ただし、第一次探索チームは調査がメインだから、戦闘は極力回避する方向で。30分後の第二次探索チームと合流することを最優先して」
「そしたら、オラ達は危険と思ったら先に進まなくていいだか?」
「突破できないと判断したら、それでかまわないよ」
「相手にさき越されないっすか?」
「30分は守備側で持ちこたえるから、勝負はそれからだね」
「ういっす」
「第一次チームは調査隊だから、リーダーは慎重なノーミンで、ワタリは隠密で探索を主導して」
「わかっただ」 「了解っす」
「グドンは戦闘になったら味方を守ってほしい」
「オデ、みんな守る」
「ヘラは落とし穴と毒針、毒ガスの罠を探知して」
「がんばりましゅ」
「親方はアースソナーで空間把握と敵の警戒を」
「キュキュ」
「兵士Bは、親方の観測結果を逐次、メンバーに伝えるとともに、親方の護衛をして」
「はっ、微力を尽くします」
「馬鹿者!親方の護衛任務だぞ。死力を尽くせ!!」
「イエス、マム!」
あ、固まっていたロザリオが復活した。
「先発隊に選ばれなかったのは不本意ではあるが、主殿には何らかの策があると信じて、ここはノーミン殿に託そう」
「露払いは、しておくだよ」
コアの表示するカウントが10秒を切った。探索チームのメンバーに緊張が走る。
「くれぐれも無理はしないように。正面から戦って勝てる相手ではないからね」
「大丈夫だ、こっちは任せてくんろ」
「オイラもいるっすからね」
「それが唯一の不安要素なんだけどね」
「とほほほ」
カウントが0からプラスに増え始める。
『防衛ダンジョンの構築タイム終了です。只今より探索チームの転送・召喚を許可いたしますわ』
「姫」のアナウンスが響き渡った。
「コア、探索チームを転送!」
「あでぃおす」
「「アミーゴ!」」
委託DPの推移
モフモフ陣営 防衛ダンジョン構築追加 -210
探索チーム R6x2 R5x2 R3x2 -1400
防衛チーム R3x3 R0x1 -275
残り 1002 DP




