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THE TOWER OF PRINCESS タワーオブプリンセス  作者: 池田瑛
6章 It takes all the running you can do, to keep in the same place.
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55 可笑しな3人

「そう警戒するなよ。俺かい? 俺はドリット。三日月ウサギとでも呼んでくれ」とドリットと名乗った男は、ワインをラッパ飲みをしている。ただの酔っ払いか……。


「ドリット。何をやってるのよ。この状況をみて分からないの? 『ティーパーティー』の紅一点。このリューゲがピンチなのよ。こんな清らかな乙女のピンチを救ったのは、白馬に乗った王子様だった……。あっはん」とリューゲは頬に両手を当てて顔を真っ赤にしている。

 いや、助けに来たと思われるのは、先ほどから帽子の頭に乗ったネズミと会話している金髪の変な男と、三日月ウサギの耳を付けたくたびれた中年の酔っ払い。


「ネズミがウサギを助ける。キャハハハハ。窮猫、鼠を咬むとは良く言ったものだぜ! 助けた瞬間、後ろからガブリってな」とライツが笑っている。


「ワインは赤と白、どちらが君の好みだい? 俺は、魚料理の時は赤で、肉料理の時に白を飲むのが好きだ」と、何故か俺にワインの好みを聞いてくる中年のドリット。だらしなく着たコートのポケットから、赤と白のワイン瓶を取り出した。

 まだ日の高い内から、何本飲む気なんだ?


「俺は、このノンノピルツの姫、アリスに用がある。どこにいるか知らないか?」と、俺は改めて3人に尋ねた。


「さっきから知らないって言ってるじゃない」と泣きそうになりながら答えるリューゲ。尻尾が縮んでいくのが分かる。


「あ? り? す? あぁ、アリス様をお捜しで。では、この謎かけに答えられたらお教えしましょう。鴉カラスと机が似ているのは何故だ?」と、先ほどと同じやり取りをしようとするライツ。


「そんな真面目な話、酔ってないときにしてくれ。まぁ、俺はいつも酔ってるのだがな!」と答えるドリット。


 だめだ……。こいつ等の相手をするだけ時間の無駄だ。他の奴に聞いたほうが良いだろう。ラプンツェルさんからノンノピルツの奴は変だと聞いていたが、まさかこれ程変な奴らがいるとは思ってもみなかった。


「誰かアリスの居場所を知っている人の心当たりは?」と俺は言う。


「ネリーなら知っているかもな」と、空になったワイン瓶を放り投げ、新しいワインのコルクを開け始めたドリットが言う。

 ネリー。聞き覚えがある名前だ。アリスも、「ネリーよりも忙しいって感じ!!」なんて言っていた。恐らく、ネリーというのとアリスが知り合いなのは間違いない。


「それならネリーはどこだ?」と俺は聞く。


「いま何処にいるかは知らねぇが、俺と飲んでればその内に現れるさ」とドリットが言う。酔っている男の話で信用はできないが……。


「キャハハハ。ネリーが木の根っこで転ぶってか? 待ちぼうけ。待ちぼうけ。キャハハハハ」とライツが笑い出す。


「待ち人来たり。フッ。そして新しい物語が紡がれていく…… 言ってみただけだが」とリューゲが言う。


 信用できるの情報なのか、全く良く分からないが……。

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