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11 雪の女王ヴィルジナル

 水色の髪、鋭い目つきで螺旋階段の下にいる俺を見下している。そして、明らかな敵意を俺に向けている。塔の中を探索していた騎士ではないだろう。


「俺はデジレ。騎士だ。お前は誰だ?」と、俺はいつでも剣を抜ける体制を取り、最大限に警戒をしながら言った。


わらわはヴィルジナル。雪と氷をべる者です。早くこの塔から立ち去りなさい」とヴィルジナルと名乗った女性が言った。


「俺は、この塔を進まなければならない。邪魔をしないでくれ」と俺は叫ぶ。


「無駄です。この扉は封印しました。何人なんびとたりとも、この氷を溶かすことなど出来はしません。諦めなさい」と強い寒波の突風を放ちながらヴィルジナルが言う。

 彼女から放たれる冷気を受けて、俺の体の体温はみるみるうちに下がっていく。剣の柄を握りしめている右手も、感覚が無くなっていくのが分かる。


「いや。諦めない。俺を呼んでいる人がこの塔にいるんだ」


「…… そんなことは有り得ません。良いでしょう。あなたの時を止めて差し上げましょう。氷の彫像となりなさい。永久凍土スプラッシュ


 ヴィルジナルが呪文を唱えると、彼女が持っている杖が輝きだし、より一層の寒波が俺を襲う。また、六角形に輝く雪の結晶が俺の体に次から次へとぶつかってきては、俺の体を凍らしていく。


「危険です、デジレさん!! マジックウォール」と、俺の胸元にいたエインセールが飛び出してきた。エインセールの唱えた呪文によって、俺とエインセールを防御魔法が囲み、ヴィルジナルの魔法を阻んだ。


「なっ!! なぜお前がここに!?」と、ヴィルジナルが驚きの表情を浮かべると共に、彼女が放っていた魔法の威力が弱まっているのを俺は感じた。

 俺は、それをチャンスだと思い、剣を引き抜き、俺は前に進み出て、ヴィルジナルに向かって斬りつける。


「ちっ」と、ヴィルジナルは舌打ちをして姿を消した……。


 俺の暫撃は空を斬った。


「だ、大丈夫ですか、デジレさん!!


「ああ。寒さも収まったし、ヴィルジナルも魔法で消えたようだ」と、俺は剣を鞘に収めながら言った。


「先ほどの方は、雪の女王ヴィルジナル様ですね……。しかし、なぜ、このようなことを」と、エインセールは、厚い氷に覆われてしまっている2階へと続く扉を見つめている。


「俺にも分からない。だけど、大丈夫だ。全てを切り裂け!! シャープスラッシュ」と俺はスキルを唱え、扉を覆っている氷めがけて剣を放った。


 が…… 氷を全く傷つけることが出来ず、俺の剣ははじき返されてしまった。


「水であるゼリルーですら切り裂けるスキルなのに……」と俺は唖然とした。全てを切り裂くシャープスラッシュですら、まったく歯が立たない。


「この氷は、普通の氷ではないようですね……」と、エインセールも深刻な顔をしている。


 俺は、諦めず、この先へ進みたい一心で何度もシャープスラッシュを繰り返したが、結果は同じだった……。


「デジレさん、一旦、町に戻って、この事を報告しましょう」と、エインセールは言った。


「どうやら、それしか方法がなさそうだね」

 残念ながら、俺のシャープスラッシュでは、この氷を打ち破ることは出来そうになかった。俺は、悔しさで胸が一杯になりながら、教会の町アルトグランツェまで引き返すことにした。


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