表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/87

78.ラーラからのホログラムメッセージ

 先王ロードは、自室で明かりもつけず、頭をかかえ深いため息をつき途方に暮れていた。


 すると突然、目の前にキラキラと銀の光が舞い、そこから15歳の美少女となったラーラの姿が映し出された。

 立体映像(ホログラム)である。

 しかし、立体映像(ホログラム)など見た事もないロードは一瞬、ラーラが帰ってきたのかと驚き、喜んだ。


「ラーラ!良かった!帰ってきたんだな」

 そう言って、立ち上がり抱きしめようとしたが、その手はラーラの体をすり抜けた。


「なっ!なんだ?ラーラ!お前、帰ってきたのではないのか?」

 よく見れば、その姿は透けている。


 すると、そこに映ったラーラはペコリとお辞儀をした。


『ロード様、急に出て行ってしまってごめんなさい。でも安心してください。住むところも決まりましたし、私にはこのタマチャンがいます。このコは、私が眠っていたときも片時も離れず見守ってくれていました。これからも守ってくれる。だから…心配しないでください。無事に生活の基盤が出来たし大丈夫だってつたえたかったのです。これまで、本当にありがとうございました。』


「ラーラ!もうお父様とは呼んではくれないのかっ!?」そう叫ぶロードだが、一方的に話す立体映像(ホログラム)からは返事すらない。


「ラーラ!ラーラ!あああっ!お前が望むなら努力しよう!お前を妻に迎える!だから帰って来てくれ!私の元に!」ロードは叫んだ。

 しかしラーラには届かない。

 立体映像(ホログラム)は、同じセリフを三回繰り返すとキラキラと光り消えていった。

 寂しそうな綺麗な笑顔を残して…。


 そして、ロードの『妻に迎える』という言葉もラーラには、伝わらなかった。

 例え、伝わったとしてもラーラがそれを良しとする筈もなかった。


 ラーラは努力して自分を妻にしてほしい訳ではない。

 無理をさせたい訳ではないのだ。

 だからこそ、その想いを断ち切り諦める為にロードの元を去ったのだから。


 ただ、このラーラの無事を知らせる立体映像(ホログラム)は、少しだけロードを冷静にさせた。

 人智を超えたタマチャンという存在が、ラーラを守っているという事もわかり、とにかくラーラは無事なのだと。

 ロードはその日からまた遺跡を巡る旅に出かけた。

 再びラーラに会える日を信じて…。

 

 そして、サラは騎士団に復帰し騎士たちを使い、バート王は影を使い、三人はラーラを探すのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ