007.~目覚め -5~
え?わ…わたし、小さい!?
気絶する前に、思ったのは勘違いじゃなかった???
私の体に何がおきてる?
慌てて自分の体をぺたぺた触って確認する。
胸もぺったんこで、手はふくふくして足も…どう見ても目の前にいる女性達より大分小さい…。
若返ってる?しかも大分小さい?
さっき、サラさん?に抱きつかれた時になんで気づかなかった私!と、自分のうかつさに頭を抱えた。
寝起きでまだ頭が回っていないようである。
「か!」
「「か?」」
「鏡がみたいでしゅっ!」
とにかく私は鏡を所望した!
そして、メイド?の人は手鏡を探して持ってきてくれて私は、それを見て再び固まった。
誰これ?何?これ!
鏡に映ったその姿。
寝癖なのか僅かにうねる銀糸の髪に紫水晶のような瞳。
そして透けるような白い肌。
いやいや、美醜はともかく、何よりそのその姿形、大きさは明らかに幼児!
どっからどう見ても三~四歳のお子様だった!
私じゃないし!オーマイガッ!
アンビリバボーだよ!何だよ!これ!あり得ないっ!
それは若返ったなんてものじゃない。
全く見知らぬ天使のような姿である。
(いやまぁ、天使を見たことはないけどもさ!)
「た!卵!私の”卵”は、どこですか?あ、あそこに私を戻して下しゃいっっ!」
「まぁ!何を言っているの?そんな事!貴女は私が保護したのよ?再び眠りにつかなくても大丈夫なのよ?」
そんな優しい言葉はありがたいが、今はとにかく帰してほしい!
「違うのでしゅ!あの中には、私が生きていく上で大切なものが全てつまっているのでしゅ!」
「「まぁ!」」
「サラお嬢様、やはりこの姫様は失われし国の姫様に違いありません!何千年もの間、眠り続けてこられたのですもの!あの卵がきっと姫様の命を繋ぐ魔法具なのでは?」
「そ、そうね!あの卵から離れたせいで気を失ったとも考えられるわね?大変!すぐにあの卵をここに運ばせましょう!緊急事態だわ!遺跡調査にいらしている王宮魔導士のルゼルジュ様にお願いして大至急、卵を転移して頂きましょう!」
おいおいおい!また魔法かいっっ!
そういうのいいから私を”卵”に連れて行ってくれ!タマチャンならこの異常事態を説明してくれるに違いないのだから!と言い加減、頭、お花畑なのかと疑うようなメルヘンチックな魔法発言にキレそうになった時にサラさんがいきなり、何やら唱えだした。
そして、パンッと手の平を合わせ「セーリィンフィーリ!我が言葉我が意思を遺跡痕にいるルゼルジュさまへ届けよ!」と唱えた。
するとその手の内からぽわぁっと淡い光が生まれ丸い光の球体になった。
『う・そ・で・しょ・う・う・う~!!!』
何コレ!何コレ?
まさか、ホントに魔法ってかーっ???
サラさんは、かくかくしかじかと私の事を球体に呟いて卵をこちらによこしてくれと頼むとその光の球体を窓の外に放り投げた。




