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64.そして周りの反応は02 ロード

正直、三歳のラーラも異常なほど可愛らしかったが(推定)十四歳のラーラもまた超絶可愛く、そして美しかった。


もともとの白銀とも白金ともとれるような聖なる輝きを放つその髪色と知性と品位を称えるような紫水晶の瞳は限りなく美しく気高い。


しかも成長した姿のラーラの立ち居振る舞いは、本来、三歳だったとは到底思えないものだった。

いや、むしろ三歳の時の発言の方が違和感満載だったのである。

賢すぎたのだ。


ロードは思っていた。

本来のラーラはもしかしたら今の方が…いや、もっと年齢が上でも、むしろすんなり納得できるのではないかとさえ思う。


それほどラーラは賢いのだ。

その言動のそこかしこに知性を感じる。


しかし、そんなに賢いかと思えば、まだ幼い子供のように父親である自分を恋しがっている。


「お父様、本当に私の事、気味悪くありませんか?また一緒に遺跡調査にも連れて行ってくれますか?」


そんな事を心配そうに聞いてくるラーラは胸がざわざわしてしまうほどにやっぱり可愛い。


本当にラーラは小さくても大きくても信じらないほどに可愛い!もう、ほんとにほんとに可愛いっ!

(しつこい!)


「ごほん!うむっ!もちろん、ラーラがついて来たいならそうしなさい!今はサラという護衛も付けているし、そうだ。サラに習って自分でも護身術なども覚えると良い」そう言うとラーラは鼻がほころぶように可憐で可愛い笑顔で頷いた。


「はい!良かった!じゃあ、明日の遺跡調査には必ず、ご一緒させてくださいね?約束ですよ」とご機嫌だった。


そんなラーラを微笑ましく愛しく思いながらもロードは深いため息をつく。

ラーラがいきなり十四歳くらいになってしまったことはある気がかりを生んだのである。


「ああ、こんな事ならやはり()()()と言う事にするよりバートかテリュアスの許嫁にした方が良かったかもしれない…この国での結婚適齢期は十五から十八歳…なんて事だ…」と溜息をついた。


可愛いラーラ、嫁入り等()()()()()だと思っていたのに…どうしたものかと思い悩むロードだった。


いっそ、知能も三歳時のままなら、嫁にも出さずに済んだろうが、どっからどうみても賢そうである。

昨日、植物図鑑を見ながら何やら書いていたようだが、早速、文字も覚えてしまったようだ。


もっと、おバカでも良かったのに


そんな風に思ってしまう。

ラーラをいつまでも手元に置いておきたかったロードは深い深いため息をついた。

まだ三歳のラーラのままであれば()()()()()()()があるのだから、それまでにラーラが幸せになれるような相手を探せばよいと思っていのに。


それにいくら手元に置いておきたいからと言っても、あの三歳のラーラとバートでは歳の差が空きすぎだろうとも思っていた。

弟の方のテリュアスとですら十一歳も違うと思っていたし…。

それが今や同い年くらいだとは…。


今からでも、「実は…」とか言ってどっちかの許嫁に…。

いや…しかし、そうなるとラーラの出自について貴族たちから問われるだろう。

無視できなくはないが、そうすると後々、ラーラが肩身の狭い思いをするかもしれない。

いや、間違いなくするだろう。


それに、息子のバートやティリアスですら、嫁にやるのは気に喰わないくらいなのである!

ロードにしてみれば、ラーラが、ず~っと三歳児のままでも良かったくらいなのだ!


『親バカ』をこじらせた先王ロードもまた、ラーラ以上に悩めるのだった。



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