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005.~目覚め -3~

 ガンガンガンっ!ぎぎぎっ!


「ちょっ!やめて!揺らさないでよね」思わず私は外に向かって叫ぶが、中から外への声は聞こえないらしい。

 外からの声は卵の機能で音を拾ってインターフォンのように中に伝えている感じである。


「ちょっと、タマチャン!外に出ることにするわ!空けてちょうだい!」


『了解しました!外界の空気にはまだ体が馴染まないかもしれませんので、ゆっくりと動いて下さいね』とタマチャンが言い、扉は開かれた。


「「「うわっ!!」」」

 三人の騎士たちは縦に持ちあがるように開いたドアに顔をぶつけて後ろに倒れた。


「あっ!ご!ごめんなしゃい!大丈夫?」

 睡眠学習で覚えたて?のこの世界の言葉で話しかけると三人の騎士は驚いて私を凝視した。

 ごめんなさいと言いたかったが、まだ発音が慣れてないこの国の言葉に少し舌ったらずにかんでしまったのは許してほしい。


 あ、三人とも固まった。

 驚きすぎて言葉も出ないようだ。

 うん、そう、そうだよね~。

 そりゃあ、驚くよね~


 卵割ったら人間が出てきましたってさ…桃をわったら桃太郎が出てきたって感じかしらね?


 やだよ卵太郎とか卵姫とか名前つけられたら…とか一瞬、アホな妄想に気を取られつつ目の前の三人に、タマチャンのゆっくり動けという注意も忘れて、鼻を抑えてかけよった。


 顔とか頭を抑えている。

 頭とか打ちどころ悪かったら大変だよね?


 私は、謝りつつ”卵”から飛び出してまず女性の騎士に近づいた。

 淡い金髪の綺麗な女性だ。

 騎士の服装が恰好いい。


 赤くなった鼻の頭を抑えながら唸っている。

「っ大変!赤くなってる」

 私は、そう叫びながら、そっと顔に手をやると女性の顔が自分の手より随分と大きい事に気づいた。


「「え?」」と私は私に触れられた女性と同時に声をあげた。


 私は自分が縮んでいることに驚いた。

 白くて小さな手…。

 女性の顔や体が大きいんじゃなくて私が小さいんだ!

 なにこれ?

 あまりのショックと、何千年だか何億年ぶりだか?の濃厚な酸素に酔ったのか私はその場で気持ち悪くなり倒れてしまった。


「聞いてないよ…タマチャン」と呟いて意識を手放した。

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