31.誕生日祝いと魔力測定02
爺の顔色は真っ白でお父様とお兄様も何か青ざめていらっしゃるようなのだが、気にしない気にしない!
気にしたら負けな気がする!
侍女ズは、固まったまま動かない。
けど、きっ…気にしないんだったら気にしない!(汗)
『私は三歳児!何にもわかんない三歳児~!』と自分の中で唱えつつ、話題を変えるべく言葉を発した!
「お、お腹、すいちゃったの!ケーキ食べたいのぉっ!」と最上級の笑顔を繰りだしてみた!
すると、一番最初に、復活したのはお父様だった!
(効果は抜群だ!)
「お!おおぅ!そっ!そうだなっっ!食べよう食べよう!さぁ、ラーラも席に着いて!」
(お父様!さすがです!空気読んでくれてありがとう!)
「あいっ!」
固まる侍女ズと石板をもつ爺をスルーして席に着く。
「お、お誕生日おめでとう!ほ、ほら、これはプレゼントだぞ」とお兄様が私にリボンのついた包み紙を渡してくれた!
(お兄様も流石です!)
「わっ、わたしからもプレゼントがあるぞ!ほうら!」とお父様も負けじと綺麗な小箱を渡してくれた。
お兄様からは美しいブローチだった。
私の瞳の色と同じ紫水晶で周りには、美しい白金細工と小さなダイヤらしきものが付いている。
す、すごいぃぃぃ~。
「き!綺麗でしゅ!」私が喜んでそれを付けようとしたら、復活したソラが走り寄ってきて私の胸元に着けてくれた。
(おかえりミーファ!帰って来てくれてありがとう~!)
今日の白いドレスに映えてとても綺麗だ。
そしてお父様のくれた小箱の中には王家の紋章の入った指輪が入っていた。
白金の上品な指輪で真ん中に小さな白い魔石らしき石が付いている。
その指輪は、お父様が直接指にはめてくれた。
たまたまだろうが、左手の薬指にだ!
なんだかドギマギしてしまった。
なんだか顔が熱くなったのはしょうがないと許してほしい!
その指輪は私の指にはまるとぴったりのサイズになった。
魔法の指輪らしい!
うんファンタジー万歳?
(卵の通信機である腕輪も同じようにフィットしたけど、この指輪は科学とは別の次元で凄いよね?魔法て未知だわ!)
「ラーラ、その指輪は持てる魔力を安定させる効果がある。ちょうど良かった。その指輪をしていればうっかり魔力が暴走することもないだろうから肌身離さず嵌めていなさい」
おおお!なんと、便利な!さすが元王様、すごいお宝アイテムです!
ファンタジー世界は何でもありですね?
元、科学者の私には、さっぱり理解不能ですが…ははははははっ!
「おとうししゃま!おにいしゃま!ありがとうございますっ!」
私が満面の笑顔でそう言うとお父様もお兄様も、それは満足そうにうんうんと頷いてくれました。
そしてその日は家族で楽しい誕生祝いの晩餐を終えたのだった。
お兄様も名残惜しそうにお城に帰って行った。
まだ、お仕事が残っているらしい。
忙しいのに無理して来て下さったようだ。
ありがたことだ。
そして、寝る前にお父様と爺からは魔力測定での結果について語られた。
「ラーラは賢いからもしかしたら察しがついているかもしれないが、魔力測定の結果はあまりにも規格外だったんだ。あの輝きは神殿の大魔導士のそれに匹敵するんだ…ラーラはどうしたい?神殿に入り偉大な魔導士を目指す事もできるが、それはそれで大変な修行が必要になるだろうし、魔力の暴発といった危険性もあるから偉大な魔導士を目指さなくても自分の魔力の制御はできるように学ばねばならない…」
「わ!わたしは、おとうしゃまたちと一緒にいたいでしゅっ!」
真剣に私はそう言った。
もう緩い涙腺から涙が放出寸前だった。
心から私がそう言うとお父様と爺は、お互いを見合い、ほっとしたような顔をして優しくほほ笑んだ。
「そうか!ラーラがそう言うなら、この魔力のことは周りには伏せておこう。侍女たちにも口止めをしておくから大丈夫だ。バートも私も爺も皆、ラーラが望まぬような事にはさせないからな」と力強く言ってくれた。
お父様、頼もしいデス!
恰好良すぎデス!
私は、本当にほっとして喜んだ。
「あい!ありがとうございましゅ!」そう言ってお父様に抱きついたのだった。




