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ナツメナツミ  作者: かに
10/25

オマケ:彼が電車に乗っていたワケ

夏目が電車に乗っていた理由が判らないと指摘されたので、急きょオマケを書きました。

全編ほぼ会話で読みづらいかもしれません。

読まれなくても全く問題ないので、苦手な方は即バックお願いします。

 甘い膝枕タイムは唐突に終わりを告げる。それは菜摘の問いから始まった。

 夏目に膝枕から体を起こすよう促した。

「ところで、なぜ貴方が電車に乗っていたのか理由を簡潔に述べよ」

「言わなければいけませんか」

「もちろんです」

「ドン引きしますよ」

「初めて会ったときからドン引きしてます」


「貴方が短いスカートを穿いてくるからです。

 俺は、いつか今日のような日がくるんじゃないかと」

「ほほう。それはつまり痴漢にあったのはスカートを短くした私が悪いと?」

「そんなわけないだろ!! する方が悪いんだ! あの野郎、チクショー」

「落ち着いて下さい。その理由は嘘っぽいので却下します」

「どうして!?」

「それが理由ならばドン引きしません。本当の理由を言って下さい」


「ナツミちゃんの最寄り駅から東高に行くには、東方面の電車に乗る方法と、西方面に戻って中間の駅で乗り換える方法があります。

 西方面の中間の駅まで三十分、その駅から東方面の電車に乗り換えて五十分。

 東高の始業時間は九時なので八時に中間の駅を出られれば間に合う計算です」

「私は”どうしたら東高に間に合うか”をきいているのではありません。電車に乗っていた理由をきいています。

 西に戻らず東に行けばいいでしょ?」


「……ナツミちゃんの足を追いかけてました」

「では、火曜日も水曜日も木曜日も同じ電車に乗っていたと?」

「その通りでございます。ナツミちゃん鈍いね」

「鈍いっつーか、気づかれないようにこっそり後をつけてたんでしょ」

「バレたら怒るでしょ」


「……」

「ほら、ドン引きした!」


「俺にとってナツミちゃんの足というのはさ、夢と浪漫の結晶なわけよ。やっと理想的な足に巡り会えたわけ。常に視界に入れておきたいのね。そりゃ電車混んでるから見えないけどさ、同じ車両にいるというだけで、俺のモチベーションはダダ上がりなわけよ」

 やばい、スイッチ入れちゃった。少し後悔する菜摘。

 延々と演説ぶる夏目に聞こえないように呟いた。

「だったら指の一本でも触りやがれ」




ひとまず<おわり>

ナツメナツミ全編にいえることですが、描写を省いたり矛盾していたりしてお見苦しい点もあるかと思いますが、寛大なお心でご覧いただけますと幸いです。

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