意地っ張り
「ん…ん…。」
「起こしちゃった?怜、調子どう?」
目を開けると、そこには明の顔があった。
「大丈夫…。大分…楽になった…。」
「今から食堂にいくんだけど、怜は、どうする?一緒に行く?」
「う~ん…。行こっかな…。」
「じゃあ、行こっか!」
そう言い、寝た状態の私の身体を起こし、優しく支えてくれた
「ありがと…。もう大丈夫…。」
そう言い手を離して貰ったがまだ少しふらふらしたため、慌ててもう一度身体を支えてくれた。
「全然大丈夫そうじゃ無いじゃん!!」
「ごめん…。そう言えば奈穂ちぃと、七華は?」
「奈穂ちぃ達は先に食堂行ったよ!!」
「明はなんで行かなかったの…もしかして…私が寝てたから…?」
「うん!あぁ、私の勝手だから、自分のせいでとか、思わないでよね!」
まさに、思ってた事を言われて口ごもってしまった。
「…。」
明は、そんな怜を見て、やはり図星か…と思った。
それと同時に、弱ってる時や風邪引いてる時の怜の喋り口調はたまに変わるんだよな~と、思っていた。
口には出さないけど(笑)
「どうした…?」
「ううん!何でもない!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「怜っ!!」
食堂に行くとお姉ちゃんが慌てた顔をして私のところに来た
「どうしたの?」
わざと私はとぼけてけたふりをした。
「どうしたのじゃ、ないでしょ!大丈夫なの!?」
「あぁ…大丈夫…。」
本当は立っているのがやっとで、大丈夫ではないけど…。
私が起きた後、みんな居なかったし明には口止めしたからばれる事ないはず。
明はと言うと、うつむいて表情は見えないけど、なんと無く予想がつく。
「そう?」
「あぁ…。あはは。」
お姉ちゃんは怪しいなと、言う顔をして見ていたけど肯定しつつ笑って誤魔化した
「ほら!さっさと席につきなさい。寮長さんが待ってるわよ!!」
「あぁ…!!すいません…。」
気付かなかった。
そう思いながら急いで席に着いた
「よし。みんな揃ったみたいだし食事をいただきましょうか!!」
麗美学園の食事はバイキング方式なので寮長の合図でみんな徐々に食事を取りに行った
点呼を兼ねたあつまりで食事はついで見たいなものなので点呼が終わると、外食に行く幾つかのグループはそそくさと退室する
勿論、私達は晩ごはんを食べに来たので食事を取りに行くのだが…。
心配性のお姉ちゃんから、「怜の分は私が取りに行くから」と言われてそのままここの席に座っていると言う訳だ
因みに事情を知らない他の人達に怪しまれないように明も横に座っている。
「はい。持って来たわよ。量はこのくらいで良かったかしら?」
「あぁ。ありがと。」
「どういたしまして。」
私がお礼を言うとお姉ちゃんは照れ臭そうにしながらにこやかに返事をした
「早く食べようよ!!」
「明は相変わらずね。」
待ちきれなかったのか、運ばれて来た瞬間即座に食事に手をつけたらしい。
「だって~!お腹空いてたんだもん!」
「あはは。」
「お姉ちゃん~怜に笑われた~。」
「いや~…。見てて微笑ましいと
言うか…飽きないと言うか…子供だなぁ~と思って…!!」
「そう~?私見てて飽きない~?って言うか、最後ばかにしてない!?」
ようやく気づいたのか遅れて突っ込んで来た
「冗談だ…!」
本当に明をからかうの面白いな~
「もうっ!!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あのさ、私と同室の子が怜と話したいって言ってるんだけど今度いい?」
「うん…。いいぞ。何なら今からでも…い」
今からでもいいよと言おうとしたら言葉を遮られてしまった
「今日はダメ!体調崩してるんだから!!」と言いながら釘をさして来た
「うっ…。べ、別にもう大丈夫だ…。」
「れーいーっ!!今、はっきり口ごもったよね(笑)!」
と言いつつ半眼で睨まれた
「そんな事…ないぞ…!」
心配かけまいと、言ったつもりだったのだか、明には逆効果だったらしい
「まだ言うか~!でも、まぁ冗談が言えるって事は、大分ましになったって事ね。」
一安心したのか息を吐き出した。
「だろ!!だから言ったろっ!!ケホッケホッ」
勢いよく言ったせいか、盛大にむせた
「もう!調子に乗るから!」
怜って、普段は冷静沈着なのに、昔から、風邪引いた時はやけにテンションが高くなるなぁ~。
「あはははは~。」
返しようがないので笑って誤魔化した。
「じゃあ、部屋に戻るね!おやすみ!!」
「あぁ…おやすみ…。」
今日は、自分の19歳の誕生日です!
なのでこだわって投稿日を誕生日の11月10日の0時にしました!!
まだまだ未熟ですが、数少ない読者の皆様是非、今後ともよろしくお願いします!!




