弱い私とかっこいい先輩
「うぃーっす」
そう言いアイツが生徒会室に入って来た…
「修…遅かったね…何してたんだい?」
来るのが遅かった為、不思議に思ったのか朱音ちゃんが問いかけた
「あぁ、ちょっと野暮用だ。俺にも色々と考える事があるんだな!これが」
みんな修が何を言ってるのか分からないと言うような顔をしていた
だが…私の耳には何にも聞こえて来なかった
ここから今すぐにでも抜け出したい…
だが…足が竦んで動けない…
どうしよう…
「れいちゃん大丈夫…わたしがおるやん」
どうしたらこの場から逃げれるか考えていたら突然後ろから抱きつかれ耳元で誰にも聞こえない位の声で言ってきた…
しかもわかってる風な口で…
みんなはと言えば未だに修の方を見ていて私は偶々奥の方にいた為コチラに気づいていない様子…
「優姫…先輩…」
後ろを向いてみるとやはり予想していた通りの人物が立って抱きついていた
そのお陰か大分震えが止まった様に思える…
「ちょっと待ってて…わたしに任せてなっ」
自信満々だがやはり誰にも聞こえないような声だ…
そして誰にも気づかれない間に私から離れて皆の近くに行ったけど…
「明ちゃん達ちょっとの間れいちゃんお借りするけどいいかな?」
いきなりだった為、皆目をパチクリさせている
何を言い出すかと思えば…
「優姫先輩なら許します」
何を言ってるんだろうか…明は…過保護過ぎだろ…
まぁ…いいや…
「明ちゃんありがとな!なら行こうか!」
そう言い再び私の所に来て手を引いて来た
足を動かして見ると動いてくれた
よし…今がチャンスだ…
「はい」
アイツと目を合わせないように一生懸命足を動かして前に進む…
「ちょっ!おいっ!」
アイツが何か言いかけたが気にしない
「なん?用がないんやったらわたしらもう行くけど」
どこか威圧を感じる優姫先輩の問い掛けに黙った
「お、おぅ…」
優姫先輩…強いし優しいそれにかっこいいな…なんたって可愛い…
そう思いながら生徒会室を後にするのだった




