第六百三十四話 屋台巡り続行中
皆様、2026年もよろしくお願いいたします。
更新が遅くなり大変申し訳ございませんでした。
年末忙しかったのといろいろと諸事情により……。
皆様、アニメ2期はご覧いただけましたでしょうか?
私は見るとお腹が空いてしまい、結局食べてしまうことが度々。夜中なのに。
素晴らし過ぎるMAPPAさんの作画のせいです(笑)
アニメは終わりましたが小説はまだまだ続きますので引き続きよろしくお願いいたします。
アニメ3期があるといいなぁ(ボソ)
1月25日に初の短編集「とんでもスキルで異世界放浪メシ à la carte 1」が発売されますのでそちらもどうぞよろしくお願いいたします。
それからも屋台を巡り、美味そうなものを見つけると片っ端から買っていく。
と言っても、見つけるのも食うのもほぼ食いしん坊カルテットだけど。
『よし、次だ』
『うむ』
『次々~』
『まだまだお肉食べるよー!』
今も何軒めかの屋台のダンジョン牛の串焼きをペロリと平らげると意気揚々と屋台巡り再開。
まぁ、いつものことではあるんだけども本当によく食うよね~。
「コスティ君たちは美味しそうなのあった?」
そう聞くと子どもたちが顔を見合っている。
「どれも美味しそうなんですけど……」
「今はお腹いっぱいで……」
なるほどね~。
確かに美味しそうなのもたくさんあるけど、お腹いっぱいだと決め手に欠けるよね。
俺もまだ選びきれてないし。
「そっか。まだまだ屋台がいっぱいあるみたいだしゆっくり決めて大丈夫だからね」
そう言うとみんな安心したような顔に。
うんうん、ゆっくり選びなさいな。
こうやって歩き回ってたらそのうちお腹も落ち着いてくるだろうしね。
ハイエルフさんたちは既にいくつか選んでいる。
フェルたちが見つけた屋台で、バジルっぽい香りのハーブソルトを使ったコカトリスの串焼きとガーリックソルトを使ったダンジョン牛の串焼きだ。
どちらもハイエルフさんたち曰く「これは絶対にワインに合う」だそう。
酒のつまみじゃなく飯として選んでほしいんだけど。
とは言っても、地の酒を楽しむのも旅の楽しみではあるからね。
子どもたちも一緒だから「お酒はほどほどにしてくださいよ」ってお願いはしてある。
そんな感じでゆる~く屋台街をブラブラしていると、ほんのりとスパイシーな香りがしてきた。
「なんか、美味そうな匂いがするな」
スパイシーな香りに引き寄せられて、その香りのする屋台へ進む。
「いらっしゃい! うちのホットドッグは美味いよ~!」
俺よりも若そうな兄さんが店主の屋台。
ホットドッグとは言っているが、コッペパンに挟んでいるものがソーセージではない。
挟んであるのは挽き肉の煮込みかな?
色が赤いからトマトで煮込んでいそうな。
あとこのスパイシーな香りからいろんな乾燥ハーブやらも入っていそうだ。
こりゃホットドッグの亜種だな。
『ほ~、美味そうではないか。食うぞ』
『儂もじゃ。主殿が目を付けたのであればマズいことはないだろうしのう』
『俺も食うぜ!』
『スイも食べるー!』
「はいはい」
屋台の兄さんにお願いしてフェルたちの皿に山盛りに乗せてもらう。
代金を渡して食いしん坊カルテットに配ると、モリモリ食いだした。
『うむ。悪くないぞ』
『これもビールに合いそうな味じゃわい』
『ピリッとするけど辛すぎなくて美味いな、これ』
『スイもこれくらいなら大丈夫ー! 美味しいよ~』
食いしん坊カルテットお墨付きだ。
あとで食うためにストックとしてもいくつか確保してはあるものの、そうなると気になる。
お腹はいっぱいだけど、いっちゃうか?
あ、そうだ!
「みなさん、切り分けて少しずつどうですか? コスティ君たちも」
ハイエルフさんたちと子どもたちに声をかける。
みんな少しならということなので、包丁で一口大に切り分けていく。
「どうぞ~」
みんなでパクリ。
ほ~、けっこういけるね。
美味いわ。
挟んである挽き肉の煮込みには豆も入っているな。
その豆の食感も悪くない。
これは、あれだ、チリコンカンに似てる。
ちょっとハーブの効いたチリコンカン。
ハイエルフさんたちと子どもたちからもなかなかの評価だ。
よし、これは買いだね。
ということで、ストック用に多めに購入。
フェルたちも食うから多い分には問題なしだ。
よし、次行こう。
屋台を眺めつつ歩いていると、俺の隣を歩いていたオリバー君が小さな声を上げた。
「あ……」
「ん? どした?」
オリバー君を見ると「えっと、えっと……」とおろおろしている。
「もしかして美味そうなの見つけた?」
「……うん」
「どの屋台かな?」
「あれ」
オリバー君の指す屋台はホットドッグの屋台だった。
俺が前回の肉ダンジョン祭りで披露したものに近いホットドッグだ。
『む? あれか? 悪くなさそうだな』
『うむ。食おう』
『よっしゃ突撃ー!』
『とつげき~!』
俺たちのやり取りを聞いていたフェルたちが屋台にダッシュ。
「あ!」
「いいのいいの。あいつらはいつものことだから。俺たちも行こう」
当然のごとくフェルたちの皿には山盛りのホットドッグ。
そして俺とハイエルフさんたちと子どもたちは今回も切り分けて試食だ。
「うーん、悪くないけれど私はさっきの挽き肉の煮込みを挟んだ方が好きね」
「私も」
「そうか? 俺はこれもいいと思うぞ。ワインとは合わなそうだがエールとは合いそうだ」
「確かに」
ハイエルフさんたちは意見が分かれた。
セルマさんとラウラさんの女性陣は俺が見つけたチリコンカン風の煮込みを挟んだホットドッグの方が好みの様子。
対して、ヴェルデさんとラドミールさんの男性陣はこちらのホットドックもイケるようだ。
俺もどっちかというとセルマさんとラウラさんと同じ意見かな。
悪くはないんだけども~といった感じだ。
挟んであるソーセージが太くて肉肉しいしその上にかけてあるトマトソースも悪くはないんだけど、どちらもちょっと惜しい感じが否めない。
ソーセージは太くて肉肉しいのはいいんだけど、若干臭みがあるというか。
そこがちょっと気になる。
トマトソースもトマトと塩と少しのハーブで煮込んだものなのかトマトの味のみが全面に出てるものなのも惜しい。
これ単体のトマトソースとして扱うなら美味しいと思うんだけど、このソーセージのホットドッグにするならもう少しハーブを利かせた方がソーセージの臭みが気にならなくなるんじゃないのかなと思ったり。
どちらにしてももう一つ工夫が欲しいところだなぁ。
と言うのが俺の感想。
とはいえ、子どもたちはこのホットドッグが気に入ったようだ。
何せ腹いっぱいなのに「美味しい」って言って切り分けたものを食い終わった後でも店にあるホットドックに目がいっているからな。
フェルたちもこの屋台の太くて肉肉しいソーセージのホットドッグが気に入った様子だったからストック用に多めに購入した。
それからもフェルたちのお眼鏡にかなった屋台に寄りつつ屋台を巡る。
そして今度は……。
「ムコーダのお兄ちゃん、あれ美味しいそう!」
フェルに乗ったロッテちゃんから声が上がった。
「どこどこ?」
ロッテちゃんが指す屋台を見ると、人気があるのか人だかりができていた。
みんな木の器を持ち美味そうにスープだか煮込みだかを頬張っている。
「おー、人気店みたいだね。行ってみよう」
人垣をかき分けて屋台の前に進む。
「いらっしゃい。うちの煮込みはローセンダールで一番美味いよ~」
ローセンダールで一番とはずいぶんと強気なこと言うなぁなんて思っていると……。
「あ、お前たち……」
見覚えのある二人の少年。
「「師匠?!」」
「メイナード、エンゾ……」
俺が以前この街に来た時にトリッパ風モツのトマト煮込みを教えた孤児院の少年たちだった。




