第六百二十一話 お供え物の仕入れ(定期)
更新遅くなり申し訳ありませんでした(汗)
家族の体調が思わしくなくて病院に連れて行かなければならなかったりでバタバタしていてなかなか更新できませんでした。
検査の結果は大したことなかったので安心したものの、結果が出るまでは落ち着かなかったし執筆できる状態でもなかったのでお休みさせていただいていました。
なんかいろいろあって疲れ気味ですが、なんとかがんばります!
それから4月25日に『とんでもスキルで異世界放浪メシ 14 クリームコロッケ×邪教の終焉』が発売となりますのでよろしくお願いいたします!
『昼飯も美味かったのう。しかし、夕飯はもうちょっと肉肉しいこうガッツリしたものが食いたいものじゃ』
食後のリンゴジュースを飲みながら呑気にそんなことを口にするゴン爺。
先日の再びの酔っ払い事件の後、一日は落ち込んでいたけど、居直って忘れることにしたのか今じゃすっかり元気だ。
フェルとドラちゃんが揶揄うも『そんなことあったかのう~』なんて軽口をたたくくらいだし。
ま、そんなことはいいとして、俺は以前と同じ食欲全開なフェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイを相手にすることになっているというわけだ。
ゴン爺よ、もうちょっと落ち込んで食欲落ちてても良かったんだよ。
そんな食いしん坊カルテットを相手に毎回食事を作るのは大変。
そんなわけで時間のある時に作り置きを用意して、それを大いに活用しているわけなんだが、今日の昼飯に用意したコカトリスのジューシーそぼろ丼はゴン爺にとってはちょっと物足りなかったようだ。
「なんだよ、コカトリスのそぼろ美味かっただろ?」
『美味いには美味かったが、儂としてはガッツリしたものが食いたい気分だったんじゃ。皆はどうだったんじゃ?』
『お主に同意するのは癪に障るが、我もこうガツガツ頬張れる肉がいい』
『ま、これも悪くないけどどっちがいいって言われるとなぁ』
『スイはこれ好きだよ~。でも、大きいお肉はもっと好き~』
ぐぬぬ。
そぼろ丼だって肉だろ。
そして美味いだろうが。
「散々食っておいてなに言ってんだか」
『出された飯は食わんといかんじゃろ』
『今日は野菜も入ってないしな』
『まぁまぁ美味かったし』
『あるじー、おいしかったよ~』
チッ。
言いたい放題のみんなを横目にコーヒーをすすりつつネットスーパーを開いた。
「さてと、神様たちへの貢物の仕入れをするとしますか」
そうつぶやいて、昨日聞いたリクエストの品を見ていく俺だった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ええと、まずはニンリル様からだな。まぁ、言わずもがなの甘味ばっかりなんだけど」
ということで、ニンリル様御用達テナントの不三家のページを開く。
「お、新作のケーキが出てるな」
こういうのはいち早く『食いたい!』って言うだろうからな。
新作はごっそりポチっていく。
国産イチゴのドルチェと国産イチゴのチーズパイ、沖縄産黒糖モンブランと宇治抹茶のミルクレープ、国産イチゴのショコラタルト、炭焼きコーヒーのティラミス。
他にも今回の新作の前にでたものなのか、見たことのないケーキがチラホラ。
それもごっそりポチってぽいた。
あとは適当にカット―ケーキを選んでと。
あとはホールケーキだ。
定番のイチゴのショートケーキといろいろなフルーツがふんだんに飾られたフルーツケーキに隙間なくイチゴが盛られたイチゴがのタルトにした。
ニンリル様のことだからこれくらいないとね。
あとはニンリル様の大好物のどら焼き各種を。
今回も甘味が1か月保たずに甘味切れを起こしていたから、送った途端にニンリル様の奇声が聞こえてきそうだよ。
当然お顔は見たことがないけれど、なぜか奇声を上げて騒ぐ姿が目に浮かんで残念な気持ちになる。
「次行こう次」
ということで、次はキシャール様のリクエスト品だ。
こっちはキシャール様御用達テナントのマツムラキヨミのページを開く。
前にご所望されたアウトバストリートメントの効果の高さに『これは他の商品も絶対に試さなきゃ!』と意気込んでいるみたいで、気合を入れてリサーチした模様。
あれこれとブランドまで指定してきたよ。
形状も前回はオイルを送ったんだけど、今回指定してきた物はミルク、クリーム、オイルと様々。
いろいろ使ってみたいのは分かりますけど、使うのはせいぜい一日に一回くらいなんじゃないかと思うんですがね。
毎日そう何回も髪の毛洗わないでしょ。
こんなに頼んできたけど、全部使い終わるまでにどれくらいかかるのかわかんないぞ。
まぁ、他人事だからいいけどさ。
っと、あとはいつものST-Ⅲのシリーズ。
洗顔フォームと化粧水と美容液だって。
すっかり美容にハマって立派な美容オタクになってるよ。
これ以上そのオタク度に磨きがかからなければいいけどね。
「次はアグニ様だな」
今度はアグニ様の御用達テナントのリカーショップタナカのページを開く。
で、見に行くのは……。
「ビールビールっと」
なんか今回は下級神達との飲み会があるとかで、そこで振る舞う予定だからとにかく量が欲しいって話だった。
ボソッと『ここで美味い酒でも振る舞えば小言も減るし俺を敬うことになるだろう。フヒヒ』とかつぶやいてたな。
そう言うのは俺の聞こえないところでいってほしいんだけどさ。
ま、そういうことで量を重視とのことなので、今回は全部箱買いだ。
S社のプレミアムなビールとYビスビール、それからK社の黒い星のビールと定番化しているものはもちろんのこと、S社の季節限定のビール、A社のスーパー辛口な銀色の奴、K社のクラッシックな味わいのビールやらと買えるだけ全部箱買いだ。
かなりの大荷物になってしまったけど、まぁしょうがないね。
でも、これだけあればアグニ様も安心だろう。
「よし、次々」
次はルカ様の分だ。
こちらもいつもと変わらずアイス&ケーキをご所望。
今回はアイス多めとのことだったな。
ということで、まずはネットスーパーでアイスを物色。
こちらでは量を優先して、6本入りのものや大容量のものを購入していく。
ルカ様はバニラがお好きなようなのでバニラ味を中心にね。
そして、テナントの不三家ではお値段ちょい高めのアイスを。
こちらもバニラ味多めで。
あとは新作のケーキをいくつか購入したらOKだろう。
「で、次が問題の……」
昨日も酒酒酒と騒いでいたヘファイストス様とヴァハグン様の分だ。
ご所望は当然ウイスキー。
前回に引き続き高級ウイスキーのリクエスト。
やっぱり高いだけあって香りと味が段違いらしい。
大切に大切にとは思うものの美味過ぎて、結局一日で飲み干してしまったみたい。
お二人とも『次こそは……』なんて言ってたけど、結局すぐに飲んじゃうんだろうなぁ。
まぁそれはともかくとして、テナントのリカーショップタナカのページへと進む。
そして、ちょっとお高めのウイスキーのコーナーへ。
フムフムと見ていって今回選んだのはテネシーウイスキーの代名詞とも言えるウイスキーだ。
最良の樽を厳選して他の樽の原酒と混ぜることなく瓶詰めをしたという最高級品の箱入りウイスキー。
ま、おすすめで出てたのを選んだだけなんだけども。
あとはお手頃価格のウイスキーを限界まで購入していく。
けっこうな本数のウイスキーなんだけど、これを次のお供えまでには消費しちゃうんだよね。
あのお二人は。
そう考えると相当なというかとんでもない酒豪だよなぁ。
肝臓は大丈夫?
って、神様だから大丈夫か。
まぁとにかくお酒はほどほどが一番だよね。
おっと、次は最後。
「創造神様の分」
まぁ、デミウルゴス様には1か月っていう括りはないから、一週間程度ごとにはお供えしているんだけどね。
そうそう、前々回だかにいつもの缶つまの他にあたりめとかエイヒレ、チーズたらなんかの乾物おつまみも入れたんだけど、それが結構気に入られたみたいだった。
だから缶つまと乾物をおつまみに。
それから、今回はまた新たなおつまみとしてさつま揚げを入れておいた。
ちょっと焼いて醤油垂らしたら美味いんだよねぇ。
酒のおつまみにも最高。
特に日本酒には合うと思うから、多めに入れておいたよ。
あとはいつもの日本酒の飲み比べセットをいくつか。
それと従者の方用に梅酒も少々。
「フゥ、こんなもんかな」
すべてを調達し終えると、おやつの時間帯だった。
いつのまにか隣に来ていたスイが『おやつ~』と声を上げる。
「はいはい。今日はなにがいい?」
『うんとねー、さっきあるじが見ていたケーキがいい!』
「となると、不三家のか。新作のがあったから、それにしてみようか」
『うん!』
新作ケーキと聞いてスイもポンポン飛び跳ねてウキウキだ。
「それじゃあみんなで新作ケーキを食べ比べだ」
『おい、我はいつもの赤い実の載ったケーキも欲しいぞ』
『我は抹茶のが欲しいのう』
『俺はプリン!』
「はいはい、分かりました」
そして、みんなでいつものケーキと新作のケーキのおやつに舌鼓を打った。
ちなみに俺は沖縄産黒糖モンブランをいただいた。
黒糖の香ばしい甘みがなんとも言えず、お供の最近お気に入りのコーヒーとも相性抜群だった。
わちゃわちゃうるさい食いしん坊カルテットがいるから優雅なおやつの時間とはいかなかったけど、大変美味しゅうございました。




