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勘違い系○○  作者: 流音
第二章:高校生
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2-36加地君と先輩たち


いや~今日見に行った文化祭は最高に面白かったッス!

竜聖さんの想い人を見たくて行ったんッスけど、

俺は竜聖さんの色んな姿が見れてそれが嬉しかったッス。


竜聖さんの想い人の紗英さん。

名字は知らないッス!

彼女は俺が想像してた人とは全然違ったッス!

印象をまとめると…癒し系っていうんですかね?

なんか雰囲気が柔らかくて、誰かに優しくしたくなる

そんな感じの人ッス!!


竜聖さんが好きになるのも今日一日でよくわかったッス。


そして竜聖さんの昔からのお友達の翔平さん。

彼は要注意ッス!

どう見ても彼も紗英さんの事が好きッス!

また紗英さんと仲良しで、同じ学校なんて

竜聖さん不利すぎるッス!!

俺は竜聖さんの味方ッスから、できれば彼には振られてほしいッス!


まぁ、でも今日の竜聖さんの様子を見てたら心配はいらない気がしてきたッスけど…


お化け屋敷から紗英さんをお姫様だっこして

飛び出してきたときは驚いたッス。

王子様みたいで竜聖さんが輝いて見えたッス!

さすがッス!!

あのあと、紗英さんは我に返ってものすごく照れてたッスけど

俺的には脈ありなんじゃないかって思うッス!


接客に戻らなきゃいけないとかで、

紗英さんとはあの後別れてしまったんスけど…、

竜聖さんは送りたいそうで西城で紗英さんを待ってるッス!


本当竜聖さんは男前ッス!!


「なぁ、加地。竜聖さんのあの顔どう思った?」


美合先輩が夕焼け空を見て黄昏てるッス。


「あの顔って、どの顔ッスか?」

「バーカ。紗英さんといるときの顔に決まってるだろ?」

「ああ。」


俺は紗英さんに向き合う竜聖さんの顔を思い浮かべて

自然と笑顔がこぼれるッス。


「なんだか、竜聖さんが近くに感じたッス。」

「……だよなぁ~…。」

「俺、竜聖さんってもっと女の子には冷たい感じがしてたんだよなぁ~

板倉さんのときがそうだっただろ?」


相楽先輩はいつも冷静な目で見るからすごいッス。

言われてみれば、そうッスね。

板倉先輩のときはあんまり構ってなかったような…


「あずさのときと紗英さんに対してじゃ、元々竜聖さんの気持ちが違う気がするけどな。」

「あはは!それ分かるッス!!

今の竜聖さんは紗英さんにベタ惚れって感じッスよね?」

「初めて見たよ。竜聖さんのあんな顔。」

「…お化け屋敷っ…っふ…。」


美合先輩、俺と同じでお化け屋敷のときの竜聖さんを思い出したようッス。

あんなに取り乱した竜聖さんも初めてだったッスけど、

紗英さんを慰める優しい目は今も目に焼き付いてるッス。


「なんか竜聖さん見てたら、恋したくなってきた。」

「そうっッスね!ケンカも楽しいッスけど、やっぱり恋はいいッスよ!」

「……だな。」


あれ?美合先輩だけ、なんか遠く見てるッス。

もしかして好きな人でもいるんッスかね?


男三人並んでこんな話するなんて、昔の俺たちじゃ考えられないッス。

やっぱり竜聖さんが変わってきて、俺たちも影響受けてるのかもしれないッス。

美合先輩のこんな雰囲気が柔らかい姿も、いつも無口な相楽先輩が饒舌なのも、

なんだか昔より話しやすくてこのままでいて欲しいッス!


「ところで明日はどうするんだろうな?」

「あぁ、明日も文化祭続くんだよな?」

「このチケットって明日も使えるんスか?」

「二日目って部分があるから大丈夫なんじゃねぇか?」

「…じゃあ、明日も行くか?」

「じゃあ、竜聖さんには内緒で行きましょうよ!!

竜聖さんと一緒だと紗英さんとあまりしゃべれなかったんで!」

「…そうするか?」

「だな。」


俺たち三人は悪巧みを企む子供みたいに、顔を見合わせて笑ったッス。

秘密作戦みたいでワクワクするッス!


明日が今から楽しみッス!



番外編でした。

次から文化祭二日目です。

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