第65話 武闘会本戦 一日目
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いよいよ武闘会本戦が始まる。
本戦は七日間に渡って行われ初日が武術部門。二日目が魔法部門と交互に行われる。
七日目に決勝戦が行われ、その後優勝者とボクとの戦いがある。
国内各地から集まった予選突破者は武術部門、魔法部門共に三百二十名。
三百二十名は十六のブロックに分けられそれぞれのブロックでトップに立った者が決勝トーナメントに進める。
因みに誰が優勝するかの賭けも行われている。
ボクは賭けずに自重しておいた。
優勝者とは戦う事になるので変に疑われるのを避けたのだ。
出場者は賭けに参加するのを八百長防止のため禁じられてるしね。
「変に真面目だなぁ、お前。素直にもっと楽しめよ」
「素直に楽しめる要素が大分失われたので。だいたい武闘会の主催も賭けの胴元も国でしょう。魔王子のボクが賭けるのはよくないのでは?」
「ああ。不正を疑われるのを避けようって話だな?心配するな。わしが既に賭けとるからな。今更お前が賭けたところで何にも問題にならん!」
それはそれで駄目じゃね。
まあ既に手遅れっぽいしこれ以上は言わないでおこう。
「お父さんは誰に賭けたんですか?」
「ステファニアだ。カイエンと悩んだがな」
パパ上のその言葉に蒼白になるセバスンとセバスト。ボクも嫌だ。
「それはつまりお父さんから見てステファニアさんが一番強いと?」
「いや、そういうわけじゃねぇよ。確かにあいつは強いがそれで全てが決まるわけじゃない。相性や組み合わせ、運も絡んでくるからな。ただあいつの強さを知ってるから賭けただけだ」
それはやっぱりパパ上が知る限り出場者の中ではステファニアさんが一番強いということになるのではなかろうか。
これ以上問い詰めても安心出来る要素はなさそうなので観戦に集中しよう。
もう試合が始まる。
試合は会場を四つに区切り四試合同時に行われる。
その中で注目の第一試合は、クリステアだ。
対戦相手は知らない人だな。
槍を持った熊人族の大男だ。
「フンッ!」
試合開始と同時に大男が突きを放つ。
予選突破しただけあって鋭い突きだ。
クリステアはその突きにシールドバッシュで合わせる。
衝撃が腕に伝わり大男は槍を落としてしまう。
そして首に剣を突き付けた所で試合終了。
クリステアの勝利だ。
「あの姉ちゃん、強ぇぇ!」「美人だし胸もでけぇ!」
「応援するぞー!姉ちゃん!」
黙ってれば凜とした美人に見えるクリステアだ。
男性に人気で応援する人も多い。
しかし中身は残念な子だと知ったらどうなるやら。
それから少しの間知らない人達の同レベルの試合が続き。
出てきたのは王都の予選に出ていたオカマさんの棍棒使いだ。
対戦相手はあの仮面を付けた少女だ。
「むむ、仮面美少女剣士の登場ね」
「オカマ棍棒使いVS仮面美少女剣士。好カードね」
仮面の少女が美少女かどうかは置いておくとして。
この試合には興味がある。
「ちぇぇえい!」
試合開始後、お互いに様子を見ていたが最初に動いたのはオカマさんだ。
距離を詰め乱れ突きを放つ。
かなりの速さだが仮面の少女は全て躱す。
そしてオカマさんの攻撃が止まった一瞬に剣を一閃。
棍棒を切り飛ばしてしまう。
少女の勝利だ。
「ウオオ!あの嬢ちゃんも凄え!」
「見ろよあの剣!あの嬢ちゃんよりデカいぜ!」
「仮面とって顔見せてー!」
「仮面美少女剣士の登場だ!」
等の声が挙がる。
だから仮面してるんだから美少女かどうかわからんだろうに。
何故皆美少女と呼ぶのか。
少女は声こそ出さないがピースしたり手を振ったりして声援に応えている。
それから何故かボクのほうを向き胸を張ってピースしてくる。
ボクも何となくピースを返しておくと満足したのか、スキップしながら去って行く。
最初会った時は分からなかったが明るい子のようだ。
無口だけど。
「ジュン君、あの子と知り合いなの?」
「一応は。でもあの子とは一言も会話していないので顔見知りなだけです。あの子は仮面ですけどね」
「どこで知り合ったの?」
「ええとですね‥‥‥」
シャンゼ様に仮面の少女達と知り合った経緯を説明する。
ユウとアイ、父アスラッドや母エリザには報告済みだ。
「ふ~ん。それだけにしてはなんか懐いてない?あの子」
「それはボクには何とも」
「本当に?実はこっそり会って口説いてたんじゃないの?」
「してませんよ。顔も分からない相手を口説く趣味はありません」
「それならいいんだけどね」
「ところでシャンゼ様」
「なあに?」
「いい加減、太腿を撫でまわすの止めてくれませんか」
シャンゼ様が隣に座ってからずっと触られていたが、そろそろ止めてもらいたい。
「ダ~メ」
そうか、ダメなのか。仕方ない。
「ユウ、ちょっとこっち来て」
「え?何、お兄ちゃん」
近くに来たユウを背中を向けさせボクの膝に座らせる。
これで太腿は撫でれまい。
妹を膝の上に座らせるのもおかしな事ではない。
頭脳の勝利だ。
「あ、あ~!いいなぁ!それいいなぁ!」
「ちょっとユウ!代わってよ!」
「え、エヘヘ、エヘヘへへへ。代わらな~い」
シャンゼ様のセクハラは止まったが別の争いがおきてしまった。
そんないいものじゃなかろうに、膝抱っこ。
それから師匠とルチーナも勝ち。
ステファニアさんも勝ち残った。
一回戦は全て消化、二回戦目が始まる。
クリステアは二回戦目も難なく勝ち進み。
仮面の少女の出番がやって来た。
仮面の少女は会場に姿を見せるとまたボクのほうを見てくるが、今度は何だか怒っているようだ。
声を出さない代わりに全身で怒りを表現してるような。
何だろう?
「ユウを膝に乗せてるのが気に入らないんじゃないの?」
「そんなバカな」
「試してみればいいじゃない。ほらユウ、ちょっと降りてみて」
「え~」
文句を言いながらしぶしぶ降りるユウ。
ユウが降りると仮面の少女は「そーそー」とばかりに頷いている。
しかし、そこへ
「いただき!」
と、今度はアイが座るとまた怒りだした。
ちょっと面白い。
「ちょっとアイ!ずるい!」
「いいじゃない。交代よ交代。に、しても分かりやすい子ね、あの子」
「何で怒るのかは分からないがな」
「本当に何にもしてないの?」
「してないよ。名前も知らない」
本当にあの子がボクに興味を持つ理由がわからない。
「名前は分かるでしょ。出場者の組み合わせ表に書いてあるでしょ」
「いや、それがさ」
組み合わせ表をアイに見せる。
「謎の仮面美少女剣士ってなってるんだよ。誰かさんと発想が同じだな」
いるんだなあ。
同じような考えで実行に移す人。
「さ、さあー試合が始まるみたいだよ」
アイはちょっと恥ずかしいのかいまいち誤魔化しきれてない。
二回戦目もあっさりと勝った少女はこちらを見ると今度は何もせずにプイッとして去っていった。
それから三回戦目が終わったところで一日目は終了。
師匠、クリステア、ルチーナは三回戦突破。
ステファニアさんと仮面の少女も突破だ。
明日は魔法部門の試合開始だ。
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