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兄vs妹 1

レヴィ視点です。


活動報告に登場人物紹介を更新しました。

「どうですか、ハティ」


「ん〜…魔獣や動物はそれなりにいるけど…目的の魔獣がいるかはわかんない。でもマウンテンバッファローの匂いはしないよ?」


「リリーもおんなじですぅ」


「そうですか…ティナ達は何か見つけましたか?」


「何にもないのー」


「ま、そう簡単には見つからねぇよな」


 私達は今、エルムバーンの西方の街ワルデンから近い山に来てる。


 メンバーはノエラさん、リリーさん、ハティちゃん。

それからティナさん達。

ジュン様の親衛隊員のミースさん。

そして私。


 その目的はというと…


「まぁ直ぐに見つかるんじゃね?何せデカいんだろ?」


「マウンテンバッファローの変異種なら同じくらいデカいと思うのー」


「でも珍しい存在だし、この山は広いしね」


「山奥にいるなら今日中には難しいかも」


 マウンテンバッファローの変異種、グリーンマウンテンバッファローを討伐する為。

といっても、冒険者として依頼を受けたわけでもジュン様から命令されたわけでもなく。


 事の発端は昨日…





「な…な…何だこりゃ!?一体何があった!?」


「兄さん…すみません。少々失敗してしまいました」


「少々ってお前…大惨事だろ!」


 城の厨房から突然の爆発音。

慌てて私も厨房に来てみれば。

厨房の一角は真っ黒になった鍋や割れた食器や調理器具が散乱してる。


「何があったんだ…」


「今夜は私がジュン様に料理をお出ししようと思い、今から仕込みをしようとしたのです」


「…お前、ほんと料理は壊滅的に……あぁ!こ、これオレの包丁!」


「あ、はい。勝手に借りました」


「折れてるじゃねぇか!他にも…オレの調理器具、ほぼ全滅じゃねぇか!」


 包丁は全て真っ二つ。鍋は黒焦げ。

フライパンは穴が空いて…他のも折れたり曲がったり。

どんな使い方したんだろう…


「私は自分の調理器具なんて無いので」


「知ってる!何をどうやったらこんな事になる!何を作ろうとした!」


「先ずはサラダを…」


「待て待て待て!爆発したって事は火を使ったんだよな!?サラダを作ろうとして何故爆発が起きる!?」


「サラダは火を使わないんですか?」


「ほぼ使わねぇよ!」


 サラダを作ろうとして爆発…ノエラさんて料理に関してはポンコツ?

御茶を淹れるのは完璧なのに…


「もういい。ノエラ、お前は厨房に立ち入り禁止だ。今後一切料理を禁止する」


「な!ジュン様に禁じられるなら兎も角、何故兄さんにそんな事を!」


「この惨状を見れば当然だろうが!オレの調理器具も全部駄目にしやがって…全部高級品なんだぞ!」


「たかが調理器具じゃないですか。それに全部高級品?どれも簡単に壊れましたけど」


「お前の使い方がおかしいだけだ!」


 うん…例え安物を使ってても一度の調理でこうはならない。普通は。


「お前は料理の腕は絶望的なんだから!もう一生料理すんな!このポンコツメイドが!」


「なっ……い、言いましたね…ちょっと料理が出来るからって…」


「言ったが何だ!この惨状を前に料理が出来ると言い張るつもりか!」


「出来ますよ!いえ、今は出来なくとも…兄さんより美味しい料理を作ってみせます!」


「ハッ!無理だな!ぜっーたいに無理!なぁジュン様もそう思うだろう!?」


「え?あー…まぁこの惨状を前にはね…流石にノエラの肩はもてないかな…」


「ジュ、ジュン様まで…」


 様子を見に来たジュン様にも、流石にノエラさんの主張は無理があるみたい。

ジュン様だけじゃなく、周りにいる人全員同じ意見みたいだし…


「くっ…いいでしょう!なら勝負です!」


「は?」


「私と兄さん、どちらが美味しい料理を作れるか!私が負けたらお望み通り、私は一生料理をしません!私が勝ったらポンコツメイドと言ったのを取り消してもらいます!」


「いや…ノエラ。それは無謀と言うんじゃ…」


「更に!ジュン様には私と寝て貰いますからね!」


「な!何故ボクまで巻き込む!?」


「勝負は一週間後!良いですね!」


「…良いだろう!やってやる!その何処から来るかわからない自信を粉々にしてやる!後で泣くなよ!」


「兄さんこそ!自慢の料理で私に負けて泣かないようにしてくださいね!」





 と、いう事があったわけで。

ノエラさんとセバストさんが料理対決をする事に。


 そして…



「ティナ、ニィナ、ルー、クー。それにハティ、レヴィ。貴女達にお願いがあります」


「な、何ですか?」


「ノエラさんに改まってお願いされると何故か怖いですね…」


「多分、セバストさんとの料理勝負に関係あるんだろ?」


「でも、わたし達もセバストさんほど料理上手じゃないのー」


「料理を教えて欲しいわけじゃありません。貴女達には食材集めを手伝って欲しいのです」


「食材集め…ですぅ?」


「はい。あの時はああ言いましたが…真っ向勝負を挑んでも兄さんには勝てないでしょう。そこで兄さんにも用意する事が難しい…美味で有名な食材を集め、料理します。食材の差で料理の腕を誤魔化す……もとい、補うのです」


「「「「あぁ…」」」」


 だから一週間後にしたんだ。

正直、それ以前の問題だと思うけど…


「でも、何故私達に?ジュン様やクリステアさん達にも頼んだ方が…」


「今回は兄さんだけではなく、ジュン様も見返す必要があります。それに私達の勝負にジュン様の手を煩わせるわけにはいきません。ユウ様にアイ様も同様です。そしてクリステア達は…ジュン様が行かないとなると拒否するでしょうから」


「私達はいいんだ…」


 私達はノエラさんの部下だし、いいっちゃいいんだけど…セバストさんに悪い気も…


「勿論、御礼はします。それにジュン様には許可を貰いましたし、私達が不在中はシャクティとリタ達がジュン様のお世話をします。何も問題はありません」


「はぁ…わかりました」




 と、いうわけで。心配だからと付いて来たリリーさんも一緒に。

先ずはグリーンマウンテンバッファローの肉を手に入れる為、山に入ったわけで。


 因みにワルデンまではミースさんの転移魔法で連れて来てもらった。


「でも…ミースさんはいいんですか?セバストさんが好きなんですよね?」


「うっ…い、いいの。大丈夫…」


「ミースとは取引済みです。問題ありません」


「あれは脅迫…」


「何か?」


「い、いえ、何でも…」


 …一体、どんな取引したんですか、ノエラさん…


「兎に角。この辺りに居ないとなると奥に入るしかありません。進みますよ」


「「「「は〜い」」」」


 メイド七人と騎士一人。ハティちゃんは獣人の冒険者に見えるとして。

傍から見れば女だけの異様な集団に見えるだろうなぁ。


 ノエラさんがセバストさんに勝つ為の食材集め…上手く行くかな。

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