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第575話 神様の世直し 20

ユウ視点です

 百万人の騎士や兵士達…一番多いのはエルムバーンの騎士達。

次にダルムダット、フレムリーラ、ヴェルリア。

他にはヤーマンやグンターク、グリムモアにバルーク。

今までに私達が関わって来た殆どの国から騎士達が。


 見た事もない紋章を掲げた騎士団もいるし、私達が行った事もない国の騎士もいそう。

そして御丁寧に各国の代表者は私達の周りに集められてる…フレイヤと違って気が利くじゃない。


「…ジュン!ジュンは何処だー!」


「あっ!ユウ!アイ!貴女達は無事なのね?ジュンは何処!?」


「何処のアホ神か知らんがわしの孫に手を出すとはな!」


「死刑ね!裁判無しで死刑確定よ!」


「…落ち着いて!少しだけ待って!」


 普段ならお父さん達が怖いと感じただろうけど…今は同意としか思わない。

アイツは私達の逆鱗に触れた。


「ユウ!アイ!ジュン君は何処なの!?」


「シャンゼ様、落ち着いてください。敵は神以外にもいるようですから」


「はぁ!?落ち着いて居られるものですか!?」


「お姉様!あれ!アレを見て!」


「天使と…何でしょう?アレは…とても強そうな魔獣も居ます」


 シャンゼ様もキレてる。初めて見た。…意外にコルネリアが冷静ね。


「アイ…お前達は無事なのだな?」


「うん…ジュンは今、あそこに居るわ」


「あそこって…世界樹か?」


「という事は…此処はグリムモアなんですか?姉さん」


 ガウル様達も初めて見る完全フル装備ね。

流石はダルムダットの魔王夫妻。超高価そうな装備に見える…私達の装備に負けてなさそう。


「どういう事だ!世界樹様が何故此処に!」


「テ、テレサ様!?」


「御祖母様!?御祖母様が軍を率いて来たのですか?」


「ジュン殿には借りがあるからな。エヴァやシャルルも参加しようとしていたが、止めさせた。あの二人は国の代表だからな。その点、巫女を引退した私なら問題無い。そんな事より、どういう事だ?何故此処に世界樹様が?」


「わ、解りません。私達もエルムバーンから来たばかりですし」


 グリムモアから来たのは意外にもテレサ様。

数はそれほど居ないけど…精鋭騎士達を率いての参戦みたい。


「ユウちゃん、アイちゃん。状況を説明してくれるかしら?」


「此処は何処だ?ジュン殿はまだ無事なのか?」


「ユーグ陛下…お兄ちゃんの為に、ありがとう御座います」


「ジュンはまだ無事です。状況の説明は女神様がしてくれます」


 ヴェルリアからはユーグ陛下とアンナさんが聖騎士団と他の騎士団も率いて来てくれた。

次期国王のマークスさんにシルヴァン君は流石に来てない。


「ユウ殿!師匠はまだ無事なんですよね!?」


「ジュン様は何処なんですか!早く助けに行きましょう!」


 メリッサ達、お兄ちゃんの婚約者は勿論、エルムバーンに滞在中の他国の王族や貴族も全員来てる。


「ハニーは何処なんだ!ユウ!」


「早く行きましょう!」


 聖エルミネア教国からエルとミネア以外の参戦があるとは思わなった。

と言っても、宮廷騎士団と暗殺者集団の生き残りだけみたいだけど。


「大体揃ったようじゃの。では、わしが現状を説明する。時間が無いから一度しか言わん、心して聞くのじゃぞ」


「…ユウ、誰だこのガキ」


「落ち着いて話してる場合じゃないと思うんだけど!」


「…私も同じ気持ちだけど、話を聞いて。この子は一応女神様よ、女神フレイヤ」


「「は?」」


 フレイヤが例の声を世界中の人に聞かせる能力を集まった百万人にだけ届くように使う。

話の内容は大まかな現状とあの世界樹についてのみだ。

私とアイ、アイシスの関係。お兄ちゃんと初代魔王の事。

私達がフレイヤにエロースを探すように頼まれていた事なんかも省いた。


「世界を作り変える…その為に世界樹を新たに造った…ね」


「で、世界樹の化身のクローンに全て押し付ける、か。なるほどねぇ~ジュンちゃんが怒るわけだわ」


「そして、その作り変えには世界が滅びるかもしれないというリスクが伴う…全くふざけておるの」


「…今、ジュンは身体の自由を奪い返そうと必死に抵抗しておる。それがアヤツの計画を遅らせておるのじゃが…いつまでも保たぬ。急ぎジュンを助けに…あの世界樹の頂上までいかねばならん。じゃが…その為には…」


「あの天使達と巨人、そして黒猿をどうにかしなきゃいけない…その為に、皆の力を貸して欲しいの」


「言われるまでもないですよ、ユウ殿。世界が滅びるかもしれないとか、世界樹の化身の…クローン?とやらの為じゃない。親友のジュン殿を救う為に、戦いますよ。何せ私は勇者ですからね!」


「私もジュン君の友として戦おうじゃないか。ついでに世界が救われるなら、それに越した事は無いがね」


「…ありがとうございます」


 百万人全員がお兄ちゃんを救う為に来たわけじゃないだろうけど…転生してから今日までに関わって来た人、その殆どが来てくれてる。

エルムバーンの冒険者パーティー「ファミリー」や「フラワー」も居るし、アカード帝国の「フローレス」のミカエルさんも居る。

「結婚し隊」の連中も居るし…エルムバーンの…恐らくはまだ騎士にも兵士にもなってない学校の生徒なんかも居る。


 私達は…事前にバカ神の行動を止める事が出来なかったけど…これまでやって来た事は絶対に無駄じゃなかった。

お兄ちゃんがこの光景を見たら、きっと喜ぶ。

見せてあげたい、お兄ちゃんに。


「しかし…何故奴らは動かない?何故、こちらの準備が整うのを待っている?」


「あの者達は恐らく、こう命令されておる。『世界樹に近づく者のみ始末しろ』とな。こうして距離を取っておるうちはなにもせんじゃろ」


 私達、各国の代表が話合いをしてる間、騎士達は戦いの準備と布陣を整えてる。

ゴーレムや精霊、召喚獣を出し、後方では負傷者収容の為の陣地を構築してる。


 たった五分の準備時間で陣地を構成する為の物資を用意出来たのはエルムバーンの軍だけ。

魔法の袋に常備してるエルムバーンの軍だけ。百万人を収容出来るだけの陣地はとても作れないけど、それでも有ると無いとでは雲泥の差。


 そして陣地にて待機するフレデリカ達治癒魔法使い達。

五分で集めた即席の軍隊とは思えない充実ぶり。

これで後は敵を蹴散らして世界樹の頂上を目指すだけ…何だけど…


「あの天使達は一人一人がお主らの言う剣聖級…それ以上じゃと思って良いぞ」


「あの黒い猿は…神獣白猿を源に神が造った存在です。オリジナルの白猿には及ばないけど、そこら辺の魔獣よりずっと強いのは確かです」


「そしてあの巨人はママとマーヒさんに説明は要らないよね」


「ああ。だが前回のと違ってアイツらは知性が残っていそうだな」


「それを厄介と取るか重畳と取るか。知性が無ければこうして話合う余地は無かったしな」


「あの!フレイヤ様が言ったように時間がありません!早くジュン様の下へ行かなくては!」


「そうよそうよ!早くジュンを助けに行きましょうよ!」


「落ち着いてノエラ。お母さんも。私も今すぐにお兄ちゃんを助けに行きたい…でも、その為に犠牲が出ちゃ意味がないの。何故ならお兄ちゃんが絶対に悲しむから」


「それは…解るけど…」


「…ちょっと待って?ユウちゃん、貴女まさか…アレを相手に犠牲者を出さずに勝つつもり?」


「そうです。お兄ちゃんなら絶対にそうしようとします」


 此処にお兄ちゃんが居たら絶対にそうしようとする。

そして自分を助ける為に死人が出たとお兄ちゃんが知ったら。

自分の為に集まってくれたのは嬉しくても、結果死人が出たら…お兄ちゃんは悲しむ。

だから私達は誰一人として欠けちゃいけないんだ。

その為に最善を尽くす。

利用出来る物は何でも利用する。


「そりゃジュンならそうするだろうけど…」


『無茶とちゃうか?相手は神族やで?オマケもぎょうさんおるし』


「無茶かもしれないけど、無理じゃないわ。大丈夫、戦力はもうこっちの方が圧倒的に上よ」


 フェンリル一家も居るし龍王ホーリードラゴンもファフニール様も居る。

白猿達も居るし…決して不可能じゃない。


 お兄ちゃんの為に、誰一人として死なせたりしない!死なせるもんか!

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