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第574話 神様の世直し 19

ユウ視点です

「! 此処は!?」


「湖…あの湖の傍か!」


 取り敢えずは脱出出来た…でも、これからどうしたら…先ず、お兄ちゃんの居場所を確認しないと…それから…


「フレイヤ!聞こえる?お兄ちゃんは…エロースは今何処でどうしてる?」


『それよりもじゃ!その場からもう少し離れい!出て来るぞ!』


「出て来るって…」


「ユウ様!アレだ!湖から何か出て来る!」


「じ、地面がまた揺れてるよ!」


 そうか世界樹が!此処は近過ぎる!


「皆!急いで離れて!」


「ならMeに近付け!もう一回飛ぶぞ!」


 リヴァさんの転移で湖から距離を取った直後。

湖から世界樹が伸びて来た。伸びて来たけど…


「何か…オリジナルの世界樹よりデカくない?」


「うん…一回り大きいような…」


 そう言えばあのクローンも…オリジナルの化身より育ってた。だから世界樹の方も大きくなった?


「水…無くなっちゃったね」


「世界樹の成長に使われたのでしょうか?」


「そんな事はどうでも良いです!フレイヤ様!ジュン様はご無事ですか!?」


『…まだ無事じゃ。世界の改変が進んでおらん。ジュンが必死に抵抗しておる証拠じゃ』


「なら早くジュンさんを助けに行こうよ!」


「フレイヤ様!ジュンさんは何処に!?」


『世界樹の頂上じゃ。クローンと共に居る…』


 世界樹の頂上…既に雲よりも遥かに高い位置にあるけど…行かなきゃ!


「よぉーし!Meに乗れ!Meが本来の姿になれば、あっという間に…」


『残念だけど、そうは…行かない、よ!』


「この声…エロース!」


 こっちの事を監視してる…流石に抜け目無い!


『今、世界樹に、近付く者は…死を覚悟…して、もらおうかな!僕の眷族が居る限り、無事に通れないと、思って…いいよ!』


 喋り方がおかしい…お兄ちゃんが抵抗してるからだ、きっと…確かにお兄ちゃんはまだ大丈夫…まだ助けられる!

でも…


「天使…まだあんなに眷族が居たの…」


「アイ様、天使だけではありません」


「アレは…ネアンバルで戦った巨人…どうして此処に」


 天使が数百人、上空で戦闘態勢のまま待機してる。

そして地上には…どういう訳か知らないけど武装した巨人族が十人ほど。

そして黒猿が…千はいるのかな。

アレを突破しないと…お兄ちゃんを助けに行けない。


『驚いて、いるみたいだね』


『巨人族じゃと…まだ生き残りがおったのか!』


『世界の、要を探して、る時に偶然、見つけてね。巨人族の中、でも比較的に知恵が、ある、みたいだから、手駒、に加えて、おいたのさ』


「フレイヤ!手勢の準備はまだなの!?」


『ま、まだじゃ!まだ時間が掛かる!』


 どうしよう…どうすれば良い?

どうすればお兄ちゃんの下へ行ける?


「邪魔くさい!あんな奴ら、ウチが片っ端から倒してやる!」


「Meに任せろ!本気出せばあんな奴ら強引に突破出来る!」


「ダメよ。それをしたら残った私達は奴らに蹂躙される。」


「でも!早くジュンを助けに行かないと!」


「…行って、どうするの?」


「え?ユウ…何言ってるの?」


「そうだよ!ジュンを助けるに決まってるじゃない!」


「どうやって?お兄ちゃんを助ける…それは当然よ。でも、それにはお兄ちゃんの中からエロースを追い出す必要がある。でも、それって何をどうすれば出来るの?皆は知ってる?」


「それは…でも!此処でジッとしてるなんて無理!ウチは行く!」


「ダメよ!お兄ちゃんを助けたいなら、冷静になりなさい!」


「冷静!?ジュンが消えるか消えないかの瀬戸際なのに!?どうしてユウは平気なの!?」


「平気なわけないじゃない!でも!お兄ちゃんを助けるには冷静にならなきゃダメなのよ!」


 そう、平気なわけがない…でも激情に任せて突っ走ってもお兄ちゃんは助けられない。


『…そうやでマスター。アイはんも』


『相手は神なんだよ?無策で突撃してどうにかなる相手じゃないよ。眼に見える範囲に居る敵が全てとは限らないしさ』


「……ごめん。少し頭冷やす…」


「うん…」


 そう、相手は神…神に対抗するにはこちらも相応の力が必要…この時の為に準備はしていたけど…お兄ちゃんが居なくなっただけでこんなにも出来る事が限られてしまうなんて。

…神…神に対抗するにはやっぱり…


「フレイヤ、貴女ならお兄ちゃんの中からエローズを追い出せる?」


『…可能じゃ。じゃがそれにはわしもその世界に顕現する必要がある。じゃが…依代が…』


「私を使いなさい!私にも依代になる才能があるんでしょ!?」


 お兄ちゃんの名前が神代だったから、神の依代になる才能が刻まれたというのなら。

私だって同じ才能が刻まれている筈。私だって…


「ちょ、ちょっとユウ様!?神様の依代になった者は…いずれ負荷に耐え切れず死んじゃうんですよね!?」


「わかってるわ!でもお兄ちゃんを救うにはそれしかないの!その代わり、必ずお兄ちゃんを救って!出来るわよね!?」


「ユウ…」


「ユウ様…」


 お兄ちゃんを救う為に私を投げ出す必要があると言うのなら。

私はそうする。そこに躊躇いなんて無い。躊躇う理由が無い。


『ユウ…お主…ええい!わしも腹を括るわい!』


「え?アレ?ちょっと?」


 突然、目の前で人の形に光が集まりだしたと思ったら…出て来たのは…フレイヤ?


「フ!女神参上!」


「「「「………」」」」


「ちょっと…どういう事?あんた依代無しに顕現出来たの?出来るならなんでもっと早くやらないのよ…」


「アヤツに出来る事がわしに出来ない筈無いじゃろ!今までやらなかったのは禁忌だからじゃ!神が二柱も依代無しに顕現しては世界にどんな悪影響が出るかわかんからな。じゃが…もはやそんな事は言ってられん。世界が滅んでは意味が無いからの」


「…?お待ちを。貴女が女神フレイヤ様なのは何となくわかりますが…仮に女神エロースの…世直しですか?それが成功すれば世界が滅びる事は無いという話では無かったですかな?」


「成功すれば、な。成功すればあのクローンが不幸になるだけで済むじゃろう。じゃが成功したらしたでどんな影響が出るかわからんし、勿論、失敗したらどうなるかわからん。そして…わしは成功率は低いと見ておる。そんな危ない賭けを黙って見ておるわけにはいかんのじゃ。この世界は奴の玩具では無いからの」


 …私の悲壮な覚悟は一体…ううん、そんな事よりも!


「なら早くお兄ちゃんを助けに行って!」


「わかっておる。じゃが先ずはアヤツらをどうにかする必要がある。その為には戦力が必要じゃ」


「え?そんなの……神様が何とか出来るんじゃ?」


「フレイヤ様は御強いのではないのですか?」


「出来るか出来ないかで言えば出来る。じゃがあまり力を使うと世界に与える影響が大きすぎる。後々の事を考えればそれは得策では無いのじゃ。エロースと戦う事も考えれば力を温存しておく必要もある」


「では…どうされるので?」


「あんたや他の神々の眷族の戦力は用意出来たの?」


「まだじゃ。じゃから……この世界の戦士達の力を借りる」


「この世界の?」


 この世界の戦士達って…そりゃ借りる事が出来れば心強いけど…この場に居ないし、どうするつもり?


「こうするのじゃ…わしは女神フレイヤ!この世界に生きる者達よ!聞いて欲しい!」


 もしかして…前にエロースがやったように世界中の人に声を?でもそれだけじゃ……


「今、この世界はある愚かな神によって危機に瀕しておる!そして世界を救う為にエルムバーンの魔王子ジュンが必死に戦っておる!じゃが…このままではジュンは死ぬ!そうなればこの世界はどうなるのかわからん!じゃから…お主らの力を貸して欲しいのじゃ!今から五分で戦いの準備をして欲しい!五分後、此処へ来て貰う!急いで欲しい!時間が無いのじゃ!」


 此処へ来てもらうって…転送させる事が出来るの?世界中の人をこの場に?


「ちょっと…本当にそんな事出来るの?出来るならなんでもっと早くやんないのよ」


「世界中にわしの声を届かせるのはこの世界に顕現してないと出来ん。神界からやっても聞く力が無い者には届かん。それに神が世界中の人間に世界が危機的状況にあると報せるなど…パニックを招きかねん。出来る事ならやりとうなかった」


「で、でも…世界中から此処に人を…転移させる…のですか?本当に?」


「それって…とても大きな力を使うのでは?」


「その通りじゃ。じゃから……おい!アフロディーテ!聞いておるんじゃろ!」


『聞いてるし、見てるわよ。無茶な事したわね、フレイヤ』


「あ、ママ!」


「ママ?リヴァさんのママって…」


「アフロディーテ!イシュタルやアトロポスにも言って手伝わせい!何をやればいいかは解っとるじゃろな!」


『はいはい。こうなったら仕方ないものね。そこで待ってなさいな』


「うむ!五分後じゃぞ!」


 他の神々にも言って転送を?どれだけの人が来てくれるか解らないけど…それなら……


「…そろそろ五分じゃ。アフロディーテ達の問にYESと答えた者は転移して来る筈じゃ」


「って…来た来た!」


「お、おお!エルムバーンの各領地の騎士団に兵士達!」


「ジュン様の親衛隊に魔王様の親衛隊も居ます!」


「それから…ヴェルリアの騎士団も居るよ!」


 他にも…ダルムダットやフレムリーラ、ヤーマンやバルーク…神獣達も居る!


『これで全てよ、フレイヤ。総勢約百万人。それがその世界を救う為に集まった戦士達よ』

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