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第564話 神様の世直し 9

 世界樹の根元がある部屋を出て更に奥へ。

…に、行く前に。まだやらなきゃいけない事があるようだ。


「ご主人様、アイツらが来たよ」


「数は…今までで一番たくさんですぅ」


 どうやら正規ルートで待ち伏せしてたメイド型アンドロイドが全てこちらに向かって来てるらしい。


「今度はこっちが待ち伏せと行こうか。あの扉から入って来たら一斉攻撃。扉から世界樹まで距離があるから爆発しても影響は無いだろう。遠慮なくやろう」


「「「「はい」」」」


 ほどなくして、アンドロイドが扉を開けなだれ込んで来る。かなりの数がいるようだが全部入って来るまで待つ気は無い。


『侵入者を確―――』


「攻撃開始だ!」


 ニ、三体入った所で攻撃開始する。

やはりバカ丁寧に宣言してから攻撃しようとしていたが当然無視だ。


 待ち伏せは成功…なのだが。

少しばかり嫌な気分になる。というか、ちょっと怖い。

何故なら…


「な、何なの!あたし達の攻撃なんてお構いなしに入って来るよ!」


「目の前で仲間がどんどん死んでいるのに…恐怖を感じ無いのでしょうか?」


 まだメイド型アンドロイドに慣れないエミリエンヌさんとシャンタルさんは特にそう感じるようだ。


 戦争を経験し何度も魔獣と戦っているボク達でさえ、アンドロイド達の行動は異常に見える。


 恐怖を感じる心という物が無いアンドロイドだからとわかってはいても、人の姿をしたそれが躊躇い無く突撃して死んで…いや、破壊されていく様は異常に見える。

アンドロイドに対する知識がまるでないノエラ達にはもっと異常に見えるだろう。

ノエラやクリステアでさえ、表情にそれがアリアリと見てとれる。


「前から思ってましたが、彼女達には考える力という物は無いのでしょうか」


「所詮はゴーレム…いえ、アンドロイドでしたか?所詮は作り物という事でしょう。無策で突撃し続けるなど…もし指揮官がいるなら無能ですね」


 違った。呆れてるだけだった。

だよね、君達ハート強いもんね……ん?


「お?ちょっとは頭を使いだした?」


「そうかな…単に盾を持った奴の順番になっただけじゃない?」


 十数体倒してから。

例の機動隊が持ってそうな盾を構えたアンドロイドが入って来た。

あの盾の材質は何か知らないが魔法に対しても抵抗力が高いらしい。

ボクの攻撃魔法…下位の火属性の魔法だが防いでいた。


「おー…ゾロゾロと入って来たよ。どうする?」


「やる事は変わらないよ。ゴーレムを盾にしつつ各個撃破だ」


「ご主人様!反対側からも来るよ!」


「こっちもいっぱいですぅ!」


 おっと。本当に頭を使いだしたらしい。

それとも…バカ神が指揮を執りだしたか?


「主!こっちはMeに任せろ!蹴散らしてやるぞ!」


「ウチもそっち行こうかな。ハティとアイシスとバルトハルトさんもこっち行こ。接近戦の方が好きでしょ」


「うん!行くー!」


「そうしようかな」


「お供しますぞ」


「…気を付けて!」


 あちらも数は多いが…あの五人なら問題無いだろう。

リヴァさん一人でも充分に倒せそうだが、念の為だ。


「とはいえ。挟み撃ちにされるなんて状況は面白く無いから…こっちはサクっとケリを着けるとしようか」


「何かやるの?お兄ちゃん」


「うん。ちょっと試してみたい事が出来た。ぶっつけ本番だけど」


 結界魔法をメイド型アンドロイド達を囲むように展開する。

但し入口の扉は塞がない形で。


「え?ちょっと、ジュンさん?」


「どうして敵を守るのですか?」


「すぐわかりますよ」


 今回使った結界魔法は外からの攻撃を防ぐ物では無く。

中から外へ出る事が出来ない…言うなれば結界の檻だ。

当然、ロケット弾やミサイルなんかも防ぐ。

ガドリング砲の弾丸も結界内跳ね返る訳で。


「おー…自滅して行くね」


「ぶっつけ本番にしては上手く行ったなあ。 名付けて魔法の牢獄(マジック・プリズン)ってとこかな」


「…ぶっつけ本番って…今、此処で思いついた魔法を新しく作って成功させたって事?」


「凄いのですね…ジュンさんは」


「ジュン様が凄いのは当然の事ですが…まだ来ますね」


 まだ来るのか…本当に多いなぁ。既に五十体は破壊した筈だが。


『おい、急いだ方がいいぞ。お主らの侵入はバカにはとっくに伝わっておるんじゃ。アヤツが本格的に手を打つ前に辿り着かんと厄介な事になりかねんぞ』


「というと?」


「何かあるのですか?」


『奴には神族の手下が残っとる。一階に居た生産・製作に特化した奴らじゃのうて、今度は戦闘用に特化した奴らが来るぞ。今、お主らが相手にしとる奴らと違って頭も使う強力な戦闘能力を持たされた奴らがな。その状況で襲われては厄介じゃろう?』


「それが解ってるなら早いとこ援軍を送りなさいよ!」


『わ、わかっとる!今大急ぎで準備させとるわい!』


 戦闘能力を持たされた神族、か。

…どうしてだろう。その言葉に少しばかり引っ掛かりを覚えるのは。

何か、何かこう…


「ジュン様?どうかされましたか?」


「あ、いや…何でもない。急いだ方が良さそうだし、追加戦力を出すよ」


「追加戦力?」


 最上位精霊を三体召喚した。火の精霊イフリート、雷の精霊サンダーバード、土の精霊ノーム。

そしてスピリットソードを七つ。今はこれが限界だが…アンドロイドの相手をさせるには十分な戦力の筈だ。


「凄い…最上位の精霊を三体も同時に呼び出せるなんて…」


「ん。私には無理」


「あの剣の形をした物はスピリットオーブですか?」


「あんなのいつの間に作ってたの?お兄ちゃん」


 そう言えばスピリットソードを見せたのはリヴァさんだけだったか。

最上位精霊を呼び出すのも戦闘では初めてかもしれないな。


「凄まじいものですね…最上位精霊の戦闘力とは」


「でも、それならどうして今まで使わなかったんですか?」


「最上位精霊を呼び出すのは魔力消費が激しいんだよ。最上位精霊一体に付き、一割の魔力が消費される。最上位精霊三体とスピリットソードに消費した魔力で四割近く消費しちゃったんだ」


 自慢じゃないがボクの魔力量はかなり多い。

そのボクの魔力を一割も消費するのだから他の人はもっと割合が大きい。

エミリエンヌさんが最上位精霊を呼び出す事が出来たとして一日二体が限度だろう。

その分、能力は抜群に高いわけだが。


「こっちは精霊達に任せておけばいいだろう。で、アッチはどうだ?」


「もう終わったよ、ジュン」


「まだ後から来るかもしれないけど。取り合えず来てた分は倒したよん」


「Meが居れば敵無しだ!」


 反対側から来てたアンドロイド達も問題無く撃破出来たようだ。

精霊達はまだ戦っているが、問題無いだろう。


「さて、先に進もうか」


「はい。では進みます」


 再びゴーレムに先行させつつクリステアを先頭に奥へ。

追加のメイド型アンドロイド達が来た扉の向こうは廊下で平坦。

下に降りる坂にはなってないし、階段も見当たらない。

左右に幾つかの部屋が並んでいて一番奥の突き当りには大き目の扉がある。


「部屋を調べますか?ジュン様」


「…ちょっと待って……探査魔法は阻害されてる。リリー、ハティ」


「中から物音はしないですぅ」


「匂いは…よくわかんない。でも何となくあの島の遺跡で嗅いだ匂いに似てるような…」


「それってどんな匂い?」


「えっとぉ~…あのお猿さんを見つけた部屋の匂い」


 …白猿兄を見つけた部屋の匂い、か。

という事は此処でも魔獣の研究か何かをしてるのか?


「…調べない訳にも行かないか。クリステア」


「はい。開けます」


 扉の向こうには神族やメイド型アンドロイド達は居なかった。

そしてハティの言う通り、中には魔獣が入った容器が並んでいた。全て同じ魔獣だ。

いや、魔獣では無いのか。


「これは…」


「ヤバいね。イヤなモノ見ちゃったなぁ」


 中に入っていたのはさっき倒したばかりの番猿、黒猿。

その幼体が並んでいた。

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