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第541話 神の名 1

「お久しぶりです、ジュン殿」


「お久しぶりです、ダーバ王子。あ、いや、ダーバ陛下」


「王子で構いませんよ。呼び捨てでも。私達は友人なんですから」


 バカ神の研究施設で神獣白猿兄を救出した二日後。

マークスさんの結婚式に参加するダーバ王子一行を迎えに来ていた。


 白猿兄は既に家族の下へ帰っている。

嫁探しが全く出来なかった事や、捕まってボク達に迷惑を掛けた事を聞いた白猿夫婦は息子を鍛え直す事にしたようだ。今頃は絞られてる事だろう。

レッド・ベヒモスを見て気絶した事は黙っておいた。

せめてもの情けだ。


「それで、そちらの女性は?ノエラさんが一緒なのはいつもの事ですが…また新しい女を増やしたんですか?」


「またって何ですか…違います。この子は新人親衛隊員です。長距離転移が出来るようになったので今色んな場所に連れてって、転移出来るようにしてるんですよ」


「は、初めまして、ダーバ陛下。ミースと申します」


 ミースは長距離転移魔法「ワープ」の取得に手古摺っていたのだが世界樹の実を食べ紋章を手に入れた事で解決した。

彼女が手に入れた紋章は『空の紋章』。空間魔法に高い適性を与えてくれる紋章だ。

ボクが「ワープ」の習得を期待してるのに中々応えられずにいたのを悩んでいたらしい。

それが影響してドンピシャな紋章を手に入れたのだろう。

だが、それでも魔法陣無しでの長距離転移は難しいらしく、魔法陣の補助が不可欠。

そこでユウお手製の魔法布に魔法陣を描いた物を常に持ち歩いている。

それで漸く、一度に五人程度までなら長距離転移が可能になった。

それでも今までボクしか長距離転移出来なかった事を考えると大助かりだ。

今後は彼女にお迎えを頼む事が増えるだろう。


「お久しぶりです、ジュン様」


「お久しぶりです、オリビアさん。御元気そうですね」


「はい。音楽会以来ですね。次の音楽会はいつですか?私、とても楽しみで」


「ありません。次は必ず阻止してみせます」


「え。何故」


 あんな拷問は二度と御免です…絶対に阻止しなければ。


「それにしても…まさかマークス殿の結婚式の方が先になるとは。どうして急に予定が変わったのか、知ってます?」


「知ってますが…マークスさんが理由を伏せてるなら、ボクからは言えませんね」


 まぁ…デキちゃったからとは言えないか。自分から広める事でもないし。


「ところで…オリビアさんはもしかして…」


「あ、気付きました?実はそうなんですよ」


「はい。二人目です」


「それはおめでとうございます」


「アハハハー!神様から頂いた祝福もありますからね!安産間違い無しですし、これからもバンバン作りますよ!」


「いやだ、お兄様ったら」


 頑張るなぁ。此処に来る前にグンタークに行ってフランコ君とクローディアさんを迎えに行ったが…クローディアさんのお腹も結構大きくなってた。

フランコ君とクローディアさんに至ってはまだ十八歳なのに子供が二人目…必要に駆られてでもあるんだろうけども。


「マルちゃん達もお久しぶりです。学校と病院は順調ですか?」


「お久しぶりです、ジュン様」


「学校も病院も順調ですよ~」


「何も問題無いです…今のところ…」


「……」


「ほほほ。そちらも御壮健で何よりですのぅ」


 マルちゃん達は変わってない。彼女達は確かマルちゃんが今年二十歳、ターニャさんが二十一歳でカトリーヌさんが十九歳か。

ターニャさんは相変わらず十四、五歳の少女にしか見えない…っと、ゴードンさんには頼みたい事があったんだ。


「ゴードンさん、もし宜しければ今度親衛隊員に槍の稽古をつけてもらえませんか。短期間で構いませんから」


「ほっ?わしに稽古を?」


「ええ。うちには『槍聖の紋章』持ちはいませんから。バルトハルトさんも模擬戦はしてくれていますが、槍の指導は専門外ですし。報酬はお支払いします。あ、例の林檎酒も付けますよ」


「ほっ!ならばわしとしては断る理由はありませんな。よいかな、ダーバ坊」


「ダーバ坊はやめろって爺さん…構いませんよ、ジュン殿」


「有難う御座います」


 これは『槍聖の紋章』持ちが居ると知ったナターシャからの頼まれ事だ。

彼女も世界樹の実で新しい力を手に入れてはいたが『剛槍の紋章』はそのまま。

もう少しで何か掴めそうな気がする。そこで『槍聖の紋章』持ちに稽古を付けて欲しいとの事だった。


「い、いいなぁ~爺さん。わ、私達も久しぶりにエルムバーンに遊びに行きたいな~ねぇ、カトリーヌ」


「そうねぇ…エルムバーンの料理が恋しくなって来たのは確かねぇ」


「…ジュン様のお菓子も食べたい…」


 何だろう?マルちゃん達の様子が…ああ、何だかんだでマルちゃん達もエルムバーンに長く滞在してたからな。

イーノさんやシャンタルさん達ともそれなりに仲良くなってたみたいだし、他にも友人が出来ていても不思議じゃない。

久しぶりに会いたいんだろう。


「構いませんよ。今年も夏のバカンスに例の島へ行きますし。その後からゴードンさんと一緒に滞在されますか?ブロイドさんも如何です?」


「…よろしく頼む」


「良かったなぁ、お前ら。頑張れよ」


「わ、わかってるわよ…」


「私は自信ないわぁ。頑張ってね、ターニャちゃん」


「…カトリーヌが一番可能性があると思う…」


「何の話です?」


「ジュン様が人気者だという事です」


「ア、アハハ…た、大変ですね、ジュン様」


 よくわからんが…次はアカード帝国だな。

今回の結婚式にはジリオ殿とサンジェラさんは不参加らしい。

理由は…


「体調は如何です?サンジェラさん」


「大丈夫です。大事を取って結婚式には参列出来ませんが…」


「サンジェラは今が大事な時期だからな。無理はさせられん」


 サンジェラさんもオメデタだった。

妊娠七ヵ月。目立つお腹になっている。


「だがジュン殿。海に行くのは楽しみにしている。私もサンジェラも海は初めてだからな。それはそうと…」


「何です?」


「ジュン殿はサンドーラの王女二人と何かあったのか?末娘のベルナデッタ殿を婚約者にしたのは聞いているが」


「…何故でしょう?」


「私と第一王女マルグリット殿との婚約だがな?私はサンジェラを正妃にしたい。だから婚約の破棄を申し出たのだが…あっさりと受け入れられた。拍子抜けするほどにな。此方が勝手な事を言ってるのだから、向こうの要求は可能な限り受け入れるつもりだったのだがな」


「何でも、あの二人はジュン殿を見返すと言って息巻いているそうですが」


「そうですか…御忠告有難う御座います」


「いや、別に忠告したつもりは…」


 めんどくさいなーあの二人。

明日の結婚式には勿論サンドーラ王家も招待されているが…出来るだけ関わらないでおこう。

レオさんにガードして貰おうかな。


 次はバルーク帝国へ。

バルーク帝国はヴェルリア王国と同盟関係では無いし繋がりは無いのだが、ダンテさんとアルテアさん夫婦を海へ誘った所、ならば結婚式にも参列するとの事だった。


「久しいな、ジュン君」


「お久しぶりです、ジュン様」


「お久しぶりです。御二人共御元気そうで何よりです」


「うん。エルミネア教国が大改革を行っている影響で私も忙しいが…特に問題も無くやっているよ」


「そうですか…でも夫婦円満そうで何よりです」


「何かな…その含みのある笑顔…」


「?」


 とても秘密の正妻がいる事を隠してるとは思えません。

と、言いたいのはグっと堪えた。あんまし人の事言えない気もしたし…


「ところで…アルテアさんはもしかして?」


「あ、はい…」


「なに、問題は無いさ。アルテアは強い子だ。まだそれほど目立つお腹でもないしね」


 もっと強そうなサンジェラさんは大事を取って欠席ですけどね。

しかしグンターク・ヤーマン・アカード・バルークと。ヴェルリアも含めて五ヵ国の王女が妊娠か。

目出度いのは確かなんだが…凄いベビィラッシュだな。

その全ての夫婦に関わってるというのがなんとも…


「ああ、そうだ、ジュン君」


「何です?」


「ドネール王国の十二人の王女だがな。どうも君を狙っているらしいぞ」


「狙ってる?命をですか?」


「まさか。君の妻になる事を、だよ」


「姉妹全員纏めて娶ってくれる人を探していて、ジュン様がそうだと決めたらしいです」


「そんな勝手に決められても」


「ならばドネール王国には近づかない事だ。流石にエルムバーンには簡単に行けないだろうからな」


「そうします」


 十二人の姉妹を纏めて娶るとか…そんな事出来る人居るんだろうか。

少なくともボクには無理。絶対に無理。あの人達は悪い人だとは思わないが…エジェオが義弟になるというのも考え物だし。


「…そろそろ行きましょうか」


「うん。よろしく頼むよ」


 これでボクが迎えに行く面子は揃った。

 明日はいよいよマークスさんの結婚式だ。

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