第45話 オークション 2
いつもありがとうございます。
応援のほどよろしくお願いします。
できれば評価もしてやってください。
「それで結局どうすんだ?」
「単純な手で行くことにしました」
今日はオークション当日だ。
王都にある会場で行われる。
そして今は、ギルドマスターと話をしている。
「単純な手?」
「オークションに参加した中で怪しい奴に尾行を付けます」
「怪しい奴全員にか?」
「全員にです」
「大丈夫かよ?犯人に繋がってる奴なら警戒もしてるだろう。半端な尾行じゃ見つかって始末されちまうぞ。大体、尾行に適した技術をもってる奴、そんなにいるのか?」
「その辺りは心配無用です。その為の準備はしました。ギルドマスターには通常通り警備に雇った冒険者を指揮してほしいとの父からの伝言です」
オークション会場は国営なので国の兵士が警備しているがそれだけでなく冒険者を警備に雇っている。
ギルドマスターはその冒険者達のまとめ役、指揮者としてここにいる。
「俺には通常通りやっとけって事か。了解だ。じゃあ俺は行くぜ」
「はい、よろしくお願いします」
話を終えてギルドマスターは仕事に戻る。
ちなみに父アスラッドは今は騎士団を率いて王都と王都周辺の警戒に動いている。
今日、この場で直接的な行動に出るとは思えないが神獣のドラゴンを襲うような連中だ。
常識は通じないだろう。
「お兄ちゃん」「ジュン」
ユウとアイがやって来た。
どうやら時間が来たようだ。
「お兄ちゃん、時間だよ」
「迎えに行くんでしょ」
「うん。じゃあ、まずはダルムダットから行くよ」
神獣のドラゴンの素材がオークションに掛けられると聞いてダルムダット夫妻とシャンゼ様がオークションに参加するから迎えに来いと連絡があったのだ。
「おう、来たか。ジュン」
「アイも元気そうでなによりだ」
「お久しぶりです。ジュン様」
「みなさん、お久しぶりです」
「久しぶりパパ、ママ」
ダルムダットに転移してガウル様達から迎えられる。
オークションに行くのはダルムダット夫妻にクオンさん。
それから護衛の三人。それからもう一人。
「ほら、ジーク。挨拶だ」
「はい。お久しぶりです、義兄さん、姉さん」
アイの弟、ダルムダットの第一魔王子ジーク君だ。
確か今は五歳。大人しい子だ。
「久しぶりだね。ジーク、元気だった?」
「はい。姉さん」
時折、アイを連れてダルムダットに戻って来てはいるのだが
離れてて暮らしているためかどこかぎこちない。
「久しぶりジーク君。魔法の訓練は順調?」
「はい、義兄さん。また今度、指導して下さい」
ジーク君とは会うたび魔法の指導をお願いされている。
といっても訓練の様子を見てアドバイスするくらいだけど。
でもそのかいあってかボクとの仲は良好だ。
アイも決して仲が悪いわけではないけど。
もう少し仲良くなるために一度どこかへ遊びに行くのもいいかもしれない。
「クオンさんもお久しぶりです。病院のほうは順調ですか?」
「はい。今日は御休みを頂きました。他の者もジュン様に会いたがっていましたが、あまり一度に大人数で休みは取れませんので今回は私のみです。みなジュン様によろしく言ってました」
「そうですか。いずれダルムダットの病院を見学したいと思いますので、その時はよろしくお願いします」
「はい!その時を楽しみにしてます!」
話はそこで一先ず終わらせオークション会場の貴賓室に案内してから
次にフレムリーラに転移する。
「来たわね。こんにちはジュン君」
「遅かったじゃない、ジュン」
「お疲れ様です。ジュン様」
フレムリーラで待っていたのはシャンゼ様とコルネリアさんとユーファさん。
それから護衛の女性騎士五人だ。
護衛の人達は暗殺未遂事件の後、エルムバーンに派遣された護衛の中にいた人達だ。
護衛のプロなんだろうか?
「こんにちは、みなさん。準備は大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。早速行きましょう」
ここでの挨拶があっさりしてるのはオークション当日までの間に
犯人を捕まえる為に必要な準備をフレムリーラで行っていたからだ。
その準備をシャンゼ様達にも手伝ってもらっていたので最近はよく会っていたのだ。
フレムリーラで泊まった時には身の危険を強く感じたが・・・
シャンゼ様達を連れてオークション会場へ戻る。
そしてシャンゼ様達も同じく貴賓室へ向かう。
向かうのだが・・・
「あの・・・そんなにくっつかなくても・・・」
「あら。婚約者をエスコートするのは当然でしょ?」
「男なら黙って案内しなさい」
左右からシャンゼ様とコルネリアさんに腕を組まれる。
背後にはユーファさんが付いて来ているがその距離も近い。
ここ最近はずっとこうで非常に困る。
シャンゼ様はともかくコルネリアさんとユーファさんは一体どうしたのか。
「あの貴賓室に着いたのでくっつくのはここまでにしてください」
「あら、もう着いちゃったの。残念」
ようやく離れてもらって貴賓室に入る。
貴賓室には母エリザも来ていて客人の相手をしていた。
「あらジュン。おかえりなさい。シャンゼちゃん達もお久しぶり」
「ただいま。お母さん」
「お久しぶりです。エリザ様」
シャンゼ様に続き、コルネリアさんも母エリザにダルムダット夫妻達にも挨拶している。
ユーファさんは同じ訓練生だったクオンさんと話をしている。
しばらくは歓談に興じてもらう。
せっかくだからボクも入ろう。
「みなさんは今回のオークションで何か狙っているものがありますか?」
オークションにでる品物は事前に告知されている。
とはいっても品目だけでくわしい内容は当日までわからない。
「私はドラゴンも興味あるけれど、欲しいのは世界樹の枝ね。いいマジックワンドの素材になるのよ」
世界樹。
日本でもよくファンタジー物に出て来た巨大な樹だ。
この世界では魔道国グリムモアに存在する。
世界樹を守るのはやはりエルフなのだ。
その世界樹の枝は他国に出回る事は少ない。
今回のオークションのもう一つの目玉だ。
「うちはドラゴンの素材だな。あれで武具を作れば一生使えるぜ。将来ジークに作ってやるのさ」
「ああ、かなり強力なやつが作れるだろう。ジュンも売らずに自分の武具を作ろうとは思わなかったのか?」
「あのドラゴンはボク一人で仕留めたわけではないので。みんなで分けれるように売るのが一番だと思いまして」
「ああ、そうか。なるほどな。そういえばフェンリルの一家が城で暮らしてるんだったか?」
「全く、神獣フェンリルの一家が暮らす城なんてな。うらやましいぜ」
神獣のドラゴンには劣るかもしれないがフェンリルの力は強大だ。
今も王都周辺に眷属の狼を連れて警戒に当たってくれている。
実に頼もしい。
「ジュン様。そろそろ会場のほうに。アスラッド様は既に会場で情報収集にあたっておられます」
セバスンが迎えにきた。
時間が来たので行くとしよう。
「じゃあ、みなさんよろしくお願いします」
「ああ。では行くか。ガウル、わかってるな」
「ああ、わかってるよ。ジュンだけでなくアイも危険な目に合わされたんだ。きっちり礼をしねえとな」
「任せてジュン君。御話しは得意なのよ」
ガウル様達にはオークションの参加者達から情報を集めてもらうべく協力を頼んである。
一国の代表たる魔王達だ。話かかければ会話にくらい応じるはずだ。
ちゃんとエサに食いついてくれるといいのだけど。




