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第253話 家出王女 7

パメラ視点です。

「ユウさん、何処へ向かうんですか!?」


「先ずはお兄ちゃんと合流しましょう!そしたら転移で逃げれるから!」


「でも!ジュンさんの居場所は分かるんですか!?」


「冒険者ギルドに居る筈です!」


「ですから!その冒険者ギルドの場所は分かるんですか!?」


 私達はまだ、この街の冒険者ギルドに行ってないから、ユウさんにも分からないんじゃ…


「大丈夫!こっちからご主人様の匂いがするよ!」


「ん。ハティが言うなら大丈夫」


「じゃあハティ!誘導して!」


 ハティさんは神獣フェンリルでしたね。

狼なら匂いで追跡出来るでしょう。

何とかなりそうです。


「うん!…あれ?」


「どうしたの、ハティ?」


「知ってる匂いが近付いて来る…この匂いは…シャクティとリディアかな?」


 シャクティさんとリディアさんはジュンさんと一緒に冒険者ギルドに向かったはず。

それがこっちに向かって来るという事は…


「ジュンさん達にも何かあったんでしょうか?」


「…そうかもしれません。ハティ!先にシャクティとリディアの方に向かって!」


「はーい!」


 暫く走っていると…前方からシャクティさんとリディアさんが走って来ました。

走っているという事は、やはり何かあったのでしょうか?


「あ、ユウ様!」


「よかったです、直ぐに見つかって。でも、どうして此処に?」


「話は後!先ずは走って!お兄ちゃんは何処?」


「あ、はい!冒険者ギルドです!こっちです!」


「案内しますわ!」


 冒険者ギルド…ここから、どのくらいあるのかしら…


「パメラ様?大丈夫ですか?お辛いようですが」


「クリステアさん…大丈夫…いえ、かなり辛いです…」


 運動不足ですね…体力の無さを痛感してます。

帰ったら体力トレーニングをしましょう…


「でしたら、私の背に。鎧が痛いかもしれませんが、堪えてください」


「は、はい。すみません…」


 クリステアさんは私より小柄なのに…私よりずっと力持ちで体力もあるみたいです。

ジュンさんの親衛隊なだけはあります。


「それで二人とも。何があったの?」


「はい、冒険者ギルドでベルナデッタ王女と思しき二人組を発見。接触しました」


「ですが、直ぐにこの国の騎士に見つかって…襲われたので一時的に逃走。私達を使いに出して、ジュン様達は王女殿下と一緒に、冒険者ギルドに戻って部屋を借りて待機するそうです」


 なるほど。冒険者ギルドから逃げ出したのに、冒険者ギルドで隠れてるとは思わないでしょうしね。それにしても…襲われた?ベルを捕まえようとしたのではなく?


「ユウ様達はどうしたんです?」


「私達もこの国の騎士に襲われたのよ」


「ん。無理やり何処かへ連れてかれそうになった」


「おかしいですねー」


「私達も、王女殿下と一緒にいただけで襲われましたし。騎士のする事ではありませんわ」


 やはり、何かがおかしい。

短い間しか、この国には居ませんでしたが、それでもこの国の騎士がそんな事をする騎士では無い事は知っています。

一体何が…


「あ、あれは…」


「カタリナさんの斑ね」


 カタリナ達は…何も無かったみたいね。

慌ててる様子も無いし、追われてもいない。


「どうかしたのか?そんなに走って」


「あれ?シャクティとリディアはジュンの斑でしょ?何でパメラ様の斑に?」


「話は後!走りながら!」


「え?あ、ああ。分かった!」


「ユウ様!何があったのですか!」


「簡単に言うと、襲われたの!私達と、お兄ちゃんの斑が!だから合流するの!」


「何だと!?」


「ジュン様!」


 あ、ノエラさん速い…私ではあれに追いつくのは無理ね。

でも、ノエラさんは冒険者ギルドの場所を知ってるのかしら?


「パメラ姉さん、誰に襲われたんだ?というか、怪我でもしたのか?」


「ううん、体力が保たなかっただけ…襲って来たのはこの国の騎士よ」


「何?どういう事だ?」


「私にも分からないわ。でもベルが何か知ってるはず。急いで合流しましょう」


「うむ。しかし、こういう時の為の魔法道具があるだろう。ユウ、連絡は来てないのか?」


「あ。ずっと走ってたから…て、丁度、連絡来てる!」


『ああ、ようやく繋がった。ユウ?今何処?』


「お兄ちゃん!今は冒険者ギルドに向かって走ってる!」


『走ってる?やっぱり何かあったのか?』


「うん!そっちの事はシャクティとリディアから聞いた!」


『そっか、二人とも合流出来たか。なら冒険者ギルドの二階に部屋を借りて待機してるから。そこに来て』


「わかった!」


 よかった、ジュンさんが大丈夫ならベルも大丈夫でしょう。


「て、こっちにも来た!はいはい、ジュン?」


『ああ、アイシス?今何処?ずっと繋がらなかっけど、何かあった?』


「大丈夫!大した事は無かったよ!今はユウ達と一緒にそっちに向かってる!」


「いや、中々に大変だったろう。運がよかっただけで…」


『全くやで』


 ユリアさんとルチーナさんも頷いてますし、そちらも何かあったんですね。


『ああ、ユウ達と一緒なんだ。あ、もしかしてアイ…レティシアさんの斑も一緒?』


「え?ううん。一緒じゃないよ」


『そっか。もう一回連絡してみるよ。それじゃ』


「うん。後でね!」


 レティシア達にも何かあったのかしら…無事だといいのだけど。


「まぁアイ達なら大丈夫でしょ。剣聖級が三人も居るんだし」


「そうね。セバストも強いし…むしろやり過ぎてなきゃいいけど」


 そうだといいのですが…あら?あれは?


「見えて来ました、アレが冒険者ギルドです」


「でも…何でしょう?あの人集りは」


 冒険者ギルドの前に沢山の人が…何やら歓声が上がってますね。


「すみません、通してください」


「はいはい、ごめんね。って、アレは…」


 人の輪の中心に居たのは倒れ伏した騎士達と…レティシア達?

ノエラさんも居ますね。


「あ、ジュン?ごめんね、ちょっとバタバタしてて。ううん、大した事は無かったよ。うん、うん…わかった。直ぐ行くね」


 どうやらジュンさんと連絡が付いたようです。

でも、この有様は一体…


「アイ?派手にやったみたいね」


「あ、ユウ。まぁね。ちょっと頭にきちゃった。ジュンを殺すとか言うからさー」


「…そっか。なら、殺されても文句は言えないね」


 ジュンさんを殺す?

どういう事…やはりまともな状態じゃ…


「でしょ?そっちも何かあった?」


「うん。後で話すよ」


「うん。パメラさんはどうしたの?怪我でもしたの?」


「あ、いえ…クリステアさん、もう大丈夫です。下ろして下さい」


「はい」


「レティシアはどうしたんだ?何故うずくまってる?」


「もうダメ…もう走れない…吐きそう…」


「運動不足だな。情けないぞ」


「それだけじゃないわよ…あの四人に付いて行くのがどれだけ大変か…カタリナ姉さんもやってみなさいよ…」


「いや、すまん。止めておく」


 それは私には無理ね。

ここまで走っただけでも偉いと思うわ、レティシア。


「どけどけ!」


「道を空けろ!」


「あ、私達を追ってた連中が来たみたい」


「おかわりね。皆、まだやれる?」


「無論です、アイ様」


「私は走ってただけですから」


「私達もです」


「あの…殺さないで下さいね?」


 あの騎士達はやはり何処かおかしい。

正気じゃないのなら、殺してしまうのは…


「わかってます、パメラさん」


「虫の息殺しに抑えますから」


「む、虫の息殺し?」


 大丈夫かしら…というか、そこの騎士達も生きてるんですよね?

不安です…

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