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第130話 思わぬ人から新情報

「せぇやあ!」


「メーティス!」『わかっとる!』


今、目の前ではアイとアイシスが手合わせの最中だ。

アイシス達をノヴァアレクに送った後はボク達もエルムバーンに帰り、しばらくは休む事になった。

年が明けて成人の祝いも終わった。

成人の祝いでは父アスラッドが祝いの言葉を述べ、新成人の代表が挨拶をした後パーティーになる。

今年はボクが代表の挨拶をすることになった。

魔王子だから代表になるというのはどうかと思うのだが。


で、年明けから数日過ぎたのでアイシスは口うるさい父と兄から逃れる為にエルムバーンに来ている。

バルトハルトさん、フランコ君、セリアさんも言ってた通り来ている。


バルトハルトさんには親衛隊の訓練とボクとアイの手合わせをして貰っている。

剣士の指導しか出来ないと言ってはいたが、剣士以外の者も模擬戦はしてくれていた。


フランコ君は王都にある治癒魔法使い育成施設に通っている。

ボクが教えても良かったのだが断られてしまった。

最初の頃よりは打ち解けられたと思うのだが。


セリアさんはのんびりと自主訓練している。

あとは城の図書室で魔法に関する本を読んだり、ハティと遊んだりしている。

この二人、意外と気が合うらしい。

偶に王都の外にも出ているみたいだ。


そしてアイシスはひたすら手合わせを繰り返している。

ボクとアイだけでなく、親衛隊とも。

最初にアイと手合わせした時に判明したのだか、アイシスとメーティスとの息がまるで合っていなかったのだ。

メーティスは剣であるが人格がある。

実戦も最後にしたのが千年以上前。

更にコンビを組んだのが前マスターのランバのみ。

それでいきなり戦闘では、息が合わないのも仕方ないと言えた。

アイシスもメーティスが魔法を使えるとしか分かってなかったので、どう頼っていいのかわからない。

お互いがお互いを知らなさ過ぎたのだ。

この場面ではどうして欲しいのかどう動くのか、お互い全く分かっていなかった。

そこでひたすら手合わせを繰り返す事になった。

但し勇者の紋章は使用禁止で。

そうじゃないと親衛隊の大半は相手にならないし、装備が破壊されてしまう。

メーティスとの連携訓練が主目的なので、訓練用の剣を使う訳にもいかなかった。

そんな訓練を続けて一週間。

今では大分息が合って来ている。


親衛隊も剣聖と勇者との訓練でかなり成長したようだ。

特にリディアとカイエンの二人。


リディアは新たに『鉄血の紋章』という特殊紋章を獲得した。

これは身体を鋼鉄並に硬くする紋章で、使いこなせば最終的に生身でアダマンタイトに匹敵する防御力を得る事が出来る。

シンプルではあるが、それ故に欠点がない。

技術も向上してるし、もしスピードが上がる紋章でも獲得したなら。

彼女は親衛隊最強になれるかもしれない。


カイエン師匠は遂に双剣豪の紋章が変化。

『双剣地聖の紋章』を獲得した。

双剣使いが目指す、剣聖の紋章に並ぶ上位の紋章の一つ。

一つ、というのは双剣の紋章には上位の紋章に三つのタイプがあるらしい。

カイエン師匠から聞いたのだが、『双剣地聖の紋章』が防御に重きを置いた剣術の紋章らしい。

攻撃に重きを置いたのが『双剣天聖の紋章』。

そしてもう一つのタイプは師匠も知らないらしい。

何でもかなりレアな紋章らしく、よく知られていないのだとか。

双剣使いは数がそれほど多くもないので、仕方ないのかもしれない。

ユウの賢者の紋章で調べてもらえばわかるかもしれないが、何となくやめておいた。

獲得できる上位の紋章は当人の個性にある程度左右される。

知ってしまう事で、個性が死んで上位の紋章を獲得出来ない気がしたのだ。




そうして、冬の間は休暇と訓練の日々が続き。

今日は毎年恒例になりつつある、ギンの故郷にある温泉に入りに来ている。

面子はいつものメンバーに、フェンリル一家。

ギンと、ギンと同じくこの村が故郷のタマモさん達。

更に今年は勇者パーティーの面々に加え両親も来ている。

流石に人数が多いので、ギンの実家ではなく宿に宿泊している。

宿は貸切で夕食は宴会だ。


「ジュン殿、ありがとうございます。私達まで招待して頂いて」


「いえ。バルトハルトさんには親衛隊の訓練で御世話になってますし、楽しんでください」


「はい。しかし、ジュン殿の親衛隊は強いですな。かなり鍛えられてるようで」


「バルトハルトさんにそう言ってもらえると。彼らも喜ぶと思います」


実際、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんに鍛えられて強くなっている。

それでもアイシスには紋章を使われたら相手にならないのだが。


「ジュン、ここの料理美味しいね」


アイシスは鍋料理が気に入ったようだ。

ヴェルリア王国には箸を使う文化がないらしく、最初は戸惑っていたが直ぐに使いこなしていた。

皆は一人用の鍋が配られているのだが、アイシスのみ五人用の鍋で食べている。

現在2ラウンド目だ。


「料理は美味しいし、温泉は気持ちいいし。何も言う事ないね」


「そう言えば、アイシスはお酒は飲まないの?」


「ん?ん~…僕はお酒を飲むとね…」


「飲むと?」


「アイシスはお酒を飲むと、脱ぎだす」


「何と」


「ちょっとセリア。もう少し言葉を濁して…」


「事実」


「そうなんだ。とろこでアイシス、この水美味しいよ」


「…ジュン、そんな雑な手に乗らないよ。それお酒でしょ」


「あ、バレた?」


まぁ本気でやったわけじゃない。

飲む前に止めるつもりだった。

ほんとだよ?


「やはり、ジュン殿は女癖が悪いのではないか?そう思われても仕方ない行動だろう?今のは」


「本気で飲ませるつもりだったわけじゃないよ。フランコ君は治癒魔法の訓練はどう?」


「問題無い。直ぐに貴方に追いついて見せる。だが…あの育成方法を確立したのは本当に貴方なのか?」


「ボクだけじゃないよ。ユウとアイも手伝ってくれたし。それに今の育成施設の土台を作ったに過ぎないし」


「そう、か…」


「どうかした?」


「何でもない。招待、感謝する」


何だろう?ちょっと気になるな。


「ジュン様、楽しんで頂けてますか」


「ああ、村長さん。はい、毎年有難うございます」


「いえ、こんな温泉しかない村に来て頂いて…感謝するのはこっちです」


「確かに、娯楽は少ない」


「おい、セリア」


「温泉と美味しい料理で僕は満足だけどねー。これ以上開発はしないんですか?」


「これ以上村を大きくするには山を崩さないと難しいですから」


「山を崩すと何か不味いのですかな?」


「この辺りの山は神獣白猿様が守る地でして。山を荒らす行為は白猿様の怒りを買う事になりますので」


「へぇ~神獣がいるんだ。どうしてその神獣…白猿はこの辺りの山を守ってるの?」


「そりゃ自分のテリトリーだからじゃないの?」


「そうですな。大昔から住んでおられれるようですし。古い言い伝えでは大昔の勇者に何かを守るように頼まれたらしいですぞ」


「「「え?」」」


それってもしかして、勇者の遺物の情報?


「どうかされましたか?」


「村長さん、その話は本当ですか?」


「その話?言い伝えの事ですか?さぁ…言い伝えがあるのは確かですが、それが真実かどうか迄は」


「他に何かその言い伝えに関する情報はありませんか?もしくは他の詳しい方は?」


「さて…ありませんな。他の村の者も同様の事しか知らんでしょう」


「そうですか…」


そうなると…どうするべきか。

動くには少々情報が不確かだけど…。


「どうする?白猿に会いに行く?」


「そうですな…確認すべきでしょう。目と鼻の先のようですし」


「そうだね。どうせ他に情報も無いんだし」


「二人がそう言うなら、私に異議はない」


「私も」


決定かな。

せっかくの休みだけど、明日にでも神獣白猿に会いに行こう。

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