第109話 新装備
「アハハ!楽しい~これ!」
アイが新装備を試しているのだが、凄く気に入ったようだ。
実に楽しそうに、ハイテンションで試している。
今日は前回、ステファニアさんとシルヴィさんに頼んだ皆の新装備が完成したので、受け取って試しているのだ。
今回は数が多いので城の練兵場で試している。
「アハハ!速い速い!」
アイの新装備の一つ。ジェットブーツだ。
ブーツに風魔法を発動する能力を付け、移動速度と蹴りの速度を上げている。
ミスリル製でブーツとしては多少重いが軽量化の魔法も付与しているので問題ない。
また、壁や天井に張り付く事も可能だ。
「よし!次はこれ!いっけー!ロケットパーンチ!」
アイのもう一つの新装備。
ミスリル製のガントレットにオリハルコンを少量混ぜた物。
腕の部分と拳の部分が分離可能で風魔法で飛んで行く。
ただし、某スーパーロボットと違い自動で戻って来て装着される機能は付与出来なかったので有線式だ。
しかし、有線式である為に高い所に引っ掛けて巻き上げて昇る、という使い方も出来る。
また、拳を発射せずに風を噴射する事も出来るので打撃力も上がった。
防具の方は日本の格闘ゲームに出て来そうな、中国の女武闘家のような服と言えばいいのだろうか。
魔法布製で魔法抵抗力が高く、裏地にロックバードの羽毛を使用。軽くて頑丈。各種耐性能力も付与してある。
「お兄ちゃん!見てみて!」
ユウも新装備のテスト中だ。
ユウはいつぞやの運動会で見た地面を凍らせて魔法でスケートシューズを作って走っている。
ユウの新装備もアイと同じくガントレットとブーツだ。
ただしユウの装備は魔法発動の補助機能が付いた物で特定の魔法だけ発動する物ではない。
ボクも出来るがユウも足で魔法を使う事が出来るのでこの装備になった。
アイのブーツと同じように風魔法を足で発動して移動速度を上げたり、ガントレットでは魔力で作った盾や剣を出したりもしてる。
実に器用に使いこなしていると思う。
防具はアイと同じで色とデザインが少々違うだけだ。
「ジュン様、有難うございます。素晴らしい武器です」
「気に入ったならよかったよ。大事にしてね」
「はい。これで必ずジュン様を御守りします」
ノエラの新装備は二本の短剣と魔法道具のイヤリングだ。
短剣には特に特殊な能力は付いていない。
ただアダマンタイト製なので頑丈さは折り紙付きだ。
イヤリングに付与された魔法はインビジブル。
インビジブルバードの透明化能力をボクが魔法で再現。
それを付与してある。
「ああ、ノエラ。そのイヤリングを使ってボクの寝室に忍び込んだり御風呂に入って来るのは禁止ね」
「そ、そんな…せめて一度使ってから禁止に…」
やはり考えていたか。
ノエラに持たせるのは危険だったかな。
でも能力的にはノエラなんだよね。
「ジュン様、ありがとよ。すげえ気に入ったぜ」
「うん。セバストも気に入ったなら何より」
セバストの新装備は鉤爪と魔法道具のピアスだ。
アダマンタイト製の鉤爪には爪の部分を有線で飛ばす機能がある。
ピアスには他人の気配や視線等を感じる感知能力を上げる魔法が付与されている。
姿が見えない敵を発見してもらう為に用意したのだ。
これでノエラの悪巧みも防止してもらいたい。
「ジュン様、これ凄いですぅ!百発百中ですぅ!」
リリーの新装備は弓と腕輪だ。
弓はミスリル製の魔法弓で、魔法の矢を撃つ事が出来る。
魔法の矢はある程度、曲げたり上げたりと誘導する事が可能で、普通の弓では有り得ない軌道で矢を飛ばす事が出来る。
魔力が続く限り矢を放て、弦を張れば普通の矢を飛ばす事も可能だ。
腕輪には飛行魔法が付与されている。
リリーは飛行魔法が使えないので用意した。
これで空からも射撃が可能になった。
「ちょ、ちょっと怖いですぅ。高いですぅ」
慣れない内は怖いよね、飛行魔法。
ボクもそうだった。
ところで…
「スカートのまま飛ぶ時は注意したほうがいいよ、リリー。見えてるから」
「え?きゃー!」
リリーの下着は意外にも黒。
リリーももう十八歳だし、いいのかな。
「ジュン様、ありがとうございます」
「私達の武具まで…本当にいいんですか?」
「うん。気にしないで。他の皆にもいずれ何か贈るから」
クリステアとルチーナにも新装備を用意した。
親衛隊では二人と隊長のカイエンにのみだが、二人は何だかんだで一緒にいる事が多く、冒険にも付いてくるので用意したのだ。
特別扱いになるが、他の親衛隊にもいずれ何か用意するので勘弁してほしい。
クリステアの新装備はアダマンタイト製の剣と盾。それにネックレスだ。
剣と盾には特別な能力は無い。
ネックレスには傷と体力が徐々に回復するヒーリング効果を付与してある。
ルチーナの新装備はアダマンタイト製の戦斧とミスリルとアダマンタイトの合金製の小盾。
それにクリステアのと同じネックレスだ。
小盾は鏡面仕様になっており、『フラッシュ』という目眩し効果のある光属性の魔法を発動できる。
武闘会の時のようにシールドソーサーとしても使えるようにしてある。
カイエンにはアダマンタイト製の双剣だ。
今、試し斬りをしているが中々良さそうだ。
あとクリステア達と同じネックレスを贈ってある。
このネックレス、魔法付与はボクがやるし、それほど高価でもないので親衛隊にはこれを贈ろうかな。
『ご主人様、ありがとー。とっても軽くて動きやすいよ!』
ハティにも装備を用意した。
ハティの武器は自分の牙と爪なので防具を用意した。
身体能力を強化する魔法と軽量化の魔法が付与されたミスリル製の防具だ。
胸当てと手足に装備されてる。
この防具の凄い所は、ハティが人型になっても自動でサイズ修正されて問題なく着れる所だ。
地味に凄い能力だと思う。
「ジュン様、ありがとうなの!」
「これで前より戦えるぜ!ありがとな!あ、いや、ありがとうございます!」
「「有難う御座います、ジュン様」」
「うん。これからも頑張ってね」
ティナ達にも新装備を用意した。
ティナとニィナにはノエラと同じ短剣を。
ルーとクーにはセバストと同じ鉤爪を。
そして四人お揃いのイヤリングを。
イヤリングには四人の間でのみ使える魔法通信の機能がある。
お互いの位置もわかるようになってるので、四人が離ればなれになる事はないだろう。
因みに四人は十三歳になって背も同じくらいの155cmくらい。
少し大人っぽくなった。
「ジュン様、いい物を有難うございます」
「うん。シャクティのそれ、相変わらず凄いね。ボクにはどうやってるのか全然わかんないな」
シャクティの新装備はアダマンタイト製の金属糸と指輪。
糸は打ち込み用の人形を切り裂き粉々にしたり、空中に持ち上げたりしてる。
一体どうやってるのか、さっぱりである。
指輪には周囲を明るくする、あるいは暗闇にする光と闇の属性魔法が付与されている。
彼女は光属性と闇属性が使えないので用意した。
皮手袋をしてるので指輪じゃなく別のアクセサリーを提案したのだけど、指輪で押し切られた。
左手の薬指にはめてるけど、婚約指輪じゃないからね?
あとはボクの防具だが、愛用のサーコートの補修とサイズ調整。
裏地にロックバードの羽毛をあつらえた。
これはボクとユウ・アイだけでなく全員の服や防具に施した。
ロックバードの羽毛はまだまだあるのでこれも親衛隊全員に贈ってもいいかもしれない。
あと、肩・胸・腕・足にも軽量化の魔法を付与したミスリルとアダマンタイトの合金製に少量のオリハルコンを混ぜた物で作った防具を用意。
これで装備に関してはほぼ問題ないだろう。
装備だけなら世界トップクラスの冒険者とも張り合える自信がある。
装備も整ったことだし、実戦テストを兼ねて冒険者ギルドで依頼を受けるとしよう。




