18モフ目
お読みいただきありがとうございます
PV50,000超えました。ありがとうございます
急激にブックマークが増えて驚いています
今後ともモフモフをよろしくお願いします
米だ!醤油だ!日本食だ!
おはようございます。昨日は田植えが終わったばかりの水田を見て舞い上がっていました毛皮丸です。
着いた時間が遅かったから宿に飛び込みご飯を注文。
魚の開きの定食がうまかったとです。
魚の【鑑定】を忘れるくらいテンション上がってました。
この宿は従魔不可だったために今は一人で麦飯とろろ定食を堪能中です。
炊き立てのご飯にかかったとろろの白さと醤油の味がもう、たまらんっ。
一緒に出たとん汁も、好みの白みそ仕立てで最高だね。
さあ、堪能したところで店を回るとしますか。
「ありがとうございましたー」
ふはははは。買いも買ったり、種もみ20kg、精米2俵120kg、赤みそ白みそ10kgずつ、醤油白醤油10kgずつ、料理酒みりん10kgずつ、種用大豆20kg、豆腐まであったぜこんちくしょー!
それでいてベルトリスで稼いだ分の半分も使ってないとか。
「兄ちゃんすまんな、ちょいとどいてけろ」
「あ、すいません」
いかん。テンション上がりすぎて農道のど真ん中をふさいでた。
慌てて脇にどいて荷車が通れるようにする。
通っていくの丘さんの列を見ていると、何か奇妙なものが列に混ざっているのに気付く。
稲わらパペット
テイム済み
稲わらで作られた人形。細かい作業はできない。丑三つ時のお供にどうぞ。
案山子パペット
テイム済
案山子がモンスター化した。細かい作業はできない。
何か新しい情報が見えてるな。
農家のおっちゃんたちの従魔かな?
しかし稲わらパペット。ぶれない運営だよな。
ぽーん
おっと、モフナーからか。
『やっほー、今何してる?』
『聞いて驚け!米と醤油を手に入れた』
『うそ!どこで!?』
『三つ目の町、ってか規模的に村だな』
『もうそんなとこまで行ったの?』
『米が喰いたいがために!』
『あ、そっか。食べたいよね』
『そこで相談なんだけど。【料理】とか取ってない?』
『あるけど?』
『こっちに来て何か作ってくれない?』
『自分で取る気は?』
『ない!』
僕に料理をやらせようだなんてそんな恐ろしいこと。
『はぁ、しょうがない。何日かかかるよ?』
『待ってる』
『はぁーい』
メッセージが切れる前から僕の右手は握られている。
料理人ゲットだぜ。
【料理】を覚えられるモンスターをテイムするのも急務だな。
さて、ギルドでも行きますか。
「ぼろっ」
それがここの冒険者ギルドを一目見た僕の感想だ。
コンビニの半分もない粗末な掘立小屋。
掲示板はなく、木造の壁に依頼表が直接張られている。
ざっと見ただけで、畑の手伝いが多いな。収穫、草むしり、水やり、耕し、柵作り。
ん?柵作り?
柵作りの手伝い募集
畑に設置する魔物よけの柵を作ります
経験者優遇
てぃんと来た。
【木工】はできるし、魔物よけってことは街の結界と似てるんじゃね?ってことは【儀式】の熟練度、上げれるんじゃね?
決まりだな。
「すいませーん。これ受けたいんですけど」
受付は残念なことにおっさんだった。
おねーさんにしとけよコンチクショウ。
「はいはい。経験はありますか?」
「経験自体はないけど、【木工】と覚えたてだけど【儀式】もある。魔物よけの術式そのものは無理だけど、手伝いくらいならできるかなと」
「おお、それはありがたいです。よろしくお願いします」
さくっと受理されてギルドからでると、そこには人形がいた。
およそ60cmくらいの布製。ジンジャークッキーみたいなシルエットといったらわかってもらえるだろうか。
ぽてぽてと歩いて、あ、転んだ。
フェルトパペット
パッシブ
フェルトで作られた人形が魔力で動き出した。戦闘能力はほとんどない。
「すいませーん、大丈夫ですか?」
「えっと、はい」
パペットが来た方向から走ってくる女の子。起き上がる前のパペットを踏みつける。角があってもこもこしてるから羊の獣人か?
「すいません。人形がモンスター化してしまって。処分しなきゃいけないんですけど、逃げ出してしまって」
「よくあることなの?」
「200作って一つくらいでしょうか」
ふむ。
「処分ていうのは?」
「魔法で焼却処分です。ごわーーーーっと」
火炎放射みたいなのをジェスチャーで見せてくれる。
「それ、くれない?」
「え?」
「なんとなーくだけど、テイムできる気がする」
「ああ。試してみます?」
しゃがんでパペットに手をかざす。
「聞いてたな?受け入れないと焼却処分だぞ?」
緩慢ながらも必死になって頷くパペット。
うむ。状況は理解してるな。
「脅してテイムってありですか?」
「本人納得してるしいいんじゃない?そんなわけでテイム!」
≪フェルトパペット のテイムに成功しました。名前を登録してさい。≫
フェルトパペット:マイスナ Lv:1
HP:12
MP: 3
STR:7
VIT:7
DEX:5
AGI:3
INT:3
MIN:3
スキル;裁縫 簡易木工
「よし成功」
「おめでとうございます」
羊子さんに別れを告げ、改めて依頼を受けに行く。
ぎこぎこぎこぎこ
とんとんとんとん
はい。柵を作っています。ひたすら木を切っています。小屋の中で僕は指定された長さに切るだけです。それをマイスナが切り口を整え、ウサギのおっさんが溝を掘り、アライグマのおっさんが組み上げる。
柵といっても木の板で作る薄いものじゃなく、細い丸太から作るごついものだ。そりゃ、魔物よけだしね。
≪おめでとうございます。従魔:マイスナ がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫
それは100個目の丸太を切り終わったときだった。
生産だけやっててもレベル上がるんだな。
フェルトパペット:マイスナ Lv:2 up
HP:15 up
MP: 4 up
STR:7
VIT:7
DEX:7 up
AGI:3
INT:3
MIN:3
生産系だからな。器用さ重視だ。
「兄ちゃんどうした」
手が止まった僕を見て、ウサギのおっさんが声をかけてくる。
「従魔のレベルアップが来ただけなんで大丈夫です」
「おう、そりゃめでたい。で、だ。そろそろ柵がたまってきたから、兄ちゃんには魔物よけをくっつける方に回ってほしいんだがよ」
「あ、わかりました。こいつどうします?」
マイスナを見ると、さすがパペットというべきか、疲れた様子は見えない。
「柵を作るのはまだ続けるから、こっち残しておいてくれるとたすかるなぁ」
「じゃあ、そういうふうに」
アライグマのおっさんに連れられて隣の部屋に移る。
そこには500ではきかないくらいの柵が積み上げられている。
「10個一組で術をかけていく。陣がこうで触媒がこれ。術式が、これがこうなってこっちがこう」
「ふむふむ」
総合的な知識が必要なだけで、わかってしまえばそこまで難しいものではないな。
ウサギのおっさんが追加で持ってくる柵も合わせて、全部に魔物よけの術を施すのにだいたい一時間半ほどかかった。
MPがすっからかんだよ。
≪おめでとうございます。プレイヤーがレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫
ここでレベルアップか。まあ、結構な数の雑魚を蹴散らしてきたからな。
プレイヤー:毛皮丸 Lv:11 up
HP:122 up
MP:92 up
STR:19 up
VIT:13
DEX:16
AGI:14
INT:13
MIN:12
「おーう、終わったか。ご苦労さん」
「お疲れ様です」
「こいつをギルドに渡せば報酬が出る」
「ありがとうございます」
「また来いよ」
報酬は10000Fと野菜の詰め合わせ。
報酬以上に熟練度稼げたのがおいしかったな。
残りの時間、また依頼でも見繕うか。
来週土曜日、更新します




