魔王軍、決着。
あらすじ
ブルーノ咆哮
魔王軍大活躍
魔王一閃
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ブルーノは、動かない
身体中の肉が、既にズタズタにされ、切断され、抉られてしまっている。
既に体が動かせるような状況ではない
『またか...また...負けるのか...』
ーーー!彼は、「アイテール」の持つ不要物が形になったもの
つまりは「アイテールの過去でできている」
完璧な存在に過去は必要がない
記憶として残れば十分であるということである
ブルーノの視点には、今まで起きたアイテールの誤ち、後悔が思い出されているのだろう。
センソウ...ユウシャ...奴らさえいなければ...
いなければ我々は今頃...我々は...!!
そう考え、後悔を隠せぬまま、ブルーノの意識は闇へと消えた。
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タコイカ怪物の目から光が、消えた。
魔王軍から、歓声が上がるものの、周囲の天使達は動きを止めない。大将を失ってもなお、動き続けるのか、こいつらは。
焦りはあるものの、同様はない。
魔王がいるからだ....
『行かねばならないところがある』
本陣に戻り幹部達を召集したまま戦線を維持するよう命令した魔王は、幹部達にそう言い放った
『我がいなくてももう大丈夫なはずだ、行かなければいけないところがある』
同様する幹部達にそう言い放った瞬間、幹部達は押し黙るいるのだ、ここよりも魔王様が必要な場所が。
この者達の親玉がいる場所に、我らが主人は行かなくてはいけないのだ。
『魔王軍全軍、目前の天使の軍勢を殲滅、後にアイテールが復活した跡地に向かえ、そこに天使が自動で出現する魔法陣がアイテールによって設置されている。そこを破壊せよ』
魔王の命令に、幹部全体が了承の意を示した
1人1人が自分に頭を下げる
なんの感慨も感じなかった。
いつもの光景のように捉えていたこの風景が、こんなに懐かしくなるとは...
......やっぱり戻ってきて良かった
そう魔王は確信した。
魔王はテントから出ると呪文を唱え始める、とうとう、あの古い老馬と再会する時が来たのだ。
『仕事だ、エルド!!』
魔王の手から放たれは黒い霧状の何かは、少しずつ形を変化させ、馬の形へと変化した。
『......まだ、この老馬に用がおありで?』
黒い馬鎧をつけたその老馬は
ボーンホース、契約者の魔力さえあれば何度でも蘇る不死の馬。その馬は天に造反したものに付き従い。必要さえあるなら空をも駆ける
2度も言わせるな、仕事だ
そう言いながら、何の躊躇いもなくひらりと老馬に乗る。
『魔王様!!!!』
駆け寄って来たのは、メデューサだった。
幹部ではないが、秘書として魔王軍を縁の下から支えてくれた大黒柱だ。
行ってくる
それだけ行って飛び去った魔王に、メデューサはただ祈るばかりである
ーーーどうか、ご無事で、と。
魔王回3回って長かったね
ようやく主人公の場面になります
長らく出てこなかったあの人が登場します




