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黒い騎士の決意とは何か

お久しぶりなので解説


ご主人=レッド



クロは飛んでいた


『イヴァン!もっと飛ばせないか?!』


『これが限界だ!それでもあと3日で着くぞ!』


『3日か...』


アレが巨大だから鈍足である、という万物の法則に則っているとはとても思えない。


早いのだろう、あの巨体でも、そういう風にできているのだろう。


間に合うのかについては、五分五分といったところだとクロは予想する。馬で1ヶ月かかった道のりも、あの怪物なら、あるいは3日でついてしまうのかもしれない。


しかも今回は本気だ。「アイテール」の本気が見れるだろう。


前回はエルザを追いかけていた。攻撃のためではない。捕獲のために


しかし今回は本気だ、本気で生命を滅しようと企んでいる。


今回はエルザも自前の羽で空を飛んでいる。ここまできたら外聞なんてなにしてる場合じゃないだろうからな


ウォルテシアの報告は、バハムートが既にやってくれるらしい。バハムートか...ちょっと戦ってみたかった気もするが、仕方ないだろう。


バハムートとウォルテシアも体制が整い次第すぐに来るらしいが...時間がない、せめてバハムートのおっさんだけでも来てくれないかなぁ


西の国ウォルテシアを抜けると、山が見えてきた。


あの山を越えれば、ケイアポリス王国に着く。


山をイヴァンが越える


『ふうっやはり高いな、この山は』


そう一息着くとイヴァンは、前を見て絶句した


燃えていたのだ


目の前にある街が、山を越えてすぐにあった小さな街が。


『少し寄り道するぞ!あの街を見てくる!』


『待って!王都はどうするの、今すぐにでも行かないと!』


エルザがそう叫ぶが、構っている暇などない


山賊か?それとも領民の反乱か?


なんにせよ、救わなくてはならない。エルザも仕方ない、という顔でついてきた。


......まず、村を襲っていたのは山賊ではなかった。


かと言って、領民の反乱というわけでもなかった。


そこにいたのは天使だった


返り血にまみれた天使たちだった。


イヴァンが駆けつけたとき、目の前で村人らしき男が天使によって槍で突かれた


天使はなんの躊躇も、なんの慈悲もなく、男を刺した。男は後ろにいた女の子を守るために槍を腕で止めて、後ろに行かないようにしている。


後ろにいた女の子が、男に駆け寄る。どうやら父娘なようだ。


『お願いします...どうか...どうかこの子だけでも...』


そう涙ながらに訴えた男の願いなど意にも介さず、天使は男から槍を引き抜き、今度は男が倒れ、守るものがいなくなった少女に槍を振り下ろさんとする。


槍を引き抜かれた男は地面に倒れ伏し、そのまま動かなくなった。


その槍を、その腕を、その首を


クロは斬った、イヴァンが噛み千切った


右手にはいつもの神器『ギリオン』

左手には新しく揃った両方が揃い、真の力を発揮せんとする神器『グラディウス』


グラディウスは両刃の剣、どちらの向きでも敵を殺せる。


『お前達...殺す、全員殺す』


殺意にまみれた視線を、クロは大量にいた天使達に向ける。天使達は殺意に反応したかのように村人達へ向けていた視線をこちらに向けて、目を光らせた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


2体、3体、5体!7体!11体!!


向かってくる天使達を、まるで暴風の如く片付けて行く。


村人達は逃げおおせたようだ。後ろにいた少女も、既に他の村人に連れ去られている。


殺す、殺す


グリーン、ホワイト、ピンク


そして何よりご主人には見せられない光景だな


『正しく生きる』


このご主人の指示とはあまりにかけ離れている光景だからだ、今まではそれで良かった。犯罪を犯さないなど、元の世界では難しいことでもなんでもない。それなりに裕福な家に生まれれば、正しく生きるなどという普通なこと、できない方がおかしい。


しかしここでは違う、この世界では違う


この世界にはどうしようもないクズがいる。


これがどのような奴らなのかは知らない。


アイテールの部下だと言っていたが、それならそうなのかもしれない。


しかし、子供を傷つけるようなものに、正義などない!!


そのためなら悪を被ろう。


それが自分の仕事であると、クロは思っていた。


他の人格は正しく生きてくれていていい。


イエローと自分は影になろう。


汚れ仕事はこちらでやる。まぁきっとそれすらもご主人は許してはくれないだろうが...


暴風の如く、竜巻の如く、災害の如く


これこそ一騎当千、と言わしめんばかりのスピードで、クロは天使達をえぐり、首を斬っていった。


ガキィン!!


それは唐突だった


また1人首を斬った。


手応えも十分だった。


振り返る必要もない、そんな剣を


何事もなく両手で受け止めている天使がいた。


その男は黒い翼を持つ、顔が隠れるほどの髪を持つ天使だった。


『お初にお目にかかります、「実験動物リストNO.4」のグリーン様と見受けます』


男はふわっと、クロの上体を浮かすと、そのまま回し蹴りを放ってきた。


それをクロはギリオンで受け止めようとする。


受け止めるもそのまま後ろに吹き飛ばされ、民家が全壊した。


『ブレオベリス、捕獲を開始します』



天使、一人目


相対する!

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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