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野望は潰え、魔王は嗤う

そーろそろ主人公の本名知りたくないですか?


あ?どうでもいい?主人公ださねぇぞ(`・ω・´)キリッ


嘘です次回登場予定です。

紳士は言う


『我が名はモードレッド・ド・アルノ男爵である、貴様に決闘を申し込む!貴様が勝ったら私の軍は全員降伏させる!私が勝ったら貴様は私に服従を誓え!』


紳士の目に、光が灯っていた、比喩ではない、クロはその目の中に光を見た。先ほどの目の虚いは一体なんだったのかと、そう思わせるほどの変貌ぶりであった。


剣を抜き、はっきりとした目でクロを見据えている。


...この気概は、死ぬ気の時の目だなぁ


何かのために体を貼る時の男の目をしているようにクロは思えて仕方がなかった。


この紳士は確かに強いが、先程戦った巨人より強いとはとても思えない。


恐らくこの男は自分が死ぬことによって、この戦いの責任を取るつもりなのであろう、負けても、アストルフなら部下達を見逃すとでも思ってるのかもしれない。


この男にここまで甘いのを見透かされてるのか、アストルフ大丈夫か?


盗賊達は山の巨人を見て逃げ出したが、恐らく彼の私兵と見られる兵士達は、そのほとんどがクロに倒され、地面にうずくまるか、捕まっているかしている。


...これは倒してしまったいいのだろうか?


まぁ面倒くさいしぶっ飛ばしておこう!


「待ってくれ!グリーン、その決闘、私に預けてはくれないか!」


「なにぃ?嫌だよ、俺が売られた喧嘩だぞ?俺が買う」


「そこをなんとか頼む、モードレッド様は我が剣の師、引導は私の手で晴らしてあげたい。」


「そっか、じゃあいいよ」


「...ありがとう」


カミーユ、モードレッド共に騎乗していた、


カミーユもモードレッドも、共に持っているのは片手剣、いずれも見ただけで名剣とわかる一品だ。


『あの時の小僧が、こんなに大きくなるとはな、先代も喜んでいることだろう』


『モードレッド様、いつか本気でと夢見ておりましたが、まさかこのような形になるとは...』


戦いたくなかった、とカミーユは呟き、モードレッドに向かって行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






あの小僧が、随分と大きくなったものだ、こやつと会ったのは、確か15年ほど前だったか?


こやつの父とカミーユが剣を交わせているのを見て、声をかけたのが始まりだったな、あの頃に、カミーユが欲しいと言っておけば、また違う未来が待っていたのだろうが......それも遅いか。


カミーユが向かって来た、ほう、中々いい面構えをしておる。


馬もいい。当たり前だ、3年ほど前に私がやった馬だ、毛並みもいい、負けるわけにはいかんな、と愛馬に私は囁く。


斬りかかってきた。ふむ、いい動きだ、私はそれをかわすと彼の腹部を薙ごうとするが、彼の馬が察して少し後ろに下がり、私の剣を紙一重でかわした。


驚いた、主人と馬の連携がうまく噛み合っておる。


剣と剣同士がぶつかった、この力、膂力も向こうが上になってしまったか。


数十号の打ち合いののち、モードレッドの視界がくるりと一回転し、地面に激突する。


落馬したのか、いや、させられたのだな。


首筋には剣が突きつけられている。私の首筋に剣を突きつけた痴れ者...否、勝者は、目から大粒の涙を流していた。


『私の...勝ちです...モードレッド...様...』


『泣くな、そして油断するでない、私はまだ剣を持ってるぞ、まったく...まぁいい姿を見せてもらえた、これで安心して死ねるわ、部下はお前に任せたぞ。カミーユ』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





終わったな


時間にしてわずか2時間ほどの戦いであったが、こちらの勝ちで無事に終わりそうである。


グリーンとの約束も果たすことができた。


アイツには、イエローや私が起こしたトラブルを主人に付き合う形でカバーしていった借りがある。


これで少しは返せたであろうか。いや、もうむしろこちらの方が借りがあるな!また今度イタズラしても許してもらえるだろう!


そして、この武器である。


未だこの武器は、青く光りながらも棒状の姿を保っている、今のところ他の形に変わることはなさそうだ。


いや、千差万別に形を変えるなら、もっと他に色々あるだろ...


刀がいい!刀が!


.........全く変化しないな、何か条件でもあるのだろうか?


手に入った経緯も正直よくわからないが、まぁいいとしよう。


この戦争の終わりを確信した瞬間、クロの意識は深い闇に包まれていった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ま......魔王様?」


意識がまだ少しぼんやりとしていたが、目が覚めた。


傍らには秘書役をしてくれているメデューサがいる。


どうやら少し眠ってしまっていたらしい、そう言うと、お疲れなのでしょうから少しお休みになって下さい、とそう言ってくれた。


夢を見ていた...ような気がする。


私は人間になっている、目の前には巨人族の古き友がおり、私に渡したかったと常々言っていたあの武器を持っていた。


向こうも私に気づいており、久しぶりに昔話をした。


『何故そのような姿になっているのかは不明ですが.....もういいでしょう、貴方様にこの武器を渡します、お好きに使いください。』


確かに彼はそう言った、そう言った気がする。


確信がないのは、私自身の記憶がそこで途絶えており、今も少しずつ忘れてしまっているからだ。


しかし、やけにリアルな夢であった。


せっかくだから、少し部下にアルノ領のことを調べさせてみようか


面白いことがわかりそうだ。


もしあの夢が本当で、私であったものがあるのであれば...その時は........................


神々と戦うための武器ー神器ーと呼ばれるものは全てで5つ


1つは山の神が持ち


2つは人間が持ち


1つは所在不明


1つは今我が手にある。


全てを手に入れたものは神になれるとまで言われた武器。


その2つが揃うかも知れないと知り、魔王は微笑を浮かべた







感想、総合評価、ブックマーク本当にありがとうございます...


嬉しくて涙が出そうです...


まだまだ始めたばかりですが、ほぼ毎日投稿頑張っていきますので、よろしければ温かい目で見守ってください!よろしくお願いします


良ければレビューもよろしくだお!(`・ω・´)キリッ

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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