国王様に挨拶?知らないので消えます
ーー試練攻略!
帰るぞーー!!!!
(帰れるとは言ってない)
『してやられたか、まぁ...老いた、ということなのか』
人間の姿に戻ったバハムートが背中をバシバシ叩いてくる。
痛いです、怒ってるでしょ、絶対!
『いやいや、そんなことないぞ?』
嘘ダァ!
隣のイヴァンは笑いが抑えられてない。てか、ドラゴンの厳つい顔でも笑ってるのがわかるって相当だよね...
試練は終わった
バハムート父さんは、一応王都に報告は行くらしい
いや、当たり前でしょ国宝級のものが取られるんだから、報告ぐらいはしないと。
夜中には戻ってくるらしいので、その間暇になった僕はエルザに食料などの買い出しに付き合わされた。
夜中にはこの国から出て、王都に向かわないといけないからね。
そういえば時間にして王都を出立してからわずか1ヶ月ほどしか経っていない。
イヴァンのお陰でだいぶ時間が短縮できたよね。良かった
神殿周りの町並みは、有名な観光地とあって、異国の人々で溢れていた。ウォルテシアと交易をしている遠い国々...からきた商人なども多いため、それをもてなすための宿や、飯屋などが数多くあるのだ。
今回は普通の飯屋で、普通のもの...この世界では珍しい新鮮な魚介類を食べることができた。生ではなかったけどね...
その話をエルザにしたら、魚を生で食べるって...とドン引きされてしまった
えー美味しいのになー刺身とか大好きだし!寿司食べたい
平和になったらみんなに食べさせてあげないとね。そう決意をさらに固めた。
ん...なんだ...地震?
バハムート様がまた試練をしているのだろうか
そう世間は話をしているが、そもそも神器はここにある。試練は終わった。試練のためのバハムートと挑戦者との戦いが行われることはもうない。
なら...この地震は...なんだ?
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『ふむ...軍の整備は終わった。我らもグリーン殿と共に王都へ向けて出発する。』
『ほう、そうか、グリーンも驚くだろうな』
『余の国の神器を奪ったのだ、さて誰と結婚させようか。私の妹なんかどうかな?どう思う、バハムート』
『さぁ、そんな色恋なんぞで縛れる奴じゃないと思うがな。王の性か、まぁ試してみればいいんじゃないか?』
この国の執務室
バハムートとウォルテシア国王は話を進めていた。
ウォルテシア王は黒い肌にロングの髪のイケメンだ。
筋骨隆々なバハムートとはまた違った意味で絵になる姿をしている。
今回集まったのは、試練が突破されたというバハムートの質問ともう一つ
自称神の「アイテール」を撃破するための会議だ。
『既にオワリの国は兵を送っているという。我らも急ぎ出立せねば、お前にも同行を頼みたい』
『う〜ん、アルフィィオスから既に要請は来ているのだが...今ここを動くべきなのかに関しては微妙、と言ったところだなぁ。まぁ別に動いてもいいが、それならばお前はここに残れ。』
『なんだ、お得意の勘か?』
『お得意の勘だな』
『.........ならいいだろう。こちらもお前という戦略を確保している手前、肩身がせまいんだ。こういう非常時に貢献せねば商いがやりづらい。行ってくれ。友よ』
ふぅーーーーというため息と共にウォルテシア王はそう告げた。
了解した、してーーー
バハムートのその言葉、最後まで言うことは叶わなかった。
執務室が揺れ始めたのだ。
『何事だ?』
『おいおいマジかよ...女神様よぉ...もっと正確に測れなかったのか?』
『何が起きたと言うんだ、バハムート!』
『治療したのか...進化したのか?変化したのか?いずれにしてもこの反応...間違いない!』
顔を反転させるバハムート、その瞳には一点の方向しか見ていない
『復活するぞ、アイツが...!!』
次回、神の心とは...




