緑と龍と...神器の試練(そりゃ負けるでしょ)

『ついたぞ、ここが私の神殿だ』

そう言うと、バハムートはゆっくりと降下を始めて行く

グリーンとエルザ、そしてイヴァンもそれに続いた。

そこは、白を基調として作られた巨大な神殿だった

四方を小さな壁に囲まれており、中央に真っ白な色をした神殿が立ち並んでいる

まるで異世界版タージマハルだな

違うのは...入り口がとんでもなくデカイことぐらいかな

そう思って隣を見ると、筋骨隆々な、肌の黒い、スキンヘッドのおっさんが背中から翼を生やして飛んでいた

全身にタトゥーが仕込まれており、ハリウッド俳優のようなその様は、日に当たって輝いている (頭的にも)

『驚いたか？人化の術だ。アルフィィオスとかはリザードマンに似せて変化してるらしいがな、まぁ私のところに訪ねてくる友に、人化の術が使えない奴もいるから、入り口は広くしてるがな』

あぁ、お前バハムートかよ。威厳はそのままだが、なんか気のいいおっちゃんみてぇになっちまったな。

まぁいいや、取り敢えず中も綺麗だった

芸術品には興味ないが、中々綺麗だと思う。

それ以外になんかないのかって？んー知らん！ホワイトあたりに聞けや！

神殿に降りると、結構な人がいた

そういやぁ神様か、そりゃあ人気もあるよな

あ、きたよー！！

子供達の無邪気な声と共に、国の人々や、聖職者が集まってくる。それに対して適切な対応をしている様は、大変そうにも写る。

適当かと思いきや、ちゃんとしてるじゃねーか

あれ？てか伝説なんじゃないの？

創世の四聖って、普通に存在してるじゃん。まぁそれはいいんだけどね、いや、マジで普通に信仰の対象が何百年も生存している現象って、ブッ〇やイエ〇もビックリだな、というか信仰の対象になり得るのかそれ？

あと、イヴァンが後を継ぎたくない理由がやっとわかった。

アイツ難しい話とか無理だろ、バカだし

政治がどうこうとか、権謀術数とか、絶対向いてないだろ、バカだから。

そう思ってたら、何故かイヴァンに頭から丸かじりにされた

なんだてめぇ

『いや、何故か主人が失礼なこと考えてる気がしたから』

よし、おめーは親父にしばかれてこい

そうこうしているうちに、人が全て消えていた。

おっさんが散らしたのかな？なんで？

『よし！じゃあ始めるか！今からでもいいのか？グリーンとか名乗った小僧』

...いや、何が？

俺はイヴァンが父に虐められるのを見にきただけなのだが。この国名物のジュースでも飲みながら。

おねーさん、トロピカルジュース下さい

え？ない？てかお姉さんもいない？そんなー

『神器を手に入れるんだろ？それなら、我が試練を受けてもらう。』

いや、嫌です

『あーそうか！契約したのだから、我が息子も共にかかってきてもいいぞ！よしこい！』

神殿に戻り、胸を前手で大きく叩いたバハムートが、陽気にそう言う。

よし！全力で逃げるぞイヴァン！！

『イエッサーー！！』

気持ちのいい返事と共に、俺とイヴァンはバハムートとは逆方向に向けて走り始めた。

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西の国ウォルテシア、その都から少ししたところに、神殿はある

そこは神殿そのものが一大観光地となっており、神殿、露店が並ぶ場所

その神殿にある宿で、エルザは休んでいた。

宿とは言っても、神殿の客人にしか使用は許可されていないらしく、今はエルザ1人しかいないが。

つまり、羽を伸ばせると言う訳だ。

ドタドタと騒がしい音がしてきた

夜だというのに騒がしいわね

ま、そんな目くじらを立てなくてもいいでしょう。

『あの神殿から出られないってどーゆーことだよそんなのありかよ！』

『ふっふっふ、知らなかったのかご主人、父からは逃げられない』

『いや知るか！』

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『次は絶対にぶちのめしてやるぜ！クロ召喚！こいやぁぁぁぁてかクソレッドとかもこういう苦しみを味わえ！そういうの担当だろアイツが！』

『言ってる意味がよくわからないのだが？！』

『また明日も行くぞイヴァン！次こそはぶちのめしてやる』

『そうだぞ、私は見れなかったが、魔王を倒した主人の勇姿を見せてくれ！』

うるさーい！静かにしなさい！！！