(緑)西の国編・海洋国家ウォルテシア
イヴァンが使えねぇ...
龍種最強の息子もっと頑張れよ...
てか、なんで捕まっとるねん
『ここまでだ...これ以上は父のセンサーに反応してしまう...走っていけば1日で着くはずだ。』
『そんなこと言わねーでよ、あともう少しじゃねぇか』
『ちょっと、こんな高い空の上で何やってるのよ、早く行きなさい』
『うるさいわ!父のセンサーをなめてはいけない。集中しているときは、私も本気で隠れなければ地上の果てでも見つかると言われているドラゴンだぞ』
『あぁ、だから、もの探しの神様とかの意味もあるんだっけ?』
『そうだ!だからこそ、私はこれ以上は近づけん悪いが2人だけで行ってくれ』
地上から何10メートルも離れた雲の上で、エルザ、イヴァン、そして「グリーン」は停滞していた。イヴァンがいなければ、今後の旅に支障が出る。
イヴァンの父に見つかって、イヴァンがいなくなる方がよっぽど時間のロスだ。
ったく仕方ねぇな、そんなに親父が嫌いなのか
俺?俺は別に嫌いじゃねぇ
俺の親父は、比較的自由に色々やらせてくれたし、興味のあることには積極的にやらせてくれた。
っと、それはともかく、イヴァンがいなくなるのはキツイ、降りなきゃな
大人しく地上に降りたイヴァンの背から降りる。
『また必要なときは連絡する、ありがとな』
『うむ、流石は我が主人!物分かりが良くて助かるぞ』
『何よ...いくじがないだけじゃない。いつまで父親にビビってるのよ。』
『!!やめろエルザ!この国の領域内で私の父の悪口を言うと...』
エルザの言った一言にイヴァンはしまったという顔で注意する
時既に遅かった。
グリーン達の少し前から一面の緑だった場所が、突如として謎の空間がゲートのように開き始める。
幸いにも通行人は誰もいなかった。
『我が息子を臆病者と罵ったものがいるようだな!!!!』
創世の四聖...
その中でも最強の神...
破壊の神、憤怒の神、この世のありとあらゆる「怒」の部分を強く発揮する以外にも
結婚の神、恋愛の神、そして...
「子供の神様」として有名である
薄く全身が赤いその体と、顔が真っ赤に染まっているその姿は、まさに「龍種の王」にふさわしい。
過度に発達した後足と、人間の腕のような前足で、二足歩行で立っている。
東西南北全ての龍種を束ねる王
その名は...
憤怒延焼 「バハムート」
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『我が息子を愚弄したものは誰だ!』
あまりに大きい声に、グリーンとエルザは耳を塞ぐ
なんだってんだ、この超巨大な何かは
アイテールには負けるが、少なくとも半分以上はあるだろう。
あれ?そう言えばイヴァンは?
回りをキョロキョロ見回すと、既にその姿はない
あいつめ、逃げたな
いや、いた
バハムートの手の中(前足?)に捕まえられており、じたばたともがいている
『おおおおおやっと戻ったか息子よ!お前のいなかった数百年の間、お前がどうしたら強くなるか方法をずっと考えていたのだ。早速行くぞ!』
まるで体育会系なお父さんにイヴァンは既に口から泡を吹いている。
イヴァン、強くなれ
『ところで...ふぅむ?貴様契約なんてものをしていたのか。どれどれ...ふむ、お前か我が息子と契約をしたのは』
そう言うと、マジマジと俺の姿を見まくる。
近いですお父さん、喰われそうで怖いな
つーか喰う気でしょ絶対。
目がイってるよね、「よくも私の息子を誑かしたな」みたいな目になっているよね
『悪いが、今はこの国の人間が持っている神器を探してるんだ。イヴァンがいないと足が居なくなって困る、また今度にしちゃくれねぇかおっさん』
これを目の前にしてそれを言えた俺を、誰か褒めてくれ。
そう言うと、バハムートは小さい声でクックッと笑い出す
何がおかしい?
『そうか、それならば問題ない。何故なら、神器は私が所持しているからだ!』
作者が変態すぎて
この作品がノクターンズノベル行きになる日も近いなっ




