イエローと喋る絡繰〜オワリノダンジョン最深部〜
あらすじ
魔族領ダメやな()
王国頑張れ♡
最後の一体...
イエローは無言で、既に変化しているナイフverギリオンを横に振る。
最後に残っていた絡繰は、首部分を両断され、そのまま崩れ落ちた。
血が吹き出る...かと思いきやそうでもない。当然である。これはただの絡繰...ダンジョンん内の魔力によって操られた自動人形である。
これが30体ほど、先程4層目に入ってすぐ、襲いかかって来た。それに加えて魔物の群れ、
数が多すぎる...
魔力の多い場所に自然に出現する魔物。
ここの異常なほどの魔力に呼び寄せられ、Bランク上位程度の魔物が数多く出現した。
...とはいっても、エルザでも一撃で屠れるレベルではあったので、問題がないといえばそれまでなのだが...
ふむ、取り敢えずここが4層目で、次が5層目ですかな。
洞窟によって、自然に下へと進んでいける4層目と違って、5層目にはちゃんと扉がついていた。
ここが...書物に書いてあった、恐怖を感じた場所、ということですかな。
イエローは情報集めの時にダンジョンのことについて書いてあった書物を思い出す。
4層までのトラップを潜り抜けたものをも畏怖させる、そんなものがこの扉の向こうにいるというのですかな...
扉へと手をかける。
ドア式になっているドアノブにかけていた手を、イエローは咄嗟に外して臨戦態勢をONにした。
音が止まる。イエローの全身から危険信号が鳴り響いたのだ。
瞬間、イエローの普段を知る者なら、「絶対にありえない」であろうと思う表情をイエローはしていた。
その顔は怒りであり、恐怖であり、畏怖であった。
後ろにて扉を開くイエローを待っていたエルザですら、一瞬イエローが発した気配に驚く。
『......エルザ、少し様子を見てきます、ここで待っていては下さいませんか?』
『え...ええ、出来るだけ早くね』
途端、その答えを聞くのが早いか、慎重に扉を開けながらも、体を滑り込ませるように音もなく扉の中にイエローは入っていった。
あまりに瞬間の出来事にエルザも呆然とするしかなかった。
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音もなく部屋へと侵入に成功したイエローだったが、自分がこの部屋に足を踏み入れた瞬間、部屋中に明かりが灯った。
部屋は四角く囲まれた場所だった。
学校の教室程度の大きさに、奥に鎧武者がいる以外何もない。いや、奥に扉があるのがよく見ればわかるのだが、鎧に隠れてて見えない。灯りは蝋燭で、部屋の側面に灯っている。
蝋燭ですか、一体どうやってついたのやら。
それにしても...純粋な、混じりけも何もない、「殺気」ですなぁ。そう思い、イエローは目の前にいるそのものへと視線を向ける。
それは、二脚の和風椅子に腰かけた、鎧姿の、人型の「何か」だった。
南蛮鎧、と形容するのが正しいだろうか。縦に長い兜、背中には赤いマントをたなびかせており、表情は仮面に隠れててわからない。
人の気配ではない。だが、怪物の気配でもない。ゴーレムか?しかしあの殺気は、人でければできないものだ。
そんな南蛮鎧の武者は、部屋に灯りがついた途端に目が光りだし、立ち上がる。
その目は確かに発光している。しかしその目は、人よりも冷たく、激しかった。
『ふむ......来たか。随分と長い間待たされたものだ。最後の試練を始めよう。』
『その言いよう、やはり試練か、あのくだらんトラップの数々は。魔物が出てきて大変でしたな。』
イエローの、いつものおどけた口調もなりを潜めている。完全に臨戦態勢だ。
『...そうか、魔物が出現しているのか。それで難易度が跳ね上がり、ここまで長い間誰もこなかったというわけだ。』
自分の鎧についた誇りを取り払いながらも、それはそう呟いた。
『......試練を開始する。我が名は三郎、この地に栄華をもたらしたものなり、貴様が私の何を望むかは知らぬ、我が力にお前が上回ったとき、我が知恵、我が宝、我が力、全て余すことなく貴様にくれてやろう。好きに使うがいい。』
そう言うと、三郎と名乗った鎧武者は、刀を抜いて斬りかかる
三郎?!数百年前の人物ですよね
そう考えていたイエローは、その瞬間思考を切った。ギリオンをナイフにし、構える。
最後の試練が始まろうとしていた。
戦闘シーンに一定のエロを組み込んでいくスタイル
(胸は嫌いじゃない)




